高嶺格『Ask for a trade』 1993年

毛利悠子『サーカス』展示風景(東京都現代美術館,ブルームバーグ・パヴィリオン) 2012年 撮影:新津保建秀

やなぎみわ『案内嬢の部屋1F(部分)』 1997年
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] にて、企画展「アノニマス・ライフ 名を明かさない生命」が11月17日より開催される。

本展では、ロボット工学が作り出そうとしている「機械の生命」や、遺伝子操作に代表されるバイオ・テクノロジーやクローン技術など、私たちがその本質を理解するよりも早く、名づけることのできないもうひとつの「生」のあり方、そのような名づけえぬ何ものか、本当の名を明かしていないものたち、「アノニマス・ライフ」ということばを手がかりに、機械と人間を分かつ自明であったはずの「生」の意味を問い直すとともに、テクノロジーの進歩が新たな光を当てたセクシュアリティやアイデンティティの問題をはじめ、私たちの社会の中に遍在する多様なゆらぎ、境界、そしてその侵犯をめぐる作品を紹介する。

出品作家は、オルラン、齋藤達也+石黒浩、スプツニ子!、高嶺格、毛利悠子、やなぎみわ、渡辺豪。

自らの身体を使った美容整形手術をパフォーマンスとして行い、社会に厳然と残っているタブーにラディカルに挑戦するオルラン。放射性物質を吸収する働きがある菜の花に可能性を感じ、今年の3月に「歩くとヒールの先端から菜の花のタネが地中に植えられ、歩いたあとから菜の花が咲いていく」ヒールを発表、本展にて《菜の花ヒール》の新作映像を公開するスプツニ子!。
落語家で人間国宝の桂 米朝米寿記念にあわせてサンケイホールブリーゼで公開された「米朝アンドロイド」を展示するとともに、映像と身体をテーマにする齋藤達也とのコラボレーションで、女性型アンドロイド「リプリー Q2」 が美容師に髪の悩みを相談しながら、カットしてもらう様子を展示する石黒浩、等、様々な作品が出品される。

関連イヴェントとして、 12月15日には、齋藤達也、作・演出によるパフォーマンス「模像と鏡像 − 美容師篇」、2013 年1月19日には「アーティスト・トーク 齋藤達也×石黒浩」等が予定されている。

Information

アノニマス・ライフ 名を明かさない生命
http://www.ntticc.or.jp/Press/2012/9/0928_01_j.html

会期:2012年11月17日(土)—2013年3月3日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
開館時間:午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日),年末年始(12/28—1/4),保守点検日(2/10)
入場料:一般・大学生500円(400円)/高校生以下無料 ※()内は15名様以上の団体料金
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
   京王新線初台駅東口から徒歩2分

出品作家:オルラン/齋藤達也+石黒浩/スプツニ子!/高嶺格/毛利悠子/やなぎみわ/渡辺豪

関連イヴェント

◉パフォーマンス「模像と鏡像 − 美容師篇」
日時:2012 年 12 月 15 日(土)午後 3 時より
作・演出:齋藤達也
出演:リプリー Q2(アンドロイド)、小林慎(美容師)
協力:石黒浩(大阪大学大学院教授)
技術協力:小川浩平(大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻特任助教)
会場:ICC 4 階特設会場

◉「アーティスト・トーク 齋藤達也×石黒浩」
日時:2013 年 1 月 19 日(土)午後 3 時より
出演:齋藤達也、石黒浩(大阪大学大学院教授、ロボット工学)
会場:ICC 4 階特設会場
定員:70 名(当日先着順)
入場無料(展示をご覧になる場合は、別途展覧会チケットが必要です)

◉ギャラリーツアー
2012 年 11 月 23 日(金・祝)、2013 年 1 月 13 日(日)
各日とも午後 3 時より
定員:各回 15 名(事前予約不要・当日午後 3 時に ICC ギャラリー A 前集合)
担当学芸員が、展覧会の内容や各作品について解説します。
*展覧会チケットが必要です。

そのほか、会期中にイヴェントを予定。 詳しくはICCホームページにて。