電子音楽やコンピュータグラフィクスなどの分野で使われる電子回路に生じるノイズである「グリッチ (glitch)」をコンピュータ刺繍ミシン用で出力したヌケメ氏による「グリッチ刺繍」。

第16回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門の審査員推薦作品にも選出された同作品だが、今回は生産中止になったニッティングマシン「Brother KH-970」をハッキングし、グリッチ・ニットを制作。上のビデオはこのプロジェクトの概要をまとめた初ビデオとなる。

主なプロジェクトメンバーはヌケメ、菅野創、よしだともふみ(テクノ手芸部)、山本詠美(FabLabShibuya)。先日開催された、「テキスタイルネット展」のトークでもその実験内容が公開された。

グリッチ・アートとして、デバイス・ハッキングとして、または新たなファッション・デザインとしても捉えられる多面的なプロジェクトとなっている。

プロジェクトの作品事例、実験内容、アイディアなどはgitchKnitのTumblrにまとめられている。今後のプロジェクト展開も楽しみにしたい。

また、よく耳にするようになった「グリッチ」だが、説明しようとするとなかなか困ることも。
glitchKnitのタンブラーにわかりやすい説明があったので、聞き慣れない方はぜひ。

グリッチ、ですぐわかる人に僕が説明することは何もないのですが、聞きなれない人のために。

“グリッチ”は”機械やデータの破損そのもの、あるいは、破損しているけれど再生が可能な状態”、のことを指します。定義については諸説あります。

他の言葉で言うなら、”バグ”とか”ノイズ”といった言葉と殆ど同じ意味です。

純粋に偶然発生したグリッチを”ピュア・グリッチ”、そうでないものを”グリッチ・ア・ライク”と呼ぶ人達もいます。グリッチ・ア・ライクにはプログラムを用いてデータを破壊したものから、ただ見た目が「グリッチっぽい」ものまで色々ありますが、あまり意味のない区別だと僕は思っています。

また、”データ・ベンディング”という言い方もあり、この言い方は”サーキット・ベンディング”の延長に捉えた言い方です。機械の回路を改造することに主眼を置いたグリッチ表現をサーキット・ベンディングと呼ぶ、という言い方もできます。

グリッチを感覚的にわかりやすく説明した例では、ファミコン・カセットの”半差し”で、画面の表示がおかしくなっているのに、ゲームとしてはギリギリ動いてくれる状態、という例えがよく用いられます。

壊れてまったく起動しない機械やデータ、のことはグリッチとは呼びません。

壊れているのに起動ができて、壊れた表示や壊れた再生をしてしまう、ゾンビのような状態を”グリッチ”と呼びます。
via http://glitchknit.tumblr.com/post/43326351629




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Fashioning Tech
http://www.fashioningtech.com/profiles/blogs/glitch-knit

How-To: Hack Your Knitting Machine
http://blog.makezine.com/craft/hack_your_knitting_machine/


グリッチ刺繍


glitch

Glitch Embroidery -グリッチ刺繍- created by Nukeme from Duke Nukeme on Vimeo.




Information


Knitting Machine Hack and Glitch Knit
Created by Nukeme (nukeme.nu)
+ So KANNO (kanno.so)
+ Tomofumi YOSHIDA (techno-shugei.com)
Supported by Emi YAMAMOTO and FabLabShibuya (fablabshibuya.org)
glitchKnit tumblr glitchknit.tumblr.com
Github github.com/sokanno/KnitHack
Music by munnrai (ALT / TYMOTE) (soundcloud.com/munnrai)