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iPhoneで街中に散りばめられた仮想的な通貨「MaM」を集めよう – エキソニモ × MaM × GYRE「MoneyFinder Harajuku」ワークショップレポート

June 11, 2013(Tue)| text by Yu Miyakoshi

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5月12日(日)と5月26日(日)、お金をめぐるアートの展覧会「Money after Money | 信用ゲーム 2013」のスペシャルプロジェクトとして、エキソニモが開発したiPhoneアプリ「Money Finder」のワークショップが開催されました。
このワークショップは、同アプリを使って街に仮想的にお金を埋めたり掘りおこしたりするというものです。筆者は2回目のワークショップに参加してきました。今日はさっそく体験レポートをお届けしたいと思います。

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会場となったのは、「Money after Money」展が開催された表参道GYREの地下。 最初に、講師のエキソニモのお二人からアプリの説明などを聞きます。

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「みんながシリアスになってしまいがちなお金と街をゲーム化して、遊びと生活の境界を壊したい」と語るエキソニモ 千房けん輔さん。

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参加者の方からアプリの感想を聞いていたエキソニモ 赤岩やえさん。すでにアプリのアップデートを構想中。

ここでちょっと「Money Finder」の使い方をご説明。
「Money Finder」は5月11日からAppleのApp Storeで配信がはじまったばかりのアプリで、
地図にマッピングされた場所から仮想通貨MaMを掘り出したり、好きな場所に埋めたりすることができます。

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アプリを立ち上げると、すぐにマップが表示され、あちこちに「M」のマークが立ちます。
このマークのある所がMaMの埋まっている場所です。

街の中を歩きながら地図にマッピングされた場所に近づくと、MaMが近くにあることを知らせる文字が点滅しはじめます。10m、5m・・と距離を縮めていき、まさに埋められた地点に立つと、Getボタンが赤に。その状態でボタンを押すと、MaMがGetできます!

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このマネーを取得中・・という画面ですが、じつはこの時、獲得した人は自分のiPhoneカメラで映像を撮られています。

その映像はご覧のようなショットで、埋めた人のところに届くようになっています。
画面の方(あの「仕込みiPhone」の方!)の何気ないショットはとても珍しいですね。
この隠し撮りしたようなショットを送ってしまうのがこのアプリの重要なカラクリで、エキソニモのサイトによると

探す人は自分の情報と引き換えにMaMをゲット。
埋める人はMaMを奪いに来る人の情報をゲット。

ーー とのことです。MaMはタダで貰えるという訳ではないんですね。
この交換価値が「Money Finder」のキモとなっているんです。

20130605_ exonemo_money-finder_ws-10 お金を埋める時は、街を歩いている時にPutボタンを押し、任意の金額を入れれば、自分が今立っている場所にMaMが埋められます。
この時に、獲得者の方に向けてメッセージを入れることもできます。


こうしてMaMを埋めると、誰かがGetした時にその人の映像が送られてくるという訳です。

ひと通り説明を受けた後は、「それでは、実際に街へ出てMaMをとってきてみてください!」
というわけで、iPhoneを片手に原宿の街を歩いてきました。

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実際に遊んでみると、MaMをとるために普段は通らない道を通ったり、意外な場所を発見したり、都市の隙間に入り込んだような感じが楽しめました。
また、誰かから映像が送られてくるのもスリリングで面白かったです。

今回のリリースはテストバージョンとのことで、アプリの改良点などもディスカッションされました。
既に2回目のワークショップの時点でも、1回目のワークショップのフィードバックを生かし、お金を埋める人がメッセージを残せるなどの機能が追加されていました。今後のアップデートも楽しみです。
ユーザの使い方も、意図的に映像を送ったり埋める場所に凝ったりと、色々発展できそうですね。
また、このアプリはもともと本当の「通貨」を使う計画だったのが、諸事情により実現できなかったとのこと。いつかはリアルマネーを使うバージョンもリリースされるかもしれません。





「Money after Money | 信用ゲーム 2013」の展示の方についても少しご紹介・・
メディア・プロデューサーの桝山寛さん、キュレーターの四方幸子さん企画による同展は2001年にICCで行われた「信用ゲーム」展の続編。アンディ・ウォーホルのシルクスクリーン「1$」や、ドイツの連邦財務省に毎日1セント振り込むというクリスティン・ラールの「マハト・ゲシェンケ:資本論」、ウーバー・モルゲンの「Everything is Always」などの作品が並んでいました。

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上の写真はエリー・ハリスンの「金融危機の歴史」。1929年の世界大恐慌にはじまる経済危機を11台のポップコーンマシンになぞらえています。

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会場の隅には経済危機の負債さながら、ポップコーンの山が。千房さんが「みんながシリアスになってしまいがちなお金と街をゲーム化して、遊びと生活の境界を壊したい」と語っていましたが、展示全体が常々「もっと見なきゃ」と思っている経済とお金の問題をユーモラスに見せてくれたようでした。展示の様子やアーティストのインタビューはFacebookページにまとめられているので興味ある方はぜひ。






20130605_ exonemo_money-finder_ws-14 ちなみにこの「Money Finder」、日本以外でも少しづつ広まっていて、
すでにヨーロッパでもお金を埋めている人がいるとか(右画像参照)。MaMは本当にそこに行った人にしか埋められないので距離感がリアルに感じられてきます。それにしても、埋めた人の顔も見てみたくなります!

以上、ワークショップレポートでした。
参加者の皆さん、エキソニモさん、ありがとうございました!

ぜひみなさんも「Money Finder」でMaMをゲットしてみてください!
https://itunes.apple.com/app/money-finder-harajuku/id639790516?mt=8


Text by Yu Miyakoshi



Information

MaMスペシャルプロジェクト
エキソニモ×MaM×GYRE 《MoneyFinder Harajuku》

http://exonemo.com/iPhone/mfh/

会期:2013年5月11日(土)~26日(日)
開催場所:GYRE館内および周辺エリア

Money after Money | 信用ゲーム 2013
http://mamjp.org/art/

会期:2013年5月2日(木)~26日(日)
会場:EYE OF GYRE (GYRE3F) +GYRE館内および周辺エリア
東京都渋谷区神宮前5-10-1 Tel: 03-3498-6990 >>website

参加アーティスト:アンディ・ウォーホル/ウーバーモルゲン/エキソニモ/エリー・ハリスン/クリスティン・ラール/ニティパク・サムセン/フィリップ・ハース/フリエタ・アランダ+アントン・ヴィドクレ/ヨーゼフ・ボイス

主催:一般社団法人 MAM、特別協力:JTQ、協力:HiRAO INC
エグゼクティブプロデューサー:桝山寛、キュレーター:四方幸子

後援:オーストリア大使館/文化フォーラム、東京ドイツ文化センタ—
ベネファクター:黒澤一夫


MoneyFinder Harajuku iPhoneアプリ:itunes store
MoneyFinderウェブページ:http://exonemo.com/moneyfinder
「Money after Money|信用ゲーム2013」ウェブページ: http://MAMjp.org/art/


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