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NTTインタ-コミュニケーション・センター [ICC] にて、「大友良英 音楽と美術のあいだ」展が11月22日より開催される。

大友良英は、即興音楽からポピュラー音楽、さらに映画やテレビの劇伴音楽まで、幅広い音楽の領域で活動する音楽家。その一方で、美術館やギャラリーなどでの展覧会への参加や、インスタレーション作品を制作するなど、美術の領域での発表も数多く行なっている。

この展覧会は、2008年に木村友紀、平川紀道、ジム・オルーク、カヒミ・カリィ等、ミュージシャンやアーティストと共に、山口情報芸術センター [YCAM]で委嘱制作された作品《quartets》と、本展のための新作サウンド・インスタレーション《guitar solos 1》で構成される。

テーマは「音楽と美術のあいだ」。
異なる芸術表現である「音楽」と「美術」は、制度も作法も独自の発展を遂げて現在に至っている。それゆえ、音楽の活動の場と美術の活動の場は、制作においても、市場においても、異なるシステムの上で動いているといえる。
作り手と受け手の関係、作品の流通、作品の提示方法など、それぞれの場面でさまざまな相違がある。

そのなかで、1960年代以降、音楽と美術が相互に介入し合うような表現が多くみられるようになり、そこで生まれた表現は「インターメディア」、「パフォーマンス」、「サウンド・アート」などと呼ばれてきた。その後、さまざまなメディアを利用できる環境が整うことによって、メディア・アートや「領域横断的」と称される各種表現が生まれた。こうした表現は、従来の芸術ジャンルの定義や解釈を拡げたと同時に、それらのあいだにあった境界線をあいまいにした。それこそが、大友のように「音楽と美術のあいだ」で活動するアーティストの表現を可能にしてきたのだといえるだろう。

この展覧会では、いまいちど、「音楽」と「美術」という異なる表現の相違に目を向け、それらの「あいだ」にあるものとはなにかを、複数のインスタレーションとさまざまなイヴェントによって考えていく。

会期中にはトークやコンサートも予定されている。最新情報は公式サイトにて。



Information

大友良英 音楽と美術のあいだ
OTOMO Yoshihide: Between Music and Art

http://www.ntticc.or.jp/Press/2014/10/1010_01_j.html

会期:2014年11月22日(土)─2015年2月22日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
開館時間:午前11時─午後6時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌火曜),年末年始(12/29─1/5),保守点検日(2/8)
入場料:一般・大学生500(400)円/高校生以下無料
※( )内は15名様以上の団体料金
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
協力:山口情報芸術センター [YCAM],FOSTEX
制作協力:Sachiko M
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分

関連イヴェント
オープニング・トーク1
日時:2014年11月22日(土)

オープニング・トーク2
日時:2014年11月23日(日)

コンサート&トーク
日時:2014年12月23日(火・祝)

大友良英コンサート
日時:2015年2月20日(金)

会期中、上記のほかにもイヴェントを開催する予定。
各イヴェントの内容について、詳しくは公式サイトにて。

Profile

大友良英(おおともよしひで)
ギタリスト/ターンテーブル奏者/作曲家/映画音楽家/プロデューサー
1959年横浜生まれ。十代を福島市で過ごす。常に同時進行かつインディペンデントに、即興演奏やノイズ的な作品からポップスに至るまで多種多様な音楽を作り続け、 その活動範囲は世界中におよぶ。映画音楽家としても数多くの映像作品の音楽を手がけ、その数は70作品を超える。近年は「アンサンブルズ」の名のもと、さまざまな人々とのコラボレーションを軸に展示する音楽作品や特殊形態のコンサートを手がけると同時に、障がいのある子どもたちとの音楽ワークショップや一般参加型のプロジェクトにも力を入れ、2011年の東日本大震災を受け福島でさまざまな領域で活動する人々とともに「プロジェクト FUKUSHIMA!」を立ち上げるなど、音楽におさまらない活動でも注目される。 2012年 、「プロジェクトFUKUSHIMA!」の活動で芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。2013年にはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の音楽で東京ドラマアウォード2013特別賞、第55回日本レコード大賞作曲賞を受賞するなど、多岐にわたる活動で数多くの賞を受賞している。