山口情報芸術センター[YCAM]にて、京丹後を拠点に国際的に活躍する音楽家・鈴木昭男と、鈴木に多大な影響を受けた若い世代のアーティストたちによるライブコンサートが5月27日に開催される。

鈴木は、土地ごとの特徴を鋭く観察することで、独特の音と個別の聞こえ方を取り出し、それを活かした演奏をおこなう音楽家で、長年に渡ってサウンドアートの地平を切り拓いてきた世界的な先駆者の1人。
今回のライブコンサートでは、鈴木のパフォーマンスを軸に、近年鈴木とのコラボレーションを精力的に展開しているダンサーの宮北裕美との即興パフォーマンス、さらには鈴木のサウンドスケープを電子音響リミックスとしてマルチチャンネルで緻密に再構築するevalaと原摩利彦によるパフォーマンスを発表する。

YCAMが誇るハイクオリティの音響環境を活かしたライブコンサートを通じて、アーティストたちの研ぎ澄まされた音への感覚や、アプローチを紹介する。

その他、YCAMでは現在、教育普及展覧会「glitchGROUND―メディアアートセンターから提案する、新しい学び場環境」も行われているので、そちらも合わせてお楽しみ頂きたい。

Information

sound tectonics #11
「鈴木昭男; Studies in Sonority and Space」

http://www.ycam.jp/live/2012/05/sound-tectonics-11.html

日時:2012年5月27日(日)14:00開演(30分前開場)
会場:山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
出演:鈴木昭男、evala、原 摩利彦、宮北裕美

料金:[オールスタンディング]
前売 一般2,000円/any 会員・特別割引1,500円/25歳以下1,300円
当日 2,500円 ※当日は各種割引対象
チケット発売日:4月7日(土)
セブンイレブン店頭:セブンコード016-554
インターネットでのご予約·購入
山口市文化振興財団チケットインフォメーション(YCAM内): 083-920-6111

※未就学児童入場不可

主催:公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市、山口市教育委員会
機材協力:sonihouse
技術協力:YCAM InterLab
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]
平成24年度文化庁優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業

Profile

鈴木昭男(すずき・あきお)
1941 年生まれ。60 年代より音の自修イベントを始める。70 年代に ANALAPOS などの楽器を創作。80 年代、コンセプチァルな音のパ フォーマンスや、〈一日自然に耳を澄ます〉音のプロジェクト「日向 ぼ っ こ の 空 間 」を 遂 行( 1 9 8 8 )。9 0 年 代 よ り 音 の イ ン ス タ レ ー シ ョ ンを手掛け、べルリンにおける「ソナンビエンテ・フェスティバル」 (1996)以来、「点音(oto-date)」を展開している。「ドクメンタ・8」 (カッセル/ 1987)、ザールブリュッケン市立ギャラリー(1997)、 ドナウエッシンゲン現代音楽祭(1997)、大英博物館・旧図書館
(2003)、「ノイズレス・鈴木昭男+ロルフ・ユリウス展」(京都国立 近代美術館/ 2007)など世界各地で展示を行う。現在はダンサーの 宮北裕美とパフォーマンス活動を続ける。
http://www.akiosuzuki.com

原 摩利彦(はら・まりひこ)
1983 年生まれ。静寂の中の強さをテーマに音作品に取りかかる。ア ルバム「Credo」をレーベルHome Normalからリリース。2011年 秋には、柳本奈都子 ( ボーカル ) とのユニット「rimacona」が Le Lieu Unique(ナント)に招待される。伊勢谷友介監督作品「セイジ – 陸 の魚 -」( 音楽監督:渋谷慶一郎/ 2012) のサウンドトラック、高谷史 郎新作公開リハーサル(音楽:サイモン・フィッシャー・ターナー/ 2012)などに参加。
http://www.marihikohara.com

evala(エバラ)
port 主宰、ATAK 所属。先鋭的な電子音楽作品を発表し、国内外での パフォーマンスや、美術館でのインスタレーションをおこなう。ま た立体音響システムや先端テクノロジーを用いた実空間へのサウン ド・デザインや舞台音楽、広告メディアへの楽曲/音楽プロデュー スなど、音を主軸に多岐な活動を展開。
最新アルバム「acoustic bend」(port/2010)は、フィールドレコー ディングを位相変換した立体的で高密度なサウンドにより革新的 アルバムとして評される。日本科学未来館では、多面体スピーカー 10.2ch を導入し企画展の全域にわたりサウンドデザインを手掛け ている。
http://port-label.jp
http://evala.jp

宮北裕美(みやきた・ひろみ)
兵庫県伊丹市出身。イリノイ大学芸術学部ダンス科卒業。山下残ダ ンス作品への出演、アルカディ・ザイデスのプロジェクト参加など を経て、2010 年に宮北裕美 / ガラパゴス楽団を始動し『i.i. の死』を発 表。身体と空間、ものや音との関係についての実験的な試みも多く、 文化庁メディア芸術祭や京都市美術館でのパフォーマンス、初個展 「S・P・A・N・K」など様々な角度から身体表現の可能性を探っている。
http://miyakita.exblog.jp