「メディア芸術クリエイター育成支援事業」は、アート/アニメーション/マンガ/ゲーム等の新作制作のサポートを目的としているプロジェクト。対象となるのは、これまでの文化庁メディア芸術祭において受賞作品や審査委員会推薦作品に選ばれた若手クリエイター(20~35歳)となっており、平成23年度事業では、審査委員による選考により、6企画が決定し、その進捗は文化庁メディア芸術プラザのウェブサイト内にアップされてきた。

6組は津島岳央、真鍋大度、大山慶、ナガタ タケシ / モンノ カヅエ(トーチカ)、四宮 義俊 / 皆川 真紀、藤木淳。
そして、2月22日から始まる「第15回文化庁メディア芸術祭」と合わせて、同会場の国立新美術館企画展示室1E 内で発表される。

作品のテーマ内容は以下。

平成23年度メディア芸術クリエイター育成支援事業
– 6組のクリエイターによる成果発表展 –

http://plaza.bunka.go.jp/creator/

会期 平成24年2月22日(水)~3月4日(日)※2月28日(火) 休館
    10:00 ~ 18:00 ※金曜は20:00まで開館 / 入館は閉館の30分前まで
会場 国立新美術館1階 企画展示室1E(東京・六本木)第15回文化庁メディア芸術祭会場内
観 覧 料 無料

成果プレゼンテーション
日時 アニメーション/平成24年2月27日(月)13:00~14:30
   アート、ゲーム/平成24年2月29日(水)13:00~14:30
会場 国立新美術館3階 講堂
内容 各クリエイターによる作品及び制作過程のプレゼンテーションや審査委員とのディスカッションを行います。
観 覧 料 無料

参加クリエイター 作品概要


津島 岳央 『凪の静寂に』
自然は僕らが生まれるずっと前から存在していた。
その一部として現われた人間は、自然の対義語に人工という言葉を作った。
そして僕らの生活は人工の物にあふれ、その外側に自然があるという幻想が2011年3月11日に揺らいだ。東日本大震災。
地上の生命は意識から揺れて、自分たちの生きているこの地球を再認識する必要性に迫られている。僕ら人間の目的は何なのだろうか?
10月。オランダを訪ねた僕は、ハーグ近郊の丘で宇宙人と出会った。

真鍋 大度 『pub-bio(public bio data)』
生体データの客観性、信頼性の高さに注目して、心拍数、脳波をiPhoneに取り込むデバイスを開発し、取得したデータが評価の基準そのものとなるサービス、コンテンツの試作を行った。現状ではセンサーを肉体に埋め込むことは不可能であったため、耳たぶにセンサーを取り付けて、オーディオジャックから有線でデータをキャプチャする方法を選択した。
「あの作品良かった」と言われることと、作品の鑑賞時に 心拍数が通常時の1.5倍になった ことと、どちらが価値のある情報になり得るのか。

大山 慶 『放課後』
なんの変哲もない中学校の放課後。芽生えたばかりの自意識に振り回されながら、皆がそれぞれの放課後を過ごしている。自分にとっての自分、他人にとっての自分、他人にとっての他人、自分にとっての他人・・・。思春期の少年達が抱き始めた自意識や性欲、そして、それらによって生まれる彼らの残酷さや滑稽さ、愚かさ、危うさ、愛おしさを、革新的な表現方法で形にしたアニメーション作品。

ナガタ タケシ / モンノ カヅエ(トーチカ) 『ピカピカ2011 ~太陽光で描く~』
2005年より始めた、光を使ったラクガキをみんなで描く参加型アートプロジェクト「ピカピカ」。その2011年のプロジェクトは懐中電灯を使わず、太陽光を使って制作した。
東日本大震災の後、ボランティアや視察を続けているうちに、一瞬にして失われた風景、外に出て自由に遊ぶことが許されない子供たちなど、多くの変化を目の当たりにした。太陽の光で描く参加者の「想い」を日本各地の風景に載せた写真で紡ぐ。


四宮 義俊 / 皆川 真紀 『水槽の虎』
何かがその場に〔いる〕〔ある〕。というリアリティはとても個人的な体験に拠り所を求めている。そのため個人個人が持つリアリティには、あらかじめ盛り込まれていたかのような誤差が生じる。
一匹のトラを通じて、観察するという行為の中に現われる「ほつれ」から、個人が見ているものの不確かさを浮かび上がらせたいと考え、アニメーションを制作した。

藤木 淳 『ゲームキョウカイ』
ハードの境を越え、さまざまなゲーム機を横断しているかのように楽しむひとつのゲームである。また、様々なゲームの境界をシームレスに繋ぐ試みでもある。ここでの境界とは、物理的な境界のみならず、認知や社会の境界も含まれる。