20151120_artfrontgallery_aarsten-nicolai

bausatz noto ∞(color version)
photo by Julija Stankeviciene
Courtesy of Galerie EIGEN + ART Leipzig/Berlin and The Pace Gallery


アートフロントギャラリーにて、カールステン・ニコライ個展「bausatz noto ∞」が12月4日より開催される。

旧東ドイツのカールマルクスシュタットに生まれたカールステン・ニコライ(1965-)は、大学でランドスケープアーキテクチュアを専攻。卒業後は都市のデザインを手掛けていたが、90年代に美術家としてベルリンで活動を始めた。また、アルヴァ・ノトの名前で電子音楽の分野でも知られるようになり、視覚アートと音楽の世界を自由に行き来しながら活動の場を広げてきた。

1990年代より活動を始めた日本では、2000年にマルコ・ペリハンとインスタレーション作品をCanon ARTLABで発表(会場ヒルサイドテラス)、2003年、2012年には越後妻有アートトリエンナーレにも作品を設置している。また、昨年には文化庁メディア芸術祭にてアート部門大賞を受賞し注目を集めた。

本展では、bausatz noto ∞ [color version] を中心に展示される。アーティストにより作成されたレコードと4台のターンテーブルがセットになっており、回転速度を変えたりしながら同時にエンドレスにループで再生される音を観客は聞くことができる。4つのレコードを組み合わせることで音のパターンは無限大の組み合わせがあり、作品そのものが音楽を作り出す装置でもある。音楽とアートの2つの世界で活躍するこの作家の代表的な作品であるともいえる。
もともとは1998年に発表されている作品だが、今回はその新作のカラーバージョン、日本初公開となる。

初日の12月4日には、作品の一部を使ったオープニングパフォーマンスも予定されている。

Information

カールステン・ニコライ個展「bausatz noto ∞」
http://artfrontgallery.com/exhibition/archive/2015_12/1436.html

日程:2015年 12月4日(金)- 12月23日(水)
営業時間:11:00 – 19:00(月休)
会場:アートフロントギャラリー(代官山)
東京都渋谷区猿楽町 29-18 ヒルサイドテラス A 棟
オープニングパフォーマンス:2015年 12月4日(金)19:00 – ドリンクあり(有料)

Profile

カールステン・ニコライ(carsten nicolai)
1965-
視覚芸術の活動とならび、アルヴァ・ノト(alva noto)名義で電子音楽を制作発表しているドイツのアーティスト。1999年にレーベルraster-notonを設立し、多様な実験音楽の作品をリリースする傍ら、坂本龍一、池田亮司とのコラボレーション「cyclo」や、他のミュージシャンとの共演でも国際的に知られる。2005年にドイツ国内2ヵ所で開催された包括的な個展の他、ドクメンタⅩ(1997)、第49回・50回ヴェネチア・ビエンナーレ(1999, 2001)など国際展への参加多数。2012年から2013年にかけて、大規模な映像インスタレーション《unidisplay》がモントリオール、ミラノ、フランクフルトを巡回した。国内では山口情報芸術センター[YCAM]での個展(2010)のほか、越後妻有アートトリエンナーレ(2003, 2012)、第4回ヨコハマトリエンナーレ(2011)などに参加している。2014年文化庁メディア芸術祭アート部門大賞受賞。
アーティスティックな形態とアプローチの統合を目指すニコライは、グリッド、コード、エラー、ランダムや自己生成構造といった科学的なシステムや数学的パターン、記号論を応用する。