清澄白河駅からほど近いインターナショナルスクールの体育館に日本のMakerたちが大集結。Make: Japan主催の大規模なイベントはおそらくこれが初となるMake: Tokyo Meetingが先月4月20日、満を持して開催された!
そのイベントの様子を写真と少々の動画で振り返る。
Make:とはもともとオライリーから発刊されている電子工作系の話題をあつかった雑誌のことで、そのオンライン版のMake: blogでは、世界中のMakerたちが作った制作物が毎日膨大な量の記事となって紹介されている。アメリカではMakerたちが作品を発表、交流できる場として「Maker Fiar」と呼ばれる大規模なイベントが各地で定期的に開催されている。Make:とはもはや、モノ作りをする人にとっての世界共通言語になりつつあるのだ。そしてここ東京でもついに、Makerのための祭典Make: Tokyo Meetingが開催されることになった。
Make: Tokyo Meeting
http://jp.makezine.com/blog/2008/04/make_tokyo_meeting.html
Make: Japan
http://jp.makezine.com/
Make:
http://makezine.com/
まず、体育館を入るとKIMURAさんが制作したロボットたちが出迎えてくれる。上の写真は自分で自分をプレゼンするブラウン管テレビ型ロボ。重工で凶悪な出で立ちであるが、動き方は不格好で愛らしい。
井上秦一さんが制作した、DCファンとパウダービーズによってスペクトラムアナライザを物理的に再現した作品。ファンの制御にはご存知Gainerを使用している。パウダービーズが浮遊する様はとても美しく見ていて飽きない。
The Sine Wave Orchestraの城一裕さんのブースではサインウェーブ発音機と、動いた軌跡を記憶するスライダーの展示。
ニコニコ技術部有志の皆さんによる初音ミク関連の作品たち。高い技術力では他の追随をゆるさない。
[b] Laptop orchestraの皆さんはこれまでのライブパフォーマンスで実際に使用したノートPCたちを展示。PCをこじ開け中身の回路を意図的にショートさせる、いわゆるサーキットベンディングの手法を用いたハッキング。
むき出しの回路でリアルタムにブレッドボード上の配線を組み替え演奏を行うバンド"The Breadboard Band"。ブレッドボードを用いて電子音を自在に操る彼ら、今回は楽器のデモを展示。
金箱淳一さんが制作したMountain Guitarは大人から子供まで楽しめる完成された玩具だ。ギターが弾けない人でもディバイスに手をかざしたり傾けたりするだけで演奏ができる。
ちなみに写真の後ろに映っている黒い物体はヒゲキタさんの自作プラネタリウム
慶應義塾大学奥出研究室から出展されていた玩具「moo-pong」。取り込んだ映像を万華鏡のように見るオモチャで子供に大人気。
体育館の中の様子。舞台では出展者が作品のプレゼンテーションを行い、客席の後ろには他の出展者のブースが並んでいて実際に作品に触れることができる。さらにGainerのワークショップも開催されていて、カオティックな状態はまさにお祭り騒ぎ。
物販類もかなりの充実。日本版のMake:本の他、メカロボショップさんのブースではGainerや、世界的に大流行してるセンサーモジュールArduinoとその周辺パーツも購入することができた。
体育館内で見せることができない作品も多数あり、それらはグラウンドにて展示。KIMURAさんのフッタウェイや、高橋隆雄さんの手作りホバークラフト、物理体感工房の真空管バズーカーとセグウェイの試乗などなど、屋内と同等の盛り上がりをみせていた。
以上、Make: Tokyo Meetingを駆け足気味で振り返ってみた。このレポートでは紹介できなかったがMakerの知恵と魂がこもった作品は他にも多数ある。会場はMakerと来場者のパワーである種の熱気を帯び、創造の渦を形成していたように感じる。次回の開催が早くも待ち遠しい。
Text & Photography by Takahiro Yamaguchi