映像とアートの国際フェスティバル「第5回 恵比寿映像祭」が2月8日より、東京都写真美術館及び周辺施設にて開催される。

今回のテーマは、「パブリック⇄ダイアリー」。
記録メディアとしての映像の可能性や課題、表現形式としての「日記」のあり方といった各論を掘り下げるとともに、なぜ人は「日記」を記し著すのか、いかに残された「日記」を読み解くことができるのか、について考えていく。
旧来、日記は私的な空間で主観的に記すもの、とされてきたが、メディア技術や情報システムの変転によって私的な空間がさまざまな形で浸食され、管理されうる現代にあって、「私」を問うことは、裏返しに「公」をもまた問うことにほかならない。映像の力によって、「私」が「歴史」になり、「公」が「日記」として読まれるような、揺らぎにも似た領域に、光をあてていく。

プログラムは、展示、上映、ライヴ、シンポジウム、レクチャーなど盛りだくさんな内容となっている。

展示では、SNS、メールなどネットワーク上の構造を可視化することによって時代を示唆的に提示するクリストファー・ベイカー、「私日記」「偽日記」 などを撮り続けてきた荒木経惟、また、次回ヴェネツィア・ビエンナーレ、イギリス館代表のジェレミー・デラーが出展する3D映像作品《エクソダス》は、 身体感覚をともないながら、悠久の時へと誘う。

また、展示室内をつかってインスタレーション及びパフォーマンスを繰り広げる川口隆夫(ダムタイプ)や、恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場で私的な日記ともいえるアーティストのアイデアノートを公共空間で提示する鈴木康広など、多様な作品が出品される。

その他、limArt、waitingroom、gift_labなど、恵比寿周辺の文化施設でも地域連携プログラムとして多彩な企画が予定されている。

詳細は公式サイトにて。


ジェレミー・デラー《エクソダス》2012 年 Courtesy The Modern Institute/Toby Webster


川口隆夫《a perfect life 川口隆夫ダンス・パフォーマンス in Okinawa》2011 年より[参考 図版]photo: Koji Kakubari


鈴木康広 オフサイト展示に向けた新作のイメージ・スケッチ 2012



Information

第5回 恵比寿映像祭 パブリック⇄ダイアリー
http://www.yebizo.com/

会期: 平成25(2013)年2月8日(金)~ 2月24日(日)
会場: 東京都写真美術館/恵比寿ガーデンプレイスセンター広場/ザ・ガーデンルームほか
休館: 2月12日(火)、18日(月)
時間: 10:00~20:00
*ただし最終日2月24日(日)のみ18:00まで
(2/8, 9, 10, 13, 14, 16, 20, 21, 23日 19:00~の川口隆夫パフォーマンスに伴い一部鑑賞出来なくなる作品がございます。予めご了承ください。)
料金: 入場無料
*ただし、定員のある上映、イヴェントなどは有料

主催: 東京都/東京都写真美術館・東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東 京都歴史文化財団)/日本経済新聞社
共催: サッポロ不動産開発株式会社
後援: J-WAVE 81.3FM
助成: 公益信託タカシマヤ文化基金/東京都写真美術館支援会員
協賛: イスラエル大使館/Artis/東京造形大学 CSLAB/NECディスプレイソリュー
協力: ションズ株式会社/東芝ライテック株式会社/東芝エルティーエンジニアリング株式会社/カラーキネティクス・ジャパン株式会社/Kyoto/ぴあ株式会社/ 株式会社アマナイメージズ/株式会社北山創造研究所/株式会社トリプルセ ブン・インタラクティブ/株式会社ロボット