大手代理店の博報堂から、マス広告/デジタル・クリエイティブにおいて世界からも注目される気鋭のクリエイティブ・ディレクター(CD)ら6人が独立し、新会社「SIX」を設立。社名にちなみ、6月6日より営業を開始した。
SIXのメンバーは野添剛士、大八木翼、本山敬一、坪井卓、斉藤迅、日野貴行ら。ギャラクシー「SPACE BALLOON PROJECT」や「TOKYO CITY SYMPHONY」、「Google Chrome初音ミク」などのプロジェクトのプランニングやディレクションを手がけた面々。カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルなど世界的な広告賞においても常連であり、新世代を牽引するデジタル・クリエイターらが名を連ねる。彼らに共通しているのは、SNS以降のマス広告/デジタル・プロモーションにおいて、プロモーションする対象の特性と、ひと目で”面白い”と思えるアイデアを合致させ、クリエイティブのバランスを絶妙にとっていること。それぞれのメンバーについてご紹介しよう。

Creative Director / CEO
約30,000メートルの成層圏までバルーンでスマートフォンGALAXY S IIを飛ばし、フライトの一部始終をUSTREAMで中継したダイナミックなプロジェクト 「SPACE BALLOON PROJECT」(文化庁メディア芸術祭グランプリ受賞)が記憶に新しい。見かけによらず茶道をたしなみ、好きな言葉は「和敬清寂」の元高校球児。マスメディアでのブランディングから、ソーシャル、体験デザインまで、統合的にデザインを手掛ける。
SPACE BALLOON PROJECT
クライアント:SAMSUNG ELECTRONICS JAPAN / GALAXY
クライアント:SAMSUNG ELECTRONICS JAPAN / GALAXY

Creative Director / Interactive Creative Director
森ビルの都市模型に投影した 3D プロジェクションマッピングと音楽を組み合わせた映像を、ユーザーがパソコンから操作して音楽をつくることができるプロジェクト「TOKYO CITY SYMPHONY」では総合プロデュースを手掛けた。OK GOの「ALL IS NOT LOST」制作にも携わる。「広告は、ひととひととをつなぎ、世界を良き方向へと向かわせる、最大のメディア・アートである」という考えのもと、表現における自分なりのソーシャルグッドを探し求める。夢は、ボリス・ヴィアンのカクテルピアノのような装置をつくること。
TOKYO CITY SYMPHONY
クライアント:Mori Building / Roppongi Hills
クライアント:Mori Building / Roppongi Hills

Creative Director / Interactive Creative Director
初音ミクを起用したChromeのCM「Google Chrome Hatsune Miku」、ソニーのハンディカムで子どもの成長する思い出を映像として残す疑似体験をするキャンペーン「Cam with me」を手がける。”A fusion of Technology with Humatniy”をテーマに、人の心に残る体験をつくるべく試行錯誤中。
Google Chrome Hatsune Miku
クライアント:Google Japan / Chrome
クライアント:Google Japan / Chrome

Creative Director / Copy Writer
ユーザーがコミックの中から選んだ1コマを合わせて一つの作品として完成させる”ソーシャル漫画”キャンペーン「ソーシャルキングダム」や、「暴君ハバネロ ハズレキャンペーン」、「JOJO 25th Anniversary Project 」を手掛けた。JOJOがバイブルでマンガの普及も自らのテーマだという。

JOJO 25th Anniversary Project
クライアント:SHUEISHA / JOJO
クライアント:SHUEISHA / JOJO

Creative Director / Music campaign director
壊すことだけを目的とした、5250円の「破壊専用ギターSMASH」プロジェクトは、Cannes Lionsのダイレクト部門で金賞、銀賞をダブル受賞した。広告の枠にとどまらず、商品やサービス開発、音楽を中心としたブランデッドエンターテイメントキャンペーンを得意としている。

SMASH
クライアント:K’s Japan / SMASH
クライアント:K’s Japan / SMASH

Creative Director / Interactive Creative Director
YouTube、Google Maps、GoogleカレンダーなどのWebサービスを舞台に展開する“謎解きパズル「The Google Puzzle」やドラえもん生誕100年前記念 Google「みらいサーチ」を手がける。The Google Puzzleはサイトオープン後、1ケ月で100万人が挑戦する人気ゲームとなった。メンバー随一のほっこりキャラクターである。

Google Puzzle
クライアント:Google Japan / Chrome
クライアント:Google Japan / Chrome

コーポレートロゴは、アート集団ヒプノシスでの活動やピンク・フロイド、レッド・ツェッペリンなどのジャケットで知られる巨匠ストーム・ソーガソンがデザイン。黄金比に内包される“6”をメインビジュアルに、無限の螺旋が生み出すうねりやパワーがシンプルに表現した。「S」は時代との同期・シンクロを表す“SYNC”、 「I」は人の心を着火し動かしていく“IGNITE”、「X」は新しいコミュニケーションへの冒険心=“EXPLORE”をそれぞれ意味している。
社名の「SIX」は、6人の繋がりを介せば世界中の誰とでも繋がることはできるスモールワールド現象や、”第六感”などの由来を持つ。クリエイター主導型の会社として独立したことで、純粋にクリエイティブの面白さを追求するコンテンツを生み出してくれそうだ。
Information
「株式会社SIX」会社概要社 名:株式会社 SIX
本社所在地:〒107-6310東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー
※2013年10月に新オフィスオープン予定(港区青山)
資 本 金:90,000千円(博報堂100%出資)
役 員:代表取締役社長 野添剛士(博報堂より出向)
http://sixinc.jp/