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都市のすき間にアートが介入する瞬間 — 取り壊し予定のビルがアート空間に変貌した 「BCTION」現場レポート!アンコール開催も決定

September 25, 2014(Thu)|

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手前: Usugrow / 柱など: BAKIBAKI(DOPPEL)

取り壊し予定のビルまるまる一棟をアーティストたちが完全ジャックするアートプロジェクト「BCTION」(ビクション)が9/1〜9/15の期間に開催された。ここにはおよそ60組弱のアーティストが集結し、各々が9階建てのビルの壁面や床、階段のいたるところで制作を実施。360°空間をフルに利用した大胆なペインティングやインスタレーションが随所に施され、ビルはたちまちにアート空間へと姿を変えてしまった。一体、この現場で何が起きていたのか? 早速その模様をお届けしたい。

Text by Arina Tsukada




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大山康太郎 / 床一面に巨大な魔方陣が登場

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Houxo Que / 点滅し続ける液晶モニタの上にペインティング。ブルーライトの空間で怪しく光る

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Meguru Yamaguchi / NYC在住のMeguruくんの作品。まるでその場で描いたような迫力!

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Aruto Watanabe / 廃材を用いた都市のインスタレーションを展開

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81BASTARDS (OT, MHAK, YOSHI47, SAND NAOKI, JUN INOUE)

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ヌケメ/ 本当に入ると危険らしい

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裏千家の茶道家、松村宗亮さんによる茶会も実施


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9F建てのビルの上(10F)はインターネットにつながっていた。
…という事実を知ったのは会場を後にしてからだった。当日会場では、「あれ、exonemoってリストに書いてあるけど、見つかった? どこどこ?」という会話が何度かなされるも、誰も発見できず。と、思ったら10Fは常時24時間営業でいつでもアクセス可能なのでした。

——「BCTIONビルの10階はインターネットだ」という妄想にもとづいて、ハッシュタグの上でおこなわれる展覧会。 誰でも参加できるハッシュタグという仕組みは、同じく誰でも参加できるストリートと等しい条件を備えている。 街の風景を「描き変える」ことから始まったストリートアート。 ネット上にあふれるBCTIONのイメージをREMIXして、ネットならではの新しいBCTIONを生み出すことを目指す。 現代のストリートとも言えるインターネットを通じて、リアルとは何かを探ります。(以上、http://exonemo.com/bction/ より引用)


総括


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TORU MATSUSITA

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SSSK

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DRAGON76 & Gravityfree


東京という都市が新陳代謝を繰り返すとき、必ずデッドスペースは生まれてくる。特に2020年の東京オリンピックに向けて開発が進む今、このような解体予定のビルはどんどん出てくるに違いない。今回のように、こうした都市開発のすき間にアートが介入するのは最高にエキサイティングなことだし、これからもっとアーティストたちは社会や都市のど真ん中に忍び込んでいくべきだ。
地方芸術祭など行政主導の「街なかアート」もいいけれど、やっぱりワクワクするのは、グラスルーツから自然と生まれてくる抑えきれない衝動(のようなもの)であり、その圧倒的なパワーに触れる瞬間だったりする。ストリートのかっこ良さはそこにあるし、それはきっと、いまの社会に必要なエネルギーでもあるはずだ。

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THA(IMAONE, SOH)

都市とアートの関係についてもう少し。たとえば、ベルリンでは東西冷戦時代の壁崩壊から25年が経ったいま、クラブシーンを筆頭とするアンダーグラウンド・カルチャーがいかに都市の社会構造や産業に影響を与えてきたかを振り返るムードが高まっている。その特徴的な流れのひとつに、昨年秋に東京で開催されたカンファレンス「After25」がある。ここでのビジョンは、アンダーグラウンドな文化そのものが都市のエネルギーとなり、直接的にビジネスや行政へ貢献することを提示すること。そして、この先発展しそうなスタートアップにも注目しながら、東京とベルリンの双方で新たなシーンを育むことにあった。

とはいえ、ベルリンと異なる東京の弱点は、とにかく(面積も人口も産業も)巨大すぎて見通しが悪いことであり、特に流動性の悪い不動産事情でローカルな街の発展が起きにくいことである。
そもそも、“TOKYO”(またはJAPAN?)を総括するようなシーンは今後も生まれにくいだろうし、その必要すらないかもしれない。一方で、可能性を感じるのは今回のBCTIONのようなインディペンデントなムーブメントだ。元々、今回のBCTIONはビルオーナーがアート好きであり、主催者のひとりである嶋本丈士のファンだったことから始まったという。こうしたすき間産業ならぬすき間アートが都市のあらゆるところに浸食し、互いに特色を出しながら、いつしか大きな生態系になっていったらなかなか楽しいことになりそうだ。そう考えると、特にこの先2020年までの数年間は、よく注視していればチャンスがそこら中に転がっているのかもしれない。
そんな未来を期待させてくれるアートプロジェクトBCTION、展示は9月15日までだったが、大好評につき9月27日、28日にアフターパーティが開催されるとのこと。お見逃しなく!



会期:2014年9月27日(土)〜9月28日(日)
時間:13:00〜20:00
入場:無料
申込は以下より
http://peatix.com/event/52584

Information

BCTION
http://bction.com/


場所 : 麹町の某オフィスビル。(全9フロア。1フロア平均250平米)
日時 : 9月1日(月)〜9月15日(月) 12:00〜20:00

※9月27日、28日にアンコール開催予定

入場方法: 事前にbction.com経由でチケット購入可。

チケットに本イベントの開催地の詳細を記載
登録
URL : http://peatix.com/event/48732
入場料 : 無料


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