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面白法人カヤックへ遊びに~後編

March 12, 2008 1:55 PM

面白法人カヤックへ遊びに


面白法人カヤックへ遊びに~前編」に続いて面白法人カヤックとのキーワードトークをお届けします。



CBCNET:今回カヤックさんに行くとなって、いろいろリサーチしたのですが、既にいろんなメディアでインタビューは掲載されていて、せっかく遊びにいくのだからちょっと普通のインタビューではないほうが面白いかなって思ったんです。そこで、今回はキーワードトークとして、こちらでいくつかのキーワードをピックアップしてきてこういうカードに印刷してきました。・・・・うまく行くかわからないんですけど、一枚ずつ選んでもらってそのキーワードでいろいろお聞きできたらと思います。よろしくお願いします!


柳澤:面白そうですね、やってみましょう。


staff.jpg登場人物:左から柳澤さん、野崎さん、片岡さん

インタラクティブ

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CBCNET:いきなり抽象的で広い言葉になってしまいましたが「インタラクティブ」っていうのは双方向という意味ですが、それは作品とユーザーだけではなく、会社の中でもインタラクティブなイメージがカヤックさんにはあるなって思ったんですよ。カヤックの制作物(サービス)は個人が一人で作って、リリースされるものではなくて、なんというか、色んな意見がある中、どんどん意見交換しているというか、そういう広い意味での「インタラクティブ」ということなのですが。


柳澤:僕らはこの言葉はそんなに表だって使ってはいませんね。だたやっぱり僕らが作っているものはその言葉でくくられるモノが多いですよね。
インタラクティブという言葉は、どういう視点で語るかによるのですが、ただ、ユーザーに参加させて、なにかを作るというのはカヤックの基本的なスタンスです。ユーザーに対して一方的なコンテンツを与たえるのではつまらないと思っています。そういうものは率先してやろうとは思わないですね。
そう考えると、やはりカヤックが作るものはインタラクティブでないものは少ない、といっていいかな。やっぱり参加してもらうほうがおもしろいし、"コラボレーション"に特に面白みを感じますね。

野崎:"コラボレーション"については、もちろん社外との共同制作の場でも重要視しているのですが、社内にも自由な風潮があって、デザイナーやプログラマーといった職業の枠にかかわらず、作るモノに対して意見を交換をしています。社内のメーリングリストで何かアイディアを投げると、何かしらの返答がありますし。


柳澤:逆に意見出さないとダメだ、みたいなのが普通ですね。


KAYACの3つの要素


CBCNET:心技体みたいに、多くのものは核となる3つのものを提示できると思うんですが、カヤックの特長を3つあげるとなんでしょう?

kayac_02_02.jpg柳澤:うん、まず僕は「3」という数字にはこだわりがあったりしますね。「3」というのはバランスがいいですよね。アイデアを出すときも3つ出すことが多いし、例えばですけど、デザイナー、プログラマー、ディレクターしか採用していない。 創立メンバーは3人。 KAYACは静岡、神奈川(鎌倉)、自由が丘と3拠点になるとか。


野崎:3つの特長というと、KAYACのテーマである、あそぶ、つくる、考える、かな。


柳澤:つくる=考える、ですよね。コミュニケーション、つくる、感動を与える、の3つもそうかな。どれもイコールですが。"つくる人を増やす"というのが会社の命題なので。


野崎:んーー、、、あとは、24時間働き、24時間あそぶ。朝・昼・晩という意味で。(笑)


片岡:え?なにそれ。ひどい。(笑)、じゃ、今年、新卒採用を実施しますけど、3回面接するとか、、、こういうのとかも入るの?(笑)


マンガ


CBCNET:いろんなインタビューで柳澤さん個人的にマンガがかなり好きだというのを読んだのですがマンガという存在は大きいのですか?


