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初開催のYouTube Music Awards – ミュージックビデオのようにライブを披露する試み、Spike Jonzeが監督するArcade Fireのライブなど
November 5, 2013(Tue)|
YouTubeによる初のMusic Awardsが3日にニューヨークで開催された。一般のユーザーが気軽に自作の映像などをアップし、いまやインターネットで有名なプロYouTuberなどが生まれるなど、多くのユーザーを巻き込んで発展してきたYouTube。
そうしたYouTubeを通して有名になったアーティストから世界中で既に名が売れているビッグネームのアーティストが混在するミュージック・アワードとして開催された。
3日に行われた受賞式に先駆け、ソウル、モスクワ、ロンドン、リオデジャネイロでもイベントを開催され、YouTubeを通じ世界中に向けてライブ配信された。
再生回数、共有回数、コメント数などに応じてノミネーションが設けられ、ウェブを通じての投票で決められるアワードもあったのだが、注目を集めたのが、本イベントのクリエイティブ・ディレクターを努めた Spike Jonzeの企画による、ライブを「ミュージックビデオ」風に撮影するスタイルのパフォーマンスたち。
Arcade Fire – “Afterlife” – (YouTube Music Awards)
Dir:Spike Jonze, ft. Greta Gerwig
会場の巨大なウェアハウス内には各パフォーマンスのためのセットが別に設けられ、それぞれの監督によって「ミュージックビデオ」を撮影するかのようにライブが行われた。YouTubeは「つくること」の楽しさを伝えてるサービスであるから授賞式も創造の場所にしたかったと、その意図をインタビューで語っている。また授賞式自体も脚本無しで進むなど、ユニークなアイディアが満載であったようだ。
このパフォーマンス企画への参加アーティストにはアーケイド・ファイア、エミネム、レディー・ガガ、リンジー・スターリング、M.I.A.、アール・スウェットシャツ、タイラー・ザ・クリエイターなど豪華メンバー。
映像機材の高性能化と軽量・小型化にもあり実現可能な企画だろう。ビデオの序盤はセット内で撮影され進行していき、後半に大多数の観客がいる会場内でやっていることがわかるようなシークエンスになっているビデオや物語的に撮られている作品も。
また一見、公式のミュージックビデオとして撮られたようにも見えるシーンが多数あるため、後日ビデオを見ているユーザーには本来の企画意図が伝わっていないことも。
ただ、結果的に授賞式の内容が既に有名なポップ・アーティストを多数フィーチャリングしていることに対して、参加したアーティストから批判的なコメントも出ている。また、アップされた動画がライブ動画にも関わらずワードセンサーシップ(放送規定に適さない言葉をカットすること)が多いことも不評のよう。
現代のインターネットを通したパフォーマンスとして興味深い試みとなっている。撮影されたビデオは以下で見ることができる。
Eminem – “Rap God” (YouTube Music Awards)
Dir: Syndrome
Earl Sweatshirt & Tyler, the Creator – “Sasquatch” (YouTube Music Awards)
Dir: Wolf Haley
M.I.A. – “Come Walk With Me” (YouTube Music Awards)
Created by Fafi. Live show director John Gonzalez.
・パフォーマンス一覧
・受賞作品一覧
・スパイク・ジョーンズ監督、YouTube Music Awardsへの抱負を語る