2010年8月よりhanareによる運営でスタートされた21世紀型公民館、SocialKitchen

ここで開館から定期的に開催され人気を博している企画が「台所音楽」だ。これまでも「実験的でワクワクする活動を行っている人達と協働しながら、新しい考え方、表現方法を模索し、実践する」という考えのもと、hanareの独自の視点で選ぶ人物がコラボレーションを行ってきた。

そして2月の頭に開かれた「台所音楽」の出演者は堀尾寛太contact Gonzoだ。
やかんなどの日用品や電気工作ジャンク、電磁石などを使った自作デバイスで演奏やインスタレーションを行う堀尾寛太と、喧嘩のようでいて崇高な儀式にも見えるパフォーマンスで有名なcontact Gonzo。
この両者がジョイントすると聞いただけで、一体何が起こるのか想像もつかないのだが、Social Kitchenのイベントページにも詳細な情報は公開されぬまま開催を迎えた今回の「台所音楽」。

当日Social Kitchenでは一体何が起こっていたのだろうか。今回の「台所音楽」の企画者であり、hanareのメンバーでもある山崎氏にメールインタビューする形で、当日の写真と共にお送りしたい。

Q1. 今回のイベントはどういったきっかけで企画されたのでしょうか。

以前関わったイベント(オールナイト解体 at AD&A)で堀尾さんと知り合い、関西で堀尾さんのライブを企画する事を約束しました。ソロでのライブよりは、誰かとのコラボの方が面白いのではないかと考え、相手を誰にするのかいろいろと模索していました。contact Gonzoの塚原くんに相談すると、お互いに一緒にやりたいと思っていたこともあり、共演をお願いしました。

また、Social Kitchenにおける「台所音楽」というシリーズは、単体でも素材として味のある方々を組み合わせて、まるで料理のメソッドのようにパフォーマンスをしてもらう企画として行っているので、このコラボレーションが生まれました。



「台所音楽」開催前の堀尾寛太とcontact Gonzo

Q2. イベントはどういった展開で進んだのでしょうか。

まず最初に、contact Gonzo、堀尾寛太の朋友である梅田哲也の「電気工作あるある」を織り交ぜた前説がありました。

現在6人になったcontact Gonzoが3人づつの二組に分かれ、contact Gonzo3人バージョンと堀尾寛太のコラボレーションを1部を1曲目、2部を2曲目と呼び行いました。
「1曲目」では、堀尾寛太は主に机の上に配置した装置等を駆使して音や現象を起こしcontact Gonzoのパフォーマンスに参加。
「2曲目」は、天井から吊るしてあったバネを使った音の出る装置や、床を這うたわし型の装置を使ってcontact Gonzoの動きを邪魔する、という形でコラボレーションしていました。

「2曲目」の頭にも梅田哲也による、今度は「搬入で徹夜するときあるある」を織り交ぜた中説を挟み、途中休憩などを入れて全体で70分程度のパフォーマンスでした。




Q3. 当日の雰囲気、お客さんの感想、反応などはいかがでしたか。

contact Gonzoのパーフォーマンスは、いつも最初に暴力を見る緊張と、目の前に起こる身体のぶつけ合いに対して客席に驚きが起こり、反応をためらうことがあります。
でも、それがやがて慣れに変わってくると、contact Gonzoのメンバーが持つ身体性への憧れにより小さな感動が生まれ、その後は、彼らの動きに対し、共感したり、笑いが生まれたりします。
そんな状態が会場全体にゆるやかに共有されていたように思います。

それにくわえ、堀尾さんのギミックや起こす現象によって、不思議さとかわいさが生まれ、初めて彼らのパフォーマンスを見る方にも親しみやすさがあったように思います。

一言で言えば、盛り上がっていましたね。

Text: 山崎伸吾
photo by Takuya Matsumi

ありがとうございました。




当日はcontact Gonzoと堀尾寛太、それぞれの独自のパフォーマンスが見事に合わさり、互いに相乗効果を生み出すことに成功していたようだ。
contact Gonzoの強烈なパフォーマンスの入り口を、堀尾寛太が切り開くという効果は、実際に「台所音楽」でのコラボがなければ分からなかったことかもしれない。

contact Gonzo、堀尾寛太、そしてSocialKitchenの今後も楽しみにしたい。



Information

台所音楽「堀尾寛太とcontact Gonzo」
http://hanareproject.net/event/2011/02/contact-gonzo.php

Profile

堀尾寛太
http://kanta.but.jp/
1978年広島生まれ。アーティスト。九州芸術工科大学大学院音響設計系修了。電磁石やモーター、マイクロフォンやジャンクなどを組み合わせた自作デバイスによる演奏やインスタレーションを各地で行うほか、電気好きの集いである『ドークボット東京』のオーガナイズや、4nchor5 la6でのギーク活動などを行っている。2011年1月16日まで水戸芸術館で開催されている大友良英「アンサンブルズ2010-共振」に参加。

contact Gonzo
http://contactgonzo.blogspot.com/
「contact Gonzo」とは、2006年にダンサーの垣尾優と塚原悠也が開発・命名したメソッドの名称。人と人との間に起こる「接触」というシンプルな物理現象に起因する様々な瞬間的な事象を通し、自らにとっての「世界の仕組み」を紐解こうとする方法論。パフォーマンスの模様は「YouTube」などのメディアを使って即時的に発表される。現在、三ヶ尻敬悟、加藤至、金井悠、塚原悠也のメンバーで大阪を拠点に国際的に活動。
2011年3月8日から国立国際美術で館開催される「風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから」に参加。