『BOB’S SECOND DREAM』

『POLAND FACTORY 04』

『I HAVE A GUN』2012年 oil+mixed media on canvas 60.96cm×60.96cm
今年6月にもTomio Koyama Galleryにて開催され話題となったデヴィッド・リンチによる大規模展覧会がラフォーレミュージアム原宿にて11月10日より開催される。

デヴィッド・リンチといえば映像作品が有名だろう。社会現象を巻き起こした『ツインピークス』(1990年 -91年)はじめ、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した 『ワイルド・アット・ハート』(1990年)、同じくカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した『マルホランド・ドライブ』(2001年)、 2007年度全米批評家協会賞実験的映画賞を受賞した『インランド ・エンパイア』(2006年)など、映像製作において多くの功績を残している。

しかし、彼の真価は映画だけにとどまらない。カルティエ現代美術財団(フランス)やマックス・エルンスト美術館(ドイツ)で大型の個展を開催。美術界での評価がますます高まるなか、2010年には今までの長年にわたる創作活動の業績を称えられ、美術界において権威ある「Goslar Kaiserring award for 2010」を受賞するなど、アート作品の制作は、リンチにとって映画製作とまったく同様の強度で行われている表現活動と言える。

本展は、デヴィッド・リンチ本人のサポートのもと開催される彼の表現世界の本質へと迫る大規模企画展。会場では、絵画29点、ドローイング9点、写真33点、計71点(このうち68点が日本初公開)と実験的な短編映像11本(本展のためにデヴィッド・リンチがエディットした日本初公開映像)を展示・上映。絵画作品の展示スペースと仮設のシアターを入れ子構造に組み入れるという迷宮のような構成をとり、“映画”“絵画” といった既成の枠組みを取り払うことで、彼が一貫して描き続ける “深層心理の潜在的ヴィジョン”にアプローチする。

ぜひ、お見逃しなく。

For all artwork: copyright David Lynch
All photos were taken by Robert Wedemeyer.

Information

デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス
http://www.laforet.ne.jp

会 場:ラフォーレミュージアム原宿(ラフォーレ原宿6F)
会 期:2012年11月10日(土)~12月2日(日)
入 場 料:一般 800円 学生 600円 ※小学生以下およびラフォーレカード会員は無料
時 間:11:00~20:00(最終日~18:00)
主 催:ラフォーレ原宿
企画制作:ラップネット、生駒芳子(アートダイナミクス)
監 修:飯田髙誉(青森県立美術館 美術統括監)
お問合せ:03-3475-0411(ラフォーレ原宿)

Profile

Photo by Mark Berry
デヴィッド・リンチ
(David Lynch, 1946年1月20日 – )

画家を目指し、1965年ペンシルベニア美術アカデミー入学。フィラデルフィア にてアートを学ぶ。その後、ロサンジェルスに移り、1976年自主制作映画 『イレイザー・ヘッド』を完成。この作品はカルト・ムービーの傑作として今も高い人気を誇る。その後1980年『エレファント・マン』、1986年『ブルー・ベルベット』、1990年『ワイルド・アット・ハート』(カンヌ映画祭パルム ・ドール賞)を発表。1990~1991年のTVシリーズ『ツイン・ピークス』は世界 的な大ヒットを記録。2001年『マルホランド・ドライブ』ではカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、2006年にはそれまでの業績に対してヴェネチア国際映画祭 栄誉金獅子賞を受賞する。画家としては1980年代から各地で個展を開催。 2007年パリ・カルティエ現代美術財団にて開催された大回顧展『The Air is on Fire』は世界的な話題となる。日本では1991年東京・東高現代美術館、 2010年大阪・コムデギャルソンのアートスペース“Six”にて個展を開催。 音楽についてもこだわりが強く、映画の中の音響や音楽はその作品世界の魅力の一部となっているが、2011年自身のヴォーカルも納めた初の個人名義のCD “Crazy Clown Time”をリリース。話題を呼んでいる。現在新作映画も準備中である。