20130913_boombox-mellotron08 原宿・VACANTにて「テープ音源を再生するオルガン」として開発された楽器「メロトロン」を再解釈・構築し制作される巨大音楽装置「ラジカセ・メロトロン」のサウンドインスタレーションとライブイベントが行われる。

ラジカセ・メロトロン化計画」と題された本プロジェクトは、東京都主催の音楽フェスティバル「Sound Live Tokyo」の一環でおこなわれるもの。

1950年代に発表されて以来、ミュージシャンに愛され、数多くの楽曲に使用されてきた楽器「メロトロン」。
そのノスタルジックかつサイケデリックな音色で、ビートルズ「ストローベリー・フィールズ・フォーエバー」、ムーディー・ブルース「サテンの夜」、キング・クリムゾン「クリムゾンキングの宮殿」という伝説的な楽曲にも効果的に使用され、いまもレディオヘッド、オアシス、ヴィンセント・ギャロ、カニエ・ウェストなど、メロトロンを愛用するミュージシャンは多く存在する。

「ラジカセ・メロトロン化計画」は、自らを家電蒐集家と呼び、ラジカセの蒐集、整備、カスタマイズをはじめ、ラジカセ関連の著作や展示など多方面に活躍する松崎順一と、アヴァンギャルドなガジェット開発を日夜行う小林ラヂオが共同で考案したプロジェクト。
キーボードによって複数台のラジカセをコントロールする巨大音楽装置「ラジカセ・メロトロン」を本イベントにて初公開する。

9月28日、29日にインスタレーション展示が予定されており、その会場構成を、日常的なツールを用いて様々な現象、そのエネルギーを可視化する実験的な表現でパフォーマンスや展示をおこなうアーティストの堀尾寛太が担当。会場であるVACANT2階の空間全体を、ひとつのサウンドインスタレーションにつくりあげる。

9月28日には、 ミュージシャン・嶺川貴子をゲストパフォーマーに迎え、「ラジカセ・メロトロン」を ”演奏” するスペシャルライブも行われる。

音と音楽に関わる表現の辺境、過去と未来の音の交差地点を、ぜひお楽しみ頂きたい。

20130913_boombox-mellotron “Boombox-Mellotron Experimental Model ver.1”



装置開発のための実験・調整の様子↓


家電蒐集家・松崎が日々蒐集活動を続ける廃品工場、通称「ジャンク・ヤード」見学の様子↓


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Photograph by Yusuke Nagai (VACANT/NO IDEA)


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Photograph by Yusuke Nagai (VACANT/NO IDEA)



Information

BOOMBOX-MELLOTRON PROJECT/ラジカセ・メロトロン化計画
http://www.boombox-mellotron.com/

平成25年9月28日(土)
<INSTALLATION> 15:00-18:00
<LIVE> OPEN 18:30 START 19:00
Ticket ADV ¥1,500 / DOOR ¥2,000

ライブスペシャルゲスト: 嶺川貴子
出演:松崎順一、小林ラヂオ、堀尾寛太

平成25年9月29日(日)
<INSTALLATION> 13:00-20:00

会場:VACANT 2F(東京都渋谷区神宮前3-20-13)
入場料:無料 (※LIVEは別途料金がかかります)
ラジカセ・メロトロン制作:小林ラヂオ、松崎順一 (DESIGN UNDERGROUND)
会場構成:堀尾寛太
企画・制作:VACANT

Profile

20130913_boombox-mellotron01 松崎順一
家電蒐集家、Design Underground主宰。東京・足立区をホームグラウンドとして、2003年より1970年代以降の近代家電製品を主として、日々国内・海外を問わず近代家電製品(主にラジカセ)の蒐集・整備・カスタマイズや、家電を使用したイベント企画・ラジカセを使用した展示などをおこなう。主な著書に写真集『ラジカセのデザイン!』(青幻舎)、そのDVD版がユニバーサル・ミュージックより発売中。2013年『メイド・イン・ジャパンのデザイン! 70年代アナログ家電カタログ』(青幻舎)を発刊。


20130913_boombox-mellotron02 小林ラヂオ
エレクトリックアバンギャルド集団。1991年横浜で創業し、現在は渋谷をベースに、テクノロジークロスオーバーなガジェットの企画・制作をおこなう傍ら、イベントやプロジェクトのテクニカルエンジニアとしても活動する。使用するガジェットはブザーからマイコンボードに限らず、割箸から鉄骨、輪ゴムから内燃機関など多岐にわたり、その用途も音楽や映像の範疇にとどまらず、前人未踏の開発を日々おこなっている。


20130913_boombox-mellotron03 堀尾寛太
アーティスト、エンジニア。音、光、運動、位置などさまざまなエネルギーを相互に変換する装置を作り、ライブや展示をおこなう。また、電子デバイスのエンジニアとして、コマーシャルな展示・映像・プロトタイピングなどのプロジェクトに参加している。主なプロジェクトに『sun and escape』(大阪築港赤レンガ倉庫、2005)、『round trip+EM#3』(Sónar – MACBA、2006)、『Sony Tablet Two Will』(2011)、DVD『viewKoma2』(2011)、『speed switching』(2011、NTTインターコミュニケーションセンター)など。


20130913_boombox-mellotron04 ライブスペシャルゲスト:嶺川貴子
’95年『CHAT CHAT』でデビュー。『Maxi On』など国内外8枚のアルバムを発売。その後『細野晴臣トリビュート』で坂本龍一氏と「風の谷のナウシカ」のカヴァーVo.や『PENGUIN CAFE ORCHESTRA -tribute-』などコンピCDへの参加が続く。そして今年5月に約13年ぶりとなるアルバム『Toropical Circle』を元PONYTAILのギタリスト、ダスティン・ウォングとの共作として発表。