カンヌ映画祭批評家週間・最優秀脚本賞受賞をはじめ、世界各地の映画祭で数々の受賞歴を持つブラジルの超新星エズミール・フィーリョ監督の最新作『名前のない少年、脚のない少女』が、2011 年2 月に渋谷アップリンクにて公開することが決定した。

インターネットにのめり込む思春期の少年を主人公に、10代特有の不安や哀しみ、反抗心や孤独を鮮やかに写し撮った本作は、短編映画で数々の賞を受賞したフィーリョ監督の長編デビュー作。南ブラジルのドイツ系移民の町を舞台に、誰もが体験したことのある思春期の不確かさを鮮やかに描きながら、劇中の登場人物が実在し、その人物が更新し続ける写真や映像をインターネットで見ることができるという面白い手法を用いている。

映画に登場する少女JJingleJangleにより、実際のインターネット上のyoutubeや写真を投稿し、映画と現実をリンクしている。
ブラジル映画祭でのセッションに登壇したエズミール監督は、JJingleJangleについて、「実際に存在し youtubeや写真の投稿をしているのを見て、バーチャルな世界に生きている彼女の世界観を映画の世界に反映させたいと思ったのが制作の第一歩になった」と映画制作のきっかけを語り、「JJingleJangleのyoutubeや写真は、今でも更新され続けている。他の作品と違って、映画を観て終わるのではなく、家に帰ってからも物語の中にもう一度アクセスできる」と今作の映画と現実が、インターネットによってリンクする実験的な取り組みについて語った。

公開は2011年2月、ぜひとも注目していただきたい作品の1つである。

映画の中に登場する映像



『名前のない少年、脚のない少女』海外版予告編






Information

『名前のない少年、脚のない少女』
(101 分 / ブラジル・フランス / ポルトガル語・ドイツ語 / 2009 年)


YOUTUBE JJingleJangle
http://www.youtube.com/user/JJingleJangle
flickr J. Jingle Jangle’s photostream
http://www.flickr.com/photos/uncolortv/
ブラジル映画祭2010
http://2010.cinemabrasil.info/

第62 回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門出品作品
第60 回ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus 長編部門出品作品

南ブラジルの小さな町に母親と二人で暮らす16 歳の少年。彼の夢はボブ・ディランのコンサートへ行くこと。学校にも家庭にも居場所を見つけられない少年は、現実から逃避するようにミスター・タンブリンマンというハンドルネームで日夜インターネットに耽溺している。ある日、彼はネット上で奇妙な動画と写真を見つける。そのどちらにも同じ神秘的な女性が写っていた…。

監督: エズミール・フィーリョ

ブラジル、サンパウロ生まれ。2004 年、FAAP 映画学校を卒業。以後、短編映画の監督として輝かしいキャリアを築く。短編『Alguma Coisa Assim(SomethingLike That)』は2006年カンヌ国際映画祭批評家週間で最優秀脚本賞を受賞。ビデオ作品『Tapa na Pantera (Slap the Panther)』はブラジルのYouTube にでこれまでに最も多く(一千万回以上)見られた作品と言われる。彼の最新の短編『Saliva (Saliva)』は2007 年のカンヌ映画祭批評家週間に選出され、シッチェス・カタロニア国際映画祭で短編作品グランプリを受賞。この『名前のない少年、脚のない少女』は彼にとって最初の長編作品となる。

脚本: エズミール・フィーリョ、イスマエル・ カネッペレ
出演: エンリケ・ラレー、イスマエル・カネッペレ、トゥアネ・ エジェルス、サムエル・ヘジナット 他

2011 年2 月、渋谷アップリンクほか、全国順次公開

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