渋谷駅の新南口に隣接されている「ホテルメッツ渋谷」。
新南口は成田エクスプレスや湘南新宿ラインなどが通っているホームで、山手線などがある場所から4,5分のところにある。

そんな「ホテルメッツ渋谷」が今回のリブランディングで、「アートやグリーンを取り入れた、これまでにない客室のあり方」、「地域・社会との共生」をテーマに、ホテルの顔となるロビーラウンジの刷新と「プレミアムフロア」と位置づけられた13-14 階の客室(計34 室)をリニューアルした。また『ART BOX』というアーティストとのコラボレーションした部屋や『GREEN BOX』という緑あふれる部屋も登場。

それぞれの部屋を写真と共に紹介しよう。

【「ART BOX」Room 1401:岡崎能士】



アフロサムライ」で知られる岡崎能士は、現在構想段階であるオリジナルコミック「怨・念三郎(うらみねんざぶろう)」の予告編というコンセプトのもと、ビジュアルを豪快に壁に落とし込んだ。
巨大な漫画のようなコマ割りは、普段小さいものに見慣れているせいか今までにない感覚を味あわせてくれる。

【「ART BOX」Room 1402:YUTOONZ】




今井トゥーンズと白根ゆたんぽによるユニット、YUTOONZの部屋。
思い切った色彩の使い方が特徴的な右手の壁に目を奪われがちだが、その他の細かいペインティングにも注目したい。

【Room 1406:Art work by :KAZ



シンプルな色使いで構成されたKAZの部屋。普段景色や船を描く機会が多いというKAZは、今回も普段と変わらないいつものスタンスで筆を走らせたと言う。
ハチ公や渋谷駅周辺の見慣れたモチーフだが、何か実際の渋谷とは違う、KAZ独特の世界感が広がっている。

【Room 1405:Art work by :MHAK




2010年から自らのアートワークを活かした家具制作などにも積極的に取りかかっているMHAK。椅子も特注のファブリックで作られている。彼が訴えかける「アートが共存する生活空間」を垣間見ることができる空間に仕上がっている。


また、この部屋への宿泊者には特典として各部屋のアーティストのオリジナル手ぬぐい&ポストカードをプレゼントしている。こういったアメニティへも、ホテルでのアートプロジェクトならでは。

MHAK

YUTOONZ


「ART BOX」以外でも、ロビーや廊下、プレミアムルームなどにもsenseによるアートワークが描かれている。ロビーにはインターネットコーナーやライブラリーコーナーも新設された。


ホテルロビー

『GREEN BOX』は「日本の森づくりに還元する」をコンセプトにした客室。また客室内とホテルまでの移動(羽田〜渋谷間を想定)で消費すると想定されるエネルギーに対し、カーボンオフセットを実施するなどの試みを一般社団法人more treesとの連携で行っている。




大型チェーンのホテルでのこうした試みは目新しいものがある。デザインホテルなど限られた層ではなく、一般の利用者が気軽に宿泊できるという魅力だ。
また、立地も良いので外国人などに旅行の際はオススメしたい場所かもしれない。

実際に宿泊したらまた違った見え方ができるかもしれない。
予約はホテルのサイトからすることができるので気になる方はチェックしてほしい。


photo by Shinpei Yamamori & Yosuke Kurita
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※今回部屋を紹介してくれたKAZとMHAK。




Information

ホテルメッツ渋谷
http://www.hotelmets.jp/shibuya/renewal.htm

参加アーティスト

岡崎能士 (Takashi Okazaki)
1974年神奈川県生まれ。多摩美術大学彫刻科卒業。 
イラストをメインに、漫画、CDジャケットデザイン、オブジェ制作、ライヴペインティング等、さまざまなフィールドで活躍中。
代表作として、漫画「アフロサムライ」、映画「踊る大捜査線2-レインボーブリッジを封鎖せよ!」のマスコット「湾岸くん」デザイン、映画「サマーウォーズ」アバターデザイン、ロックバンド「RIZE」のCDジャケットデザイン等を手掛ける。
代表作の一つ、漫画「アフロサムライ」は1998年に自費出版したミニコミ誌で最初に発表されたが、
これを原作としたテレビアニメが大手ケーブルTVチャンネルのスパイクTVによって全米に放送され高視聴率のうちに成功した。映画『アフロサムライ:レザレクション』では、作品に惚れ込んだサミュエル・L・ジャクソンが、プロデュースを買って出たのみならず、ヴォイスアクターとして主演を務めている。

YUTOONZ (ユトゥーンズ)
今井トゥーンズと白根ゆたんぽによって2004年に結成。
プロジェクタ投影によるVJとライブペイントをミックスさせたパフォーマンスにて活動を開始。以降、映像制作、インスタレーションなど様々なスタイルで表現を行う合体変形ユニット。
2005年にはLavline.tvにて個展「YUTOONZ 1st.MIX」を開催。
digmeoutCAFE、CET2005、名古屋パルコ、大分パルコ、そのほか日本各地多数の会場にてイベントでライブペイントを行う。

KAZ (奥田和久)
1979年生まれ イラストレーター/アーティスト
2002年音楽関係を中心とした某グラフィックデザイン会社を退社後独立、イラスト、グラフィックデザインを軸にクリエイターとして活動を開始。イラストを中心にCDジャケット制作や企業の広告等を手がける傍ら、広告を中心としたグラフィックデザイン会社の専属イラストレーターを努める。
それらを経て、2005年よりアーティストとして活動を開始。
現在、アートとデザインを主軸とする senseseeds inc,でチーフデザイナー努める傍ら、ライブペイントや壁画、イラスト、似顔絵など、持てる術全てで、自分を表現し続けている。 

MHAK as MASAHIRO AKUTAGAWA
1981年福島県会津若松生まれ。 
1940-50年代のデザイナーズ家具や内装に多大な影響を受け、色彩豊かに曲線で構築し反復する独特なスタイルで主に ” 流れ ” を描く。
国内外での展示や内装壁画、企業やストリートウェアブランドを中心としたコラボレーションなどで常に新しい可能性を追求した作品を発表。

2007年に、アメリカ・ポートランドで自身初の個展を開催した事をきっかけに国外を軸とした活動を精力的に開始し、現在までに日本はもちろん、アメリカ(ニューヨーク、ロサンゼルス、ポートランド)、オーストラリア(メルボルン、シドニー)、アルゼンチン(ブエノスアイレス)で作品を発表するなど精力的に活動の幅を拡げ、2010年からは自身のアートワークを活かした家具制作での表現も並行して行っている。
MHAK含む3名のアーティストによる「MAD WALL PROJECT in 松戸」のCBCNETレポートはコチラ