( Roni Horn: White Dickinson –
NIGHT`S CAPACITY VARIES, BUT MORNING IS INEVITABLE-, 2007 )



一人の少女のポートレイト100点で構成された「You Are the Weather」や鳥の後頭部ばかりを撮影した『Bird』など、多様な写真表現やインスタレーション等で知られるニューヨークの女性アーティスト、ロニー・ホーン。

最近ではブレゲンツ現代美術館(オーストリア)で個展「Well and Truly」が開催され、昨年2月から今年6月にわたっては、ホーンの作品を通覧する展覧会「Roni Horn aka Roni Horn」がテート・ミュージアム(ロンドン)、ランベルト・コレクション(アヴィニョン)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)、ボストン現代美術館(ボストン)の4館で開催されるなど、国際的に活動している。

そんな彼女の立体作品とドローイングを日本で初めての展覧会「Roni Horn」がラットホールギャラリーにて2010年9月7日(火)より12月5日(日)まで開催される。

本展では、「White Dickinson」シリーズから4点の立体作品と、最新シリーズ「Else」からの1点を含む3点のドローイングを展示。「This is Me, This is You」(2008年)に続く、ラットホールギャラリーで2回目のホーンの展覧会なる。

参考資料:
http://www.hauserwirth.com/artists/14/roni-horn/biography/

以前の展示より
《This is Me, This is You》1998-2000, C print


Information

ロニ・ホーン
RONI HORN

7 SEP – 5 DEC 2010

RAT HOLE GALLERY
〒107-0062 東京都港区南青山5-5-3 B1F
5-5-3-B1 Minami Aoyama Minato-ku Tokyo 107-0062 JAPAN
TEL. +81-3-6419-3581 FAX. +81-3-6419-3583

開廊時間: 12:00-20:00 月曜休
Opening hours: 12:00-20:00 Cloesed on Mondays

※ 東京メトロ表参道駅A5出口、徒歩3分
* a 3 minute walk from Omotesando Station’s exit A5.

以下プレスリリースより抜粋:

本展の「White Dickinson」シリーズは、ホーンが非常に関心を持って接する文学および文学で使用される言語への考察とも言えるものです。これまでも彼女は、作品を通じて、著名な作家や詩人の言葉を引用し、作品に取り入れてきましたが、本展には19世紀アメリカの詩人エミリー・ディッキンソンの言葉を組み込んだ作品が展示されます。ディッキンソンはほとんど家を出ることなく、隠遁生活を送っていたにもかかわらず、その生涯にわたって何千もの手紙を友人や知人に宛てて書いています。長きにわたりこの詩人に魅せられてきたホーンは、その名高い手紙から引用したテキストを、ソリッドに鋳造された白いプラスチックの文字へと変容させ、直方体のアルミニウム棒に埋め込んでいます。ディッキンソンの言葉の断片をソリッドな物体へと物理的に変換することで、いかに言語に物質的な形態を付与することができるかと同時に、言語によっていかに観者を物質的な現実世界から想像世界へといざなうことができるかを、ホーンは探究しています。そのミニマルな立体作品は、観客に抽象的な意匠としての文字を見せると同時に、さらに言葉の特性である、意味を読解することを求めることで、言葉が持つ構造および包含する意味を強調しています。「見ることと読むことの交配、これらふたつの行為に挟まれる経験は、第三の要素としてのあなた(観者)とあわせてもうひとつの「対になること(pairing)」なのです。」とホーンは言います。「対になること」は、観者の記憶の経験を呼び起こすようにつくられた立体作品だけでなく、ホーンのドローイング作品や写真作品にも共通して現れています。

本展ではまた、3点のドローイングが展示されます。サイズや制作年は異なるものの(顔料ドローイングを制作し始めた1985年から新作「Else」まで)、これらのドローイングは、彼女が「plates」と呼ぶ、言葉や文字や記号が細かく描かれたふたつのドローイングをカットアップし、それらを慎重に貼り合わせることによって作られています。言語と物質を複雑に交差させながら、対になること、二重であること、または反復を通じたドローイングや立体作品は、われわれ観る者に視覚的、感情的、そして知的な経験をもたらすのです。