Home > Article > Report

DeskTopLive.xna Report

October 22, 2009 7:04 PM

091022_dtl04.jpg

091019_dtl01.jpg

DeskTopLiveとは、パフォーマーがデスクトップ上のネタでパフォーマンスするイベント。
毎回DeskTopLive.hoge(拡張子.hoge)の部分を変え、様々なジャンルのクリエイターが参加している。

第2回目のDeskTopLive.xnaは9月13日APMT:WEEKメインイベントの一環として開催された。

今回の拡張子は「.xna」。
「XNA」はマイクロソフトがが提供する一般のユーザーがXbox 360上で動くゲームを制作できる環境であり、ユーザーが自分たちで制作したXboxのゲームを、Xbox LIVEマーケットプレースを通じてユーザーに提供できる。

『DeskTopLive.xna』ではそんな「XNA」の"神"クリエイターをゲストに招き、2時間半のライブプログラミングを行い、観客にXbox 360上で動くゲーム開発ができる環境に興味を持ってもらうという趣旨のもと開催された。

DeskTopLive.xna
http://b-o-w.jp/events/dtl_xna/




091019_dtl02.jpg

初めに本イベントの協賛であるマイクロソフトの徳留和人氏より、XNAの基本的な説明があった。

(※ 尚、本イベントはgihyo.jpの高橋 和道氏の協力によりWEBで中継が行われた。
右記のアドレスはその際に録画したオープニングの模様 http://www.ustream.tv/recorded/2148064


091019_dtl03.jpg

東京工芸大学 芸術学部 アニメーション学科 ゲームコース、正木勉氏によるXNAの基礎と、大学での取り組みについて解説。学生にゲーム制作を教えるためのツールや学生の作ったゲームのデモなどを通じXNAでゲームを作るための基本的な部分が紹介された。
尚、学生が制作したゲーム「BAMBOONO」は、日本ゲーム大賞2009アマチュア部門で大賞を受賞していることからも、カリキュラムの質の高さが伺える。


091019_dtl04.jpg

いよいよライブプログラミングがスタート
テーマは、「Xbox 360エリートを4名にプレゼントするための抽選ゲーム」。
およそ200人の観客が見守る中、プログラミングがスタートした。
(このときの模様はhttp://www.ustream.tv/recorded/2148105で見ることができる)


091021_dtl03.jpgABA Gamesの長 健太氏

ABA Games名義でオープンソースのゲームを多く作っているフリーゲーム開発者。
ジャンルは主にシューティングで、最近はXNAとActionScriptがお気に入りの開発環境とのこと。
作品としては、Mazer Mayhem ( XNAGameStudio Japan 2008 Spring Contest優秀賞 )、
TUMIKI Fighters、rRootageなどがある。



091019_dtl05.jpg

東京工芸大学学生チーム。(写真に写っているのは、プログラミングを担当した角 龍徳氏と 高田 圭祐氏)
2人のプログラマーが1台のコンピューターで開発を行う「ペアプログラミング」という手法を使っている。


091019_dtl06.jpg

091022_dtl02.jpg

ライブプログラミングの解説やゲストによるトークの合間では、
"スーファミと同い年のトラックメイカー"TOFUBEATS氏をゲストに向かえ、Xboxのゲーム音楽を随所に使ったサウンドと共に、
VJ BonsajoによるXbox用ソフト「鉄騎」のコントローラーを使ったVJで会場が盛り上がった。
VJ Bonsajoによる鉄騎コントローラーの映像はhttp://vimeo.com/6735613で公開されている。

VJ with Steel Battallion Controller (2) from Bonsajo on Vimeo.

(このときの模様はhttp://www.ustream.tv/recorded/2148156で見ることができる)


091019_dtl07.jpg

こびとスタジオ 佐川 直樹氏によるプレゼン。
驚くべきことに、XNAで作られたXbox 360上で動作するプレゼン資料を用いてプレゼンが行われた。

サークルでゲームを作るためのHOW TOがテーマで、小規模でゲームを作るためのワークフローが解説された。
佐川氏が制作した、多ジャンルにわたる実験プログラムを見ながら、個人でモチベーションを維持しながら開発を続けるための工夫を多く聞くことができた。

(このときの模様はhttp://www.ustream.tv/recorded/2148240で見ることができる)


091019_dtl08.jpg

XELF氏によるプレゼン 「ひとりで作るXNAタイトル」。
XELF氏は個人でのゲーム開発のほかに、XNAの書籍を出版、雑誌での連載、また2009年のMicrosoft MVPをDirectX/XNAを受賞している。

XNAがXbox 360だけではなく、Windowsでも一つのリソースで動作することのレクチャーとして自身で製作中の「TPKX(コードネーム)」を例に解説(写真)。
「TPKX 」は"あの楽器"にヒントを得て製作されており、画面中央のキャラクターが持つ楽器で演奏する音楽ソフトだ。XELF氏は「将来Windows 7+マルチタッチ対応環境になったら、マルチタッチAPIを利用してマルチタッチで和音演奏も可能になるかも...?」と語った。

