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香港発・お母さんが作る石鹸のパッケージと紹介ビデオがこんなにかっこいい訳

August 28, 2012(Tue)|





So…Soap!とは、香港で暮らす母や女性がつくるハンドメイドのナチュラル石鹸。

「家族の世話をしながら働かなければならない。働くなら、エコに関わる仕事がしたい。」と考えた創始者のBella Ipさんは、石鹸を作る方法を独自に習得。2008年、プロダクトとして販売を開始する。上のビデオはBellaさんが可愛らしいSo…Soap!のカートを押しながら香港の街の人々に石鹸を試してもらう様子をまとめたプロモーションビデオだ。素晴らしいビデオになっているのでぜひご覧頂きたい。




500mlのボトルは元々豆乳飲料に使われていた容器だそうだ。
彼女のつくる石鹸はゆっくりと販売数を伸ばし、個性のない商品で溢れかえる大経済都市香港で、彼女の努力は少しずつ認められていく。

Bellaさんはこう話す。「あるとき、同じ地域に住むお母さんたちも当初の私と同じような目標を持っていたことを知りました。家事もしながらエコに関わる仕事がしたいと。そこで、地域のお母さんたちと協力しながらSo…Soap!を拡大してきたんです。So…Soap!をスタートさせてから3年経ったとき、香港の産業界からもSo…Soap!が注目されていることを知り、より生産を増やすことにしました。」

そして、Bellaさんはブランディングとデザインが必要だと考える。デザイナーを探し、CoLABと出会い、現在のSo…Soap!の革新的なパッケージが誕生した。

※CoLABとは、香港で活躍するデザイン会社CoDESIGNから派生した、社会的なプロジェクトを扱うチーム。
CoLAB facebookページ:http://www.facebook.com/codesign.colab

CoLABは、「非営利団体や環境問題のために動く組織の志や信念、製品自体は本当に素晴らしい。ただ、その製品のデザインや見せ方が中身と相反して非常に悪いものが多いんです。」と話す。デザインは企業や組織のDNAであると考えるCoLAB。「社会的なプロジェクトにはお金がないし、未だに昔の手法で運営している。コマーシャルな大企業と、社会を良くしようと活動している団体と、2つを見てきた私たちが間に立つことで、バランスが取れるんじゃないかと思っています。」
参考記事:CNNGo.com『CoLAB: Hong Kong’s hippest goody two-shoes』


新春大吉バージョンのSo…Soap!

最後に、Bellaさんから現在のSo…Soap!の売上などについて聞いてみた。
「今は6人の石鹸づくりのトレーニングを終えた女性が中心となって石鹸を作っています。だいたい月間100,000香港ドル(日本円にして約100万円)の売上がありますが、まだまだ充分ではないですね。まだ、目標の半分ぐらいしか達成していません。なにせ、スタートはかなり小さいプロジェクトでしたし、最初に持ち出した資金も回収しきれていませんから。現在、投資者とともにSo…Soap!の構造を見直している最中です。」

植物オイルを原料につくられたナチュラル石鹸は、地球に優しく、肌に優しく、愛情もたっぷり入っていると言う。ハーブが配合されているのでナチュラル石鹸特有の油臭さが少なく、ナチュラル石鹸初心者でも抵抗なく使える。もちろんボトルはリユースを促している。回収ボックスは販売店舗に設置してある。現在は海外からの購入は海外送金のみ対応なので、手数料が多くかかり日本からの購入は現実的ではない。だが、香港へ旅行される際はぜひ店頭で実物を見て欲しい。


回収ボックス


CoLABデザインによる、So…Soap!販促用リーフレットの裏面。


不動産が高騰し、東京よりも家賃が高いと言われる香港。個人商店は絶滅の危機に瀕している。だからこそ香港の気鋭のクリエイターたちは社会について考え、いかに世間にうまく伝えるかを考える。デザイン力・発信力の強い香港の人たちが作り出したこのSo…Soap!プロジェクトは、「何かを伝えたいときの模範例」として世界から注目を集め始めている。

text by Kanako Yamamoto(Offshore


So…Soap!
http://www.sosoap.com/


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