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第7回恵比寿映像祭「惑星で会いましょう」が2月27日より10日間、恵比寿ガーデンプレイスを中心とした複数の会場で開催される。

恵比寿映像祭は、年に一度、東京・恵比寿の地で、映像分野における創造活動の活性化と、優れた映像表現やメディアの発展を問い直す、ユニークなフェスティヴァル。今年度は、ホームベースである東京都写真美術館の改修休館にともない、美術館の建物を飛び出し、メイン会場を同じ恵比寿ガーデンプレイスの「ザ・ガーデンホール」を中心に、上映会場は日仏会館ホールや恵比寿地域文化施設およびギャラリーなど更に地域とのつながりを深めて開催される。

第7回恵比寿映像祭のテーマは、「惑星で会いましょう」。人工衛星からリアルタイムで地球の映像をみることが可能な現在。メディア・テクノロジーの浸透が、私たちを取り巻く環境に変化を促すなか、一方で世界の全貌をとらえることは、ますます容易ではなくなっている。今回は、「惑星で会いましょう」というテーマのもと、1968年に創刊され、カルチャーに大きな影響を与えた『ホール・アース・カタログ Whole Earth Catalog』に着目し、人類が初めて見た宇宙に浮かぶ地球の写真が掲載された同雑誌が登場した時代をはじめ、いくつかのキーワードを手がかりに、映像をとおして、この複層化する世界に向き合い再発見する手掛かりを探る内容となっている。

プログラムは、展示、上映、ライヴ、イヴェント、トーク、パフォーマンス等の形式で、複合的に展開される。

イギリスの名誉ある美術賞・ターナー賞受賞を2014年に受賞したダンカン・キャンベルによる展示&上映や、ブラジル最古の前衛映画として知られるマリオ・ペイショットの『限界』の上映、新進の映画監督・瀬田なつきによる街を舞台にした短編映画作品『5windows』恵比寿特別編の展示など、ユニークな企画が多数展開される。

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《新しいジョン》2009/フィルムをヴィデオに変換 Courtesy of Duncan Campbell and LUX, London

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瀬田なつき《5windows》 →詳細

また、サブテーマのひとつでもあるSFにちなみ、名作『AKIRA』をはじめ、かの岡本太郎が色彩指導とパイラ星人の造型を担当した『宇宙人東京に現わる』、低予算ながら随所に込められた秀逸なアイデアと変わらぬ作家性を感じさせる『ダークスター』の秀作3本を35ミリフィルムで爆音上映する。

今回のテーマを深めるラウンドテーブルでは多彩なゲストを迎え、3月2日には現在から今回のテーマに紐づく『ホール・アース・カタログ』めぐる会が、3月6日には「メディア・アートとしてのハッキングのこれから」として最新のテクノロジーを用いて作品を発表するアーティスト・真鍋大度をはじめとする登壇者が注目する動向や、テクノロジーの可能性とリスクを軸にパネルディスカッションが行われる。

週末には展示出品作家によるライヴプログラムもあり。携帯電話を用いて現代社会の問題を浮き彫りにする作品で知られる山口典子による『KEITAI GIRL』のパフォーマンスをはじめ、DIY的な電子工作で展示を構成するアーティスト堀尾寛太や、ジャンルを問わず国際的に活動する久野ギルが、ゲストミキサーにテクノアーティスト KEN ISHIIを迎えたライヴなど、盛りだくさんな内容となっている。

日仏会館での展示では人間の本能とその「野性」に迫る写真家・ホンマタカシによる映像を使った新作インスタレーションが展示され、3月8日にはcontact Gonzoを向かえたパフォーマンスも予定している。

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ホンマタカシ《最初にカケスがやってくる》2015
ヴィデオ・インスタレーション

日仏会館での上映プログラムも豊富で実験映画の巨匠ケン・ジェイコブスやダンカン・キャンベルによる『あたらしい過去』、インディペンデント・インドネシア映画として新星エドウィンの特集、三宅唱による多声によって作られる無言の日記『無言日記/201466』、フィンランド・ヴィデオアートの現在形など、国際色豊かな上映ラインナップ。映像アーカイヴのあり方を考えるシンポジウムも開催される。

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三宅唱《無言日記/201466》2014/66分/日本語

多様な内容となっており、ゆっくり時間をかけて見たい作品も多く、ぜひ恵比寿を巡りにながら1日かけて作品を鑑賞したい内容となっている。10日間という短い会期となっているのでぜひこの機会に「惑星で会いましょう」というテーマをもとに多くの作品をご覧いただきたい。

詳細は公式ページにて。

Information

第7回恵比寿映像祭「惑星で会いましょう」
http://www.yebizo.com/

名称:第7回恵比寿映像祭 惑星で会いましょう
会期:平成27年2月27日(金)~3月8日(日)《10日間》
開催時間:10:00~20:00
*ただし最終日平成27(2015)年3月8日(日)のみ18:00まで
会場:ザ・ガーデンホール、ザ・ガーデンルーム、日仏会館ホール・ギャラリー、恵比寿ガーデンプレイス センター広場 地域連携各所ほか
主催:東京都/ 東京都写真美術館・東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)/日本経済新聞社
共催:サッポロ不動産開発株式会社/公益財団法人日仏会館
後援:J-WAVE 81.3FM
協賛:サッポロビール株式会社/東京都写真美術館支援会員
寄付:富士重工業株式会社
協力:ブラジル大使館/NECディスプレイソリューションズ株式会社/KyotoDU/ 株式会社レイ/ぴあ株式会社/株式会社北山創造研究所/株式会社トリプルセブン・インタラクティブ/株式会社ロボット
料金:入場無料(一部有料)