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Adobe MAX Japan 2009

March 1, 2009 9:03 PM

Adobe MAX 2009
開催日:1月29日、30日
www.adobemax.jp

adobe_max.gifAdobe最大のユーザーカンファレンス、Adobe MAXの日本版、Adobe MAX Japanが1月末に開催された。
Adobe MAX 2008/2009のテーマは、「Connect. Discover. Inspire.」。Webを中心としたコミュニティメンバーが、アドビの最新テクノロジーを活用し、よりリッチで魅力的なコンテンツを創造するための知識やノウハウを学びに、多くのデザイナーやデベロッパーたちが集い、様々な情報交換がなされた。
とてもすべてのプレゼンを振り返ることはできないので、2日間に渡り繰り広げられたプレゼンテーションの様子をいくつかピックアップ。


Adobe MAX Japan 2009
http://jp.max.adobe.com/




Conference day-1


P1000341_resize1.jpg
3部屋分の巨大パノラマプロジェクションを背景に、ケヴィン・リンチによる基調講演でAdobe MAX Japan 2009は壮大に幕を開けた。
Adobe Flashプラットフォーム戦略の3つのフォーカスエリアとして以下を挙げた。
1. Client + Cloud = クライアント+クラウド
2. Social Computing = ソーシャルコンピューティング
3. Device & Desktop = デバイス+デスクトップ

OpenScreenProjectなどに見られるブラウザ以外、また各種モバイルデバイスへの展開の多様化に対応するスタンスが強調された基調講演となった。
参考リンク:基調講演の模様
http://www.adobe.com/jp/newsletters/edge/february2009/Fcontent/index.html
http://www.macotakara.jp/blog/index.php?ID=2497


_IGP0228_resize1.jpgインタラクティブ・コミュニケーション事例 深津洋介、水藤裕之
Imagenativeの二人によるプレゼンテーションは、ヴィダルサスーンのプロモーションサイト「360°Snap」で使用した360°全方位撮影を可能にした装置のデモ設置し、画像を交えてインタラクティブな広告について語ってくれた。


_IGP0201_resize1.jpg_IGP0188_resize1.jpgFITCの最新事例紹介 New Works [FITC session] Joshua Davis
海外はもちろん、日本でも知名度の高いデザイナー/アーティスのJoshua Davis。彼は画家が筆や絵の具を扱う様に、コンピューターのプログラムによって美しいビジュアルを作りだす。彼の今年のプロジェクトテーマは「Space」。


_IGP0117_resize1.jpgウェブとタイポグラフィー、伝達と表現 川上俊
昨年末の展覧会「Art with Sound」が記憶に新しい川上俊による、ウェブタイポグラフィーについてのプレゼンテーション。


_IGP0277_resize1.jpg_IGP0245_resize1.jpgFlash Catalyst(コードネーム'Thermo')のご紹介 Ryan Stewart
Flash Catalystはコードネームで「Thermo」と呼ばれており、Flexアプリケーションを開発するためにデザイナーとデベロッパーの仲介役となる新たなツールだ。Creative Suite 4で作成した作品を忠実にインポートして、ボタンやスクロールバー、入力欄など動的なコンポーネントに素早く変換できるという。出来上がったものはFlash PlayerやAIRで利用できる。
参考リンク:
Flash Catalyst:PhotoshopデザインがそのままFlexアプリのViewへと変わる!

_IGP0291_resize1.jpgFlash Videoとデジタルコンテンツ保護〜概要とケーススタディ 太田禎一
デジタルコンテンツをどのようにして保護するか、その現場におていFlash Videoはどのように使用されているのか。具体的な事例を挙げながらわかり易く解説されていた。


_IGP0376_resize1.jpgBeyond the Knowlege〜想像力が世界を変える [FITC session] Erik Natzke
FITCでのプレゼンテーションも人気が高い、デザイナー/クリエイターのErik Natzke。彼の手によって生み出される美しいビジュアライズはActionScriptのコードをによってデザイン(生成)される。
インタラクションという面でのFLASHではなく、JoshuaDavis同様、絵筆としてFLASHを使っているいアーティストだ。
印象的だったのは、大きなプリントサイズに対応するファイルを出力するのがFLASH既存の作業エリアでは到底小さすぎるため自ら作品を分割しファイル出力しているというところ。ブラウザ用のツールであるFLASHを違う領域で使いのはレアなケースであるかもしれないが、そういった用途から新たな価値が生まれている。



Conference day-2


P1000399_resize1.jpg映像とプログラミング 中村勇吾
『アニメーション』という表現を軸に過去のプロジェクトから現在進行中のプロジェクトまで、未発表のもを含めて紹介。『アニメーション』というものを独特の解釈でインタラクション、偶然性、ウェブっぽさ、を組み入れている作例は新しいという意味とは違う新鮮さがあった。


_IGP0521_resize1.jpgアイデアの実装:コントロールと最適化 Roxik 城戸雅行
Roxikこと城戸雅行のプレゼンテーション。昨年同様プレゼンテーションはActionScriptによる3Dアニメーションで行った。THE ECO ZOOの裏側の仕組みの紹介を三角関数や数式なども織り交たプレゼンテーションとなった。


P1000409_resize1.jpg出張JUIカンファレンス (JavaScript User Interface 2009) "Flashはもういらない!?"
 川崎有亮 + Shibuya JS
これJSで動いているの?、というサンプルが数々紹介された。また『2008年 JavaScript 業界10トピックス』となかなか知る機会がない情報もわかりやすく伝えられた。
詳しいプレゼン内容はこちら

_IGP0603_resize1.jpgActionScript 3.0 におけるパフォーマンス向上のヒント 野中文雄


_IGP0689_resize1.jpgコンテンツ制作の決め手、Progressionが可能にするFlashの未来 阿部貴弘
AS3と複雑になったスクリプトに対応するべく、多くのFLASHユーザーから指示されているFLASH実装のためのフレームワーク「Progression」。基本機能からその拡張性まで丁寧に説明。
また3月から『extends Progression 拡張機能コンテスト』も開催される。
参考リンク:
extends Progression 拡張機能コンテスト

P1000428_resize1.jpgP1000437_resize1.jpgコミッタ全員集合!? Spark project ライトニング トークセッション Spark Project
Flash/ActionScript開発のためのオープンソースコミュニティSpark Projectからtrick7saqoosha等がプレゼンテーション。



デスクトップパソコン以外のマルチメディア端末が普及する中、今年のAdobeMAXは一層そういった面でのデバイス、ビジネス双方の要素が顕著に見てとれる内容となった。制作者側も多様化してきとおり、端末を超えて活用できるFLASHは注目また期待されるツールである印象だった。またProgression、SparkProjectなどユーザーコミュニティーの参加が見られたのも、旧Macromediaらしく、今後も期待したいプロジェクトたちである。

AdobeMaxは各方面での技術やノウハウが細分化されている中、デザイナー、デベロッパー、ビジネス面がまとめて会する貴重な機会であるだけに今後も期待したいイベントである。

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