我々はテクノロジーを消費するだけの存在ではなく、 テクノロジーを想像するMakerにもなれる!「Make: Tokyo Meeting 06」レポート!

「Make: Tokyo Meeting」は、オライリー・ジャパン社が2006年8月から刊行する雑誌『Make: Technology on Your Time』(Make日本語版)をバックグラウンドにして、DIY、電子工作、サイエンス、アートなど様々なMakerたちの発表の場、交流の場として2008年より開催されている。9月には岐阜県大垣市で初の東京以外でのイベント「Make: Ogaki Meeting 01」が開催されたばかりだ。「Make: Ogaki Meeting 01」はCBCNEでもレポートしているので是非チェックを。

今回は、そんな「Make: Tokyo Meeting 06」の様子を写真と映像と共にピックアップしてレポートしていきたいと思う。



Make: Tokyo Meeting 06」は、東京工業大学大岡山キャンパスにて11月20日(土)21日(日)の2日間に開催された。今回の大岡山キャンパスでは「生協食堂」「体育館」「西9号館」と3つの会場で展示が行われおり、大学キャンパスならではの雰囲気での開催となった。

Makerの乗り物に小さい子も興味津々!

KIMURA 「エンヂン犬」

出店も充実


「生協食堂」会場では、かわいいアクセサリーやグッズなどが!

テクノ手芸部の作品

こば式会社のタクトスイッチやキーボードのパーツを使ったアクセサリー

くるくる研究室によるLEDOLL

まずは、学生時代にお世話になった方も多いだろう「食堂」が会場。先日、書籍を出版された「テクノ手芸部」のフェルトマスコットやぬいぐるみと電子部品をあわせた作品や、「こば式会社」のパソコンのキーボードのパーツを扱った手作りのアクセサリーなどが展示されていた。全体的に手作りのアクセサリーやグッズなどのハンドメイドの作品達が多く見られた。

メイン「体育館」では、ブレッドボードやLEDの電子工作やセンサプログラミングなどの作品達が展示!


メインとなる「体育館」では、ワークショップやプレゼンテーションなどの催し物なども同時に開催されており、はんだづけを実際に体験出来るスペースや、Arduinoを扱って実際にプロトタイピングを実践して学ぶ事が出来るスペース。家庭用3Dプリンタなどの実演など、Make:らしいモノづくりの雰囲気に包まれていた。同

時開催されていた「Make:r × Maker 工作道具と素材のリデザイン展:第0回」では、GainerやFunnel FIOの開発者でも有名な小林茂氏が企画しているプロジェクト。

20世紀の大量生産から21世紀では個人レベルのモノづくりの活動が活発になり、モノ作りのMake:r が工作道具や素材などを制作するメーカー(Maker)と駆け寄り、モノ作りの視点から見つめ直しリデザイン(再設計)をすることを目指しいてる。
今回は第1回に向けた第0回として、進行中の事例や今後の予定などを紹介し、多くの来場者とアイディアをシェアしていた。

4nchor5 la6」や「The Breadboard Band」などが参加し、今後も注目したプロジェクトだ。

あげあげ普及委員会 「PAC-PAC Petit」

電子工作やセンサプログラミングなどの作品達も多く展示されていた。USBカメラと液晶ディスプレイを合わせて簡単なジェスチャーで遊べるシューティングゲーム、あげあげ普及委員会の「PAC-PAC Petit」は説明なしでも誰でも簡単に楽しめる。

Vagabond Works 「Land Crawler eXtreme」

テオ・ヤンセン機構を駆動系に使った12脚の乗り物、Vagabond Worksによる「Land Crawler eXtreme」。作者のお子さんが「ロボットに乗りたい!」という願いから生まれた。しかし、「頭と手がないからロボットじゃない!」とお子さんから駄目だしされてしまうというかわいいエピソードが。だから、上にジオング(ガンダムに出てくるモビルスーツ)が乗っているのだそうだ。

よしを 「空き箱で作る、精密艦船模型 ~日本の艦隊他~」

空き箱で精密なインパクトあるペーパークラフトによる艦船模型を発表していたのは、よしをの「空き箱で作る、精密艦船模型 ~日本の艦隊他~」。全て空き箱を材料に、CADを使わない手作りのDIY作品を展示していた。

新世界 「透明標本」

新世界による「透明標本」。「命」の美しさを身近に感じてもらうための活動として発表。透明標本が持つ骨格のマテリアル(素材)が伝えてくるメッセージは電子工作やプログラミングとは違うMake:らしさがあった。

西9号館では、楽器やメディアアートも!

西9号館では、自作のシンセサイザーの展示を始めとした楽器作品の展示と演奏、また映像表現と合わせたインタラクティブなメディアアート系の作品も多数展示されていた。

oxoxo [ ゼロバイゼロ ] 「sound installation [ サウンドインスタレーション ] 」

oxoxo [ ゼロバイゼロ ]による、音の振動によって鏡と水面に波紋が映し出される作品によるサウンドインスタレーション。音の響きによって空間の振動が目に見える形で変化していた。


Sun & Moon Laboratory 「ANIPOV」

自転車のホイールの回転と共にアニメーションが映し出される作品「ANIPOV」を展示していたのはSun & Moon Laboratory。カラーアニメも展示していた。アニメーションするホイールによって、未来の自転車はもっと賑やかになっているのかも?

加藤良将 「Rokuroシリーズ」

Make:でもおなじみ加藤良将のRokuroシリーズ。今回はMTM02、03、04で展示した作品を一堂に展示していた。大中以外の小さなサイズも見る事が出来た。


衣斐秀輝 「言葉の雨」

Twitterでつぶやかれた”雨”に関する言葉を「雫」として降らせる作品、衣斐秀輝による「言葉の雨」。傘や地面などにぶつかると弾ける。多くの人が関心を持っている言葉だと、集中豪雨のように降り注ぐ。Twitter上の情報を雨のように感じる事が出来る作品。




今回の「Make: Tokyo Meeting 06」は、センサやTwitterを活用したプログラム表現や、流行りの電子書籍をはじめとした作品達、自作ロボットや電子回路を使用したハードウェアの制作物など幅広い展示となった。そんな中、少しずつ新しいテクノロジーの進化と共に、作り手が新しい「Make:」を考え、自らの手で制作している様子を感じとれる。訪れた人には子供連れの方も多く来ており、こういった環境の中でテクノロジと表現、自作のモノづくりの未来を一緒に体験できるイベントとして、これからの「Make:」も楽しみにしていきたいと思う。

Text by Hirokazu Kawana ( http://www.gekitetz.com/ )

Information

Make: Tokyo Meeting 06
http://jp.makezine.com/blog/2010/11/mtm06_announce.html

日時: 2010 年11月20日(土)12:00 ~ 18:00、21 日(日)10:00 ~ 17:00
会場: 東京工業大学 大岡山キャンパス(東京都目黒区大岡山2-12-1)
体育館、西9号館、生協食堂ほか
東急大井町線、目黒線「大岡山駅」徒歩1分
http://www.titech.ac.jp/about/campus/o_googlemap.html(キャンパスマップ)

入場料: 無料
主催: 株式会社オライリー・ジャパン
共催: 東京工業大学、多摩美術大学 情報デザイン学科
協力: 東京工芸大学 インタラクティブメディア学科
スポンサー:株式会社インフロー、大人の科学マガジン、スイッチサイエンス、
株式会社ビート・クラフト、メカロボショップ
メディアスポンサー:アスキー・メディアワークス、技術評論社、CodeZine、RoboConマガジン