他にも、Xbox LIVE インディーズ ゲーム で配信中の「Music Roll」や、開発中の格闘ゲームについても解説があった。

(このときの模様はhttp://www.ustream.tv/recorded/2148303で見ることができる)


091019_dtl09.jpg

小森氏は、ゲームプログラマーを職業にされているが、当日は自身のプライベートワークであるシューティングゲームとフラクタル閲覧ソフトをプレゼンした。

大量に光って動くパーティクルや水の波紋など、Xbox 360 のGPU性能の強烈なパワーを感じさせられるプレゼンだった。
小森氏が制作したフラクタル閲覧ソフトも、GPUでリアルタイムに描画されており、拡大や移動が自在。様々なフラクタル図形を会場の大画面で楽しんだ。

(このときの模様はhttp://www.ustream.tv/recorded/2148384で見ることができる)


091021_dtl01.jpg

DeskTopLiveでは、毎回 「テーマとしてとりあげた分野(コミュニティ)から、"すこしだけ"拡張した」分野のゲストを招いている。(第一回目の「.as」では4nchor5 la6のゲストトークがあった。)

今回は猿楽庁 橋本 徹氏が特別ゲストとして登場。
ゲームのチューニングを専門に行う「猿楽庁」の業務について解説しながら、
今後ゲーム制作をしてみたいと思う人に向けて、「ユーザー視点での検証が大事」と話した。

(このときの模様はhttp://www.ustream.tv/recorded/2148426で見ることができる)


091019_dtl11.jpg

既にライブプログラミングをスタートして、2時間が経過。
200人が見つめる中、最終調整をする長 健太氏。

091019_dtl12.jpg

2時間半かけたライブプログラミングが終了。

写真はイベント中、プログラムに慣れない観客にもわかりやすくライブプログラミングの解説をしていたNyaRuRu氏
両者が制作した抽選システムがXbox 360に転送される間、いやでも緊張感が高まるが、NyaRuRu氏のトークで場が和んだ。

(このときの模様はhttp://www.ustream.tv/recorded/2148502で見ることができる)


091019_dtl13.jpg

長健太氏の作品
http://www.youtube.com/watch?v=Ams1rMF_7F0&feature=player_embedded
長氏らしい、シューティング抽選機。

画面を動き回る200体の自機にボスが弾幕をあびせてくる。攻撃がだんだん激しくなり、最後まで生き残った自機が当選となった。
ボスのグラフィックは自動生成。弾幕の生成には専用の記述言語が使われていた。


091019_dtl14.jpg

東京工芸大学 学生チームの作品。
三枚のカードから一枚を選び、そのカードにかかれた災害が、200名のキャラクターを襲う、というもの。

2時間半という厳しい時間制限のため、「隕石落下」のプログラムがうまく動作しないハプニングがあったが、逆にそこが「ライブ」らしさを演出し、カードがめくれるたびに会場が大いに盛り上がった。


091019_dtl15.jpg

観客による拍手の結果、僅かな差で長健太氏が勝者となった。
最後に長健太氏、工芸大学生チーム、プレゼンした佐川氏、XELF氏、小森氏、橋本氏に会場から拍手が贈られ、イベントは終了した。


後日、長健太氏がXNAの高い生産性の例として、DeskTopLive.xnaで2時間半で抽選機が形になったことを話していた。
また、工芸大学生チームの作品も観客からの評価が高く、XNAの事業の一つとして若いゲームクリエイターを育てるため、大学や専門学校と様々な取り組みをしている事が良い形になっていることを感じた。

XNAで作ったゲームを販売できる「Xbox LIVE インディーズ ゲーム」の日本展開は、ようやくスタートしたばかりだが、このイベントを通じて少しでも認知を深めることができたらと思う。

Text by Makiko Takahashi ( BOW)
Photo by BOW / CBCNET

Detail

DeskTopLive.xna
http://b-o-w.jp/events/dtl_xna/
日時:9月12日(土)
時間:開場19:00 開演19:30~23:00頃
会場:六本木SuperDeluxe
料金:2,000円(1ドリンク付)

イベント内容(1)Live Programming Battle
出演:
ABA(長健太) http://www.asahi-net.or.jp/~cs8k-cyu/
工芸大学生チーム
解説:NyaRuRu http://d.hatena.ne.jp/NyaRuRu/

イベント内容(2)XNA Gong!!
出演:
こびとスタジオ http://www.angelword.net/kobitostudio/
XELF http://xelf.info/
小森陽一(YO1KOMORI) http://www.heloli.com/
[スペシャルゲスト]猿楽庁長官 橋本徹 http://www.sarugakucho.jp/

イベント内容(3)Special Talk

[VJ] Bonsajo http://www.vimeo.com/4000581
[DJ] TOFUBEATS http://www5.pf-x.net/~ibonne078/

運営:BOW(http://b-o-w.jp/
協賛:マイクロソフト株式会社

Links




PAGETOP