価値の掛け違いから見えてくるもの – アーティスト NOBUTAKA AOZAKI
all image via http://www.nobutakaaozaki.com/
さっくり紹介シリーズ。
今日@ssugeさんのツイートで知った、ニューヨークを拠点に活動をするアーティスト、青崎伸孝さんの作品たち。
まずは上の画像の作品”Value_Added”、多くのスーパーマーケットで売っているデルモンテのコーン缶を購入、購入した商品を別のスーパーへ持って行き再びレジに通して購入する。同じ商品であり、その商品自体の機能は変化しないが、金銭的な価値が上がっていく。6月時点で、100店舗以上、総額$113.07の価値を有するコーン缶となっている、という作品プロジェクト。

こちらの作品は”From Here to There”。ニューヨーク・マンハッタンにてアーティストが観光客を装い、ある地点への行き方を通行人に尋ねて、小さなメモ用紙に地図を書いてもらう。集まった手書きの地図を地理的に合わせていき、より大きなマンハッタンの地図として機能するものにする。

リュックのジッパーを開けたまま街を歩く。リュックの中にはレコーダーが入っており、通行人がカバンが空いてることを指摘する会話を録音していく。展示ではその録音された音声がリュックの中から聞こえてくるという作品。

世界中に安定したクオリティーで存在するスターバックス。アメリカのスターバックスでは注文時にスタッフに名前を聞かれるのだが、日本人など聞き慣れてない名前はよく間違われることがある。そのシステムを利用し、アーティスト自身の名前「Nobu」で複数の店舗で注文した結果を作品としてまとめあげている。
ほかにもこうした少しの「ズレ」を捉えた面白い作品がサイトにはありました。”Children of Duchamp“ではマルセル・デュシャンの作品”Bicycle Wheel”をIKEAやマスプロダクションの製品を使って再構築するものやジェフ・クーンズの作品をキッチン用具で構築する”Jeff Spoons“などアイロニーあるスカルプチャー作品も。
こういう現代における「微妙」または「ささいな」ズレを切り取り、そのままを見せる。そこから見えてくる「ゆらぎ」のようなものは結構好きであります。英語だとと、”Fleeting”、”Subtle”な出来事となりますでしょうか。
ちなみに6月にニューヨークで展示をやっていたようで、ちょうど自分もいたので見逃して残念。
今後も楽しみにしたい作家であります。
NOBUTAKA AOZAKI
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