柳澤:そうですね、人は人として超越した生き方をしようとした時に、必ず心の拠り所があると思うんですよ。たとえば聖書とか。それが僕にとっては漫画ですね。想いを強くするモノとして何度も繰り返し読むバイブル的なものもありますね。そういった本は、嫌な思いをした時に、それを忘れさせてくれる、たいしたこと無いって思わせてくれます。


CBCNET:スラムダンクをバスケの試合前に読むみたいな感じですかね。


柳澤:うん、僕にとって漫画はそういった位置づけですね。超越した価値観で、くよくよせず、かっこいい生き方をしようと思わせてくれますね。まさに聖書ですね。もちろん制作者の視点で見ている人もいると思いますが、僕はストーリーを重視して、集めてますね。 おすすめはサイトにのせてますよ


野崎:僕の場合は割と暇つぶしという感覚で読んでますね(笑)。


柳澤:他のみんなはどうだろう。けど漫画週刊誌はそろいますね。女性陣はそんなに漫画に興味ないんじゃない?


野崎:いや、読む人も多いですよ。みんなわりと好きだと思います。就業中でも漫画読んでたり。「あずみ」もってきた時はみんな読んでましたもんね(笑)。


旅する支社


kayac_02_03.jpgCBCNET:旅する支社については僕的にも羨ましい制度で 、製作会社ではあまり聞いたことがないですし気になる制度なんですよね。あれは誰でも行けるのですか?


柳澤:メンバーは基本的に希望制ですね。勤続年数に応じて多少変化しますね。過去にイタリア、ハワイ、タイなどにいきました。10日+(勤続年数×2)日(移動日のぞく)というシステムになっています。去年は引越しなどもあったのでなかったのですが、今年は行く予定ですね。今年もイタリアにしよう計画しています。イタリアにはArt-Meterの支店もできる予定なんですよ。


CBCNET:働いている側としては旅する支社はどうですか?


野崎:やはり楽しいですね。今年もいきたいです。現地では本社と変わらず普通の制作をすることになっているので、環境も雰囲気も違って、仕事がはかどります。


CBCNET:この企画で、社員にどういったことを感じてほしいですか?


柳澤:やはり、ITといったツールで人間の生活はどんどん楽しくなっていく、ITの技術が発達したからこういうことができるようになったのであり、どうせいくなら率先して仕事も遊びも楽しんでほしい。だから、すごく行きたいって人に行って欲しいと思います。単なる旅行みたいな感覚ではなく、違った意識で仕事や遊びに迎える機会ですから。


CBCNET:頻繁にいくなら、恒常的に支社を置くのもいいかもですね。 海外にいてもミーティングなどの不自由はないですか?


柳澤:ここにあるのがテレビ電話の機器なんですけど、コレがホント便利で、普通にミーティングは出来ますよ。仲いいクライアントならプレゼントしたいぐらいです。


鎌倉


kayac_02_06.jpgカヤックが運営する『DONBURI CAFE DINNING bowls
CBCNET:会社と場所、どこに拠点をするかというのはその会社の意志が表れる選択だとおもうんです。カヤックは長く鎌倉にいるわけですが、なぜ鎌倉を?


柳澤:やっぱり好きな場所で働きたい、ということですよね。食事をしたり、税金を納めたり、拠点を置いている場所にお金を落としていくわけですから。好きな街を良くしたいという観点があります。東京でやってからやっぱり地元に戻るという企業も出てきてますしね。会社は拠点を好きな場所、思い入れがある場所、貢献したい場所を選ぶべきですね。
今だとIT系がこぞって中国にいってますよね。もちろん、中国を良くしようと思って行くのは全然かまわないですが、そうじゃないとしたら、ちょっと僕にはできないですね。


CBCNET:働いている側としては実際どうですか?


野崎:都内で働く事と比べて、落ち着いていて、集中できる場所ではありますね。東京から来ている人もいますし。鎌倉はとにかく雰囲気いいですしね。


片岡:僕は東京からですが、鎌倉まで通勤するのそんな苦じゃないですね。1時間半ぐらいなのですが、気にならない。遠い分、逆に気が締まるというか。家と気持ちを切り替えて、気を引き締めて働くぞという気持ちになります。鎌倉好きですし。


柳澤;横須賀線、なんだかゆったりして雰囲気いいしね。


CBCNET:カヤックが鎌倉に拠点をかまえることで、また他の製作会社が拠点を置くということとかあると面白いですよね。


柳澤:実際いますよ。すぐそこに。たまに一緒に仕事してます。


CBCNET:そういうのはいいですね、ひとつの会社が拠点を構えることによって少しずつ変わっていきますよね。静岡支社は最近出来たんですよね、それははなぜなんですか?


