株式会社タイプバンクによる、各分野で活躍するデザイナーたちの自由な発想で作られたかな書体ブランド「かなバンク」を立ち上げ、その第一弾として、グラフィックデザイナー・永原康史、ブックデザイナー・祖父江慎、グラフィックデザイナー・田中千絵、ウェブデザイナー・田中良治が、監修・制作したフォントが発表された。

一般的な日本語の文章は60〜70%が、かなで占められており、テキストの表情を決定するのにかなの影響がとても強いといえる。グラフィック、プロダクト、装丁、Webなど様々な分野で求められるかな書体は、その要望も独特で面白く、今までに無いアイデアに溢れている。

「かなバンク」は、各分野で活躍しているクリエイターの自由な発想で作られたかな書体ブランド。書体デザインのノウハウをタイプバンクがしっかりとサポートしながらも、楽しく奔放な書体の世界を広げていく。

今回リリースされたのは、永原康史によるiPadに指で描いた文字をもとに、OpenTypeの《前後関係に依存する字形》機能を実装した「フィンガー」、祖父江慎による昭和初期に発表されたカナモジカイの活字を復刻した「ツルコズ」、田中千絵による実際に木の小枝を組み、そこから形を描きおこしたナチュラル系書体の「TREE」、田中良治による80年代のビデオゲーム「ブロック崩し」のアルゴリズムを書体設計に取り入れ、時間軸をウエイトで示した「BREAKOUT」、4ファミリー18書体となる。

design pocketFontGarageにてダウンロード販売をしているので、ぜひ試してみてほしい。

今後も書体をシリーズとして発表していく予定となっているとのことで、ぜひ楽しみにしたい。

また、12月5日には、かなバンク発売を記念したトークイベントが下北沢にできた本屋さんB&Bで開催される。
第一弾として参加した4人のデザイナーが、従来の枠を超えた発想の書体を特徴や開発秘話を交えながら紹介。かなバンク書体は、ダウンロードのみの販売だが、 今回特別に先着25名様のみ、希望のフォントをCDで限定販売(4人のサイン入りブロマイドのおまけ付き)!!

定員になり次第締め切るそうなので、お申し込みはお早めに。





以下は発表された書体。詳しくは「かなバンク」のサイトにて。

永原康史による、iPadに指で描いた文字をもとに、OpenTypeの《前後関係に依存する字形》機能を実装した「フィンガー」。複数の字形から、文字の並びにふさわしいものを自動的に選んで表示する。




昭和初期に発表されたカナモジカイの活字を復刻した「ツルコズ」は祖父江慎による書体。カタカナだけで表記したときでも読みやすくなるように工夫された、デコボコした設計。




田中千絵による、実際に木の小枝を組み、そこから形を描きおこしたナチュラル系書体の「TREE」には、この書体と組み合わせて楽しい、「オーナメント的なお楽しみ絵文字」付き。




田中良治による、80年代のビデオゲーム「ブロック崩し」のアルゴリズムを書体設計に取り入れ、時間軸をウエイトで示した「BREAKOUT」。ビットマップで作成した文字をピンポン玉で崩していく状態を5段階のファミリーとする、時間軸を意識したアウトライン書体。



Information

かなバンク 第一弾
http://www.typebank.co.jp/kanabank/

ダウンロード販売サイト
design pocket
FontGarage


「デザインとフォントの間 あたらしい文字のはじめ方」 トークイベント
■出演者
永原康史(グラフィックデザイナー)、祖父江慎(ブックデザイナー)
田中千絵(グラフィックデザイナー)、田中良治(ウェブデザイナー)
■開催日時
12月5日(水)20:00〜22:00 (19:30〜開場)
■場所
本屋B&B (世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F)
■入場料
1500yen + 1 drink order
■お申し込み
お申し込みはB&Bへ直接お申し込み下さい。