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APMT:WEEK - ドークボット大東京 頂上決戦 - ザ・コンテスツ レポート!

October 2, 2009 10:32 AM

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CBCNET主催「APMT WEEK」のメインイベントのひとつ、9月6日開催の「ドークボットTΩKYΩ」。"電気でなにか面白いことをやっている人達"が集結する、電気マニアのためのこのイベントの今回のテーマは、「ドークボット大東京 頂上決戦 - ザ・コンテスツ」。単に「電気」というだけでななく、手芸の技術を活かしたものやハッキング力が試されるものまで、与えられた8つのテーマに対し、一般公募で集まった総勢21組が東京駅に隣接する超高層ビル、グランドトウキョウサウスタワーで熱いバトルを繰り広げた。今回はそのなかでも特に印象的だった作品やゲストのパフォーマンスをいくつかご紹介しよう。

ドークボット大東京 - ザ・コンテスツ
http://dorkbot.org/dorkbottokyo/

APMT:WEEK
http://apmt.jp/

Text by Chiemi Isozaki (IMG SRC)




090930_dork01.jpgまずは、ダンボールと電気を使って作ったものを競う、「デバイスダンボール・コンテスト」から。テトラポッドが趣味というTETRASTYLEによる「ダンボール製大型パタパタマシン」は、ダンボール箱の中に納めらた何枚ものイメージをモーターを使って水平に回転させ、バタバタと一枚ずつめくりながら、ひとつのストーリーを語るというもの。優勝こそ逃したが、ダンボールの裏表にまでこだわって制作された作品には、深いダンボール愛を感じずにはいられなかった。

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実演販売で自社製品の販売数を競う「実演販売コンテスト」に参加したのは、面白いサービスを次々とリリースする、面白法人カヤック。明和電機と共に開発したビンボーゆすりカウンター「YUREX」は、貧乏ゆすりからインナービートを抽出することで集中度を判定できるという商品だ。こちらは、対戦相手のないコンテストだったため、優勝は自動的に彼らの手に。

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一般公募とは関係なく、来場者全員が参加できる「電話早がけコンテスト」では、自分の携帯からある番号に一斉に電話をかけ、誰が最初に繋がるかでその早さを競った。一瞬にして会場が一体化したこのコンテストで見事優勝した男性には、大歓声と共にお馴染みの「MAKE」のTシャツがプレゼントされた。

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今回のゲスト、フランスから遥々やって来たポール・グランジョンは、自作の楽器を使い、自作のロボットと一緒に、自作の曲を歌うクリエイター。来日中に訪問した大阪で、中年女性が被っていた黒いサンバイザーにインスパイアされた彼は、リメイクしたそのサンバイザーを被り、"妙に気になった"という「わらび餅」をテーマにしたオリジナル曲などを披露し、会場を湧かせた。

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昔の電気製品を懐かしむ「なつガジェコンテスト」には、この日、二度目となるjax86が登場し、ニューヨーク近代美術館永久所蔵のIBM ThinkPad701CS、NECのMobileGear、NTTドコモのPocket Post Petの3つを紹介した。90%はガジェットマニアではないかと思われる会場でも、超レアなThinkPad701CSを知る人は少なく、フタを開けると同時にキーボードが広がる、通称「バタフライキーボード」がステージ上で披露されると、会場から大きなどよめきと拍手が起こった。

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「ジャスト5ミニッツコンテスト」は、5分ピッタリでパフォーマンスを終わらせるコンテスト。Cartier Santos Sweet Ladyによる、MAX/MSP、GAINNER、蛍光灯を駆使してのパフォーマンスは、簡単に説明するなら真鍋大度・ミーツ・United Visual Artistsといったところ。それまでの和やかなムードとはうって変わり、_指や手の動きに応じて、背後の蛍光灯が激しく点滅する本格的なパフォーマンスに、来場者達も真剣な眼差しを注いだ。

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二人目のゲストは、新潟からやって来た顔出しNGのRAZO。ある日、彗星のごとくニコ動に現れた彼は、定規を弾いて音を奏でる定規演奏家(モノサシスト)。この日は定規を使って「トルコ行進曲」などを演奏したほか、マドラー、耳かき、エスキモーの棒、最後にはメモリまでをも弾いて、その超人技を披露した。

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続いての「3分間ハッキング・コンテスト」は、その名の通り3分間で何かをハッキングするコンテスト。Tokui、Satoの両氏は、液晶ディスプレイをハッキングして、ディスプレイに写ったイメージの上にゼリー状の透明素材を乗せ、その素材を触ることでなんとディスプレイのイメージを動かしてみせた。

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3人目のゲストは、30年もの間、自作の楽器で演奏し、サウンドインスタレーションなどを行ってきた坂出達典氏。ノイズの専門家とも言える坂出氏は、ラジコンとラジオをつなげた発振によりノイズを生成し、その上に手をかざして、まるでテルミンのようにサウンドを操るという驚きのパフォーマンスを披露した。

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続いては、「手芸デバイスコンテスト」。神村工業は、誰もが簡単にmp3Playerを作れる時代になったからこそ、他人とは違うmp3Playerを持ちたい!という人のために、女子社員の手芸技術を活かして「ケアベア型mp3Player」(通称・KumaP3player)を制作。額に内蔵された電源を入れると、目玉のLEDがピカピカと怪しげに光り、バッテリーがなくなれば口を開閉してミニUSBコネクターを差し、PCから気軽にチャージ。可愛さの中にどこか奇妙さがうかがえる、マニア向けmp3Playerだ。

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最後に行われた「スパムボット・コンテスト」に登場したhgw(人)は、セキュリティをかいくぐって自分のインボックスに届いたスパムメール(テーブルを組んで「VIAGRA」と書かれていた)からインスパイアされ、文字を入力すると、そのスパムメールと全く同じように自動で文字が出来上がるタイポ生成機を制作。驚くべきは、そのタイポ生成機が「薔薇」のような難しい日本語にも対応していること。表示されるやいなや、会場は拍手喝采に。
ちなみに、そのタイポ生成機はコチラ > http://aekleybill.com/


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会場の様子。

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この他、会場内では、参加者達の作品を展示販売するブースや「MAKE」によるブースなどが開設され、コンテストの合間には作品を手にして作り手との会話を楽しむ人の姿も多く見られた。_また、友人や知人と偶然会った人も多かったようで、イベントは終始和やかなムードに包まれていた。テクノロジーを競うというよりは、子供の頃の想像力を持って大人達が電子工作で楽しむ「ドークボットTΩKYΩ」。様々なインスピレーションを与えてくれるこのイベントにまだ足を運んだことのない方は、ぜひ次回、その楽しさを体感してみて欲しい。

ドークボット大東京 - ザ・コンテスツ
http://dorkbot.org/dorkbottokyo/

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