柳澤:カヤックに長くいた社員が静岡に帰ってしまうことになって、だったら静岡に支社つくっちゃおうと思って(笑)。そこはサーバー関係だったり、新人研修に使っていく予定ですね。
静岡支社設立のちょっとだけいい話は、こちらから

テクノロジー (技術とWeb)


kayac_02_05.jpg CBCNET:ウェブ関連の技術がますます発達していて、そういった新しい技術を使われたサイトも多くなってきました。そういった中、アイディアと技術のバランスが難しいなと思うことがあります。KAYACはアイデアを次々と出して、それをどんどん作ることで、アイデアを育てているという印象があるのですが、技術・仕事としてWebをどうみていますか?


柳澤:答えになっているかどうかわかりませんが。テクノロジーはWebの世界でははやはり武器だと思います。アイデアだけでは勝てない。Webの世界はそんなに広くなくて、優秀な技術を持つ数少ないが会社が勝つものだと思います。カヤックとしては絶対そこははずしたくない。アイデアも大事ですが、確固たる技術があるところが、結局のところバランスがいいものを提案できると思っています。そういう意味では、技術はやはり追い続けていかなくてはいけないという宿命があると思いますね。

Webの世界は技術指向なのはしょうがないと思いますね。技術者がアイデアを実現する新しいテクノロジーを作ったり、見つけてきたりしますから。もっといえば、面白いアイデアをテクノロジーの力を借りることによって高め、人や生活を変えていけるかどうかという視点は常に考えています。


面白いサービスとは?


CBCNET:これはカヤックさんのテーマになっていることだと思うのですが、最近で面白いサービスのアイディアとかはありますか?


片岡:昔のYahoo!サーファーみたいに情報をピックアップする機能っていうのは今後大事になりそうですよね。Yahoo!やGoogleの検索の基準が複雑化して、価値ある情報がどんどん埋もれてしまいますし、リテラシーのある人なら検索結果が作為的かどうか判断できると思うけど、そうじゃないユーザーは多いと思うんですよ。今の子供たちからすると、上位にあるものが、絶対的な情報と思うかもしれない。情報のホワイトリスト、ブラックリストをつくるようなことが今後重要になってくると思います。


柳澤:専門家をあつめて情報を発信してるAll Aboutに近いけど、たとえば検索エンジンの使い方に特化した人を組織化するということだよね。 僕が学生時代にFaxサービスっていうのがあったな。Faxで質問すると専門家が答えてくれるみたいな。今やるとなるとなかなか難しいけど、今後考えていく価値あることだよね。


CBCNET:最近のカヤックのサービスで、これは面白いサービスになったな、というのはありますか?


野崎:最近ですと、「こえ部」ですね。YouTubeなど動画でのコミュニケーションがすでにある中で「声」をテーマにしたコミュニティー・サービスなのですが、ユーザーにどう使われるのか、自分でも未知数でした。でも実際リリースしてみるとすごい反響があって驚きましたね。切り口次第で面白いサービスってあり得るんだな、と実感しました。


柳澤:こえ部だと、お題が面白くないと、使ってても面白くないっていう風にネタ的な視点になりそうですよね。例えば朝食べたご飯を必殺技風にいってみるとか。でも、実際使ってみると単純に「おはよう」とユーザー同士が言っているだけでも、意外に面白いんだよね。いろんな「おはよう」があって、発見がある。

ウェブサービスはどうしても提供する側の視点に偏りがちですよね。だから僕らがリリースしたものの中でも、想定していない使われ方をして、サービスが盛り上がっていく事が面白いですね。こえ部もそうですし。

もちろんサービスには、みんなおもしろいでしょ、っていうラインもあるかもしれないですが、それとは違う、制作者が想定しない使い方、制作者が逆に感心してしまうような使われ方をするのは面白いサービスに共通しているかもしれませんね。

CBCNET: それは、ユーザーが自由に拡張できる「隙」みたいのがサービスにあるっていうことですよね。そういうユーザーに委ねる要素があるというのが面白いサービスに繋がるポイントなのかもしれませんね。

ということで、CBCNETでキーワードトークの第一弾でしたが、面白い話がいろいろ出ました。今後もカヤックらしいサービスを楽しみにしています。お忙しいところありがとうございました!


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Detail

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