「面白法人カヤック」。「面白法人」というのは彼らの理念の表れであり、現在の彼らの印象にも繋がっているのではないだろうか。最近ではウェブサービスの開発だけに留まらず絵の測り売りショップ「ART-Meter」のショップ&ギャラリーや事務所1階にはどんぶりカフェ「DONBURI CAFE DINING bowls」などをオープンするなどリアルの場にも彼らの活動は広げている。また「サイコロ給」や「旅する支社」などカヤック独自の制度などが注目を集め、メディアなどにも頻繁に取り上げられているのを目にしたことがある人も多いと思う。そんなカヤックが拠点としている鎌倉に、新たな事務所へ引っ越したということもあり、遊びに行ってきた。
Interview & Photo by Yosuke Kurita & Yoshiaki Fujimori
今回は取材に行くに際して、普通のインタビューをしてもすでに多くのメディアで取り上げられているカヤックなのでそれでは面白くないと思い、いくつかのキーワードを用意し、代表の柳澤さんを含めたカヤックスタッフと「いきなりブレスト」的に話してきた。柳澤さんへのインタビューはウェブ上でたくさん読めるので、気になる人はページ最後におすすめインタビューを紹介しておくのでそちらも合わせて読んでほしい。
ではインタビューに入る前に彼らの活動を紹介しておこう。
面白法人カヤックとは
カヤックは1998年に設立され、主にウェブ・サービスの企画・制作・運営やウェブサイトの受注委託制作(グループ会社であるCUPPYと共に制作)を中心に様々な企画を展開している。「つくる人を増やす」という彼らの経営理念のもと、常に新しいサービスを制作し続け、次から次へと新サービスをリリースしている。
そこでまず彼らが手がけているサービスをいくつか紹介しよう。

ハウスコ
http://www.houseco.jp
家づくりコンペを通して施主と建築家の出会う場所を提供する建築家探しサイト。2000人以上の建築家が登録しており、実際に多くのマッチングが家作りまで結びついている。

こえ部
http://koebu.com/
SNSなどが広く普及している中、「声」をテーマにした新たな音声専門のコミュニティサイト。お題を出して音声を募集、お題に答えて声を録音する、というもので既に5万件以上の声が集まっている話題のサービス。

ART-Meter
http://www.art-meter.com
アートというものを評価する基準を定めるのは難しいこと。そこで1㎡=3円~という基準で絵画を販売している。自由が丘にリアルショップも設け、1000名以上の画家が作品を販売している(2008年3月現在)。

BM11
http://bm11.kayac.com/
カヤックのラボ。昨年は1年で77個のサービスを制作するという目標を達成。なんと08年は88個つくる予定だという。つくり続けるラボだ。
"1アイデア=100円"のアイデアオンラインショップ「元気玉」や、ブレインストーミングの活性化ツール「Babooo」はBM11がつくったサービスである。
カヤックの面白独自制度も紹介。
サイコロ給
「人間が人間を評価するのは難しいもの。」という背景から導入された制度。サイコロ給の仕組みとしては毎月、社員全員が給料日前にサイコロを振り、基本給×サイコロの出た目%を、運命給という手当てとして、基本給に+アルファにするというもの。
詳しくはこちらに⇒http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20060724/244076/
旅する支社
鎌倉に本社があるカヤックだが短期移住型の海外オフィス「旅する支社」も面白い試みだ。海外に数ヶ月間滞在できる拠点を借り、そこに社員が交互に遠征する。日本でする仕事を、場所を変えて、海外でやってしまおうという発想で、社員旅行としてではなく、短期間の臨時海外オフィスとして機能する。過去にはイタリアやタイなどで実施された。
過去の事例⇒http://www.kayac.com/company/event/trip
またカヤックの強みはこうした自主サービス以外に受注制作でも大手クライアントのサイトを手がけている点もあげられる。そのレンジの広さも注目される要因だろう。
さて続いて、カヤックスタッフとのCBCNET対談をお届けする。今回の対談では、カヤックの活動をリサーチした結果、いくつかの「キーワード」をセレクト。その「キーワード」をカードに印刷し、それをひとつずつに選んでもらい、そのお題で話を進めていった。初めての試みなので展開が予想できない企画だったが、ぜひご覧いただきたい。