こんにちは。tadahiです。

先日、大阪に行ってきまして、毛利悠子さんの個展「サーキッツ」@adanda を見てきました。
展示会場のadandaはコーポ北加賀屋という恊働スタジオ内にあって、とてもおもしろい場所なのでその辺も含めご紹介します。

見取り図。
コーポ北加賀屋は、「もうひとつの社会を実践するための協働スタジオ」として、アート、オルタナティブ・メディア、アーカイブ、建築、地域研究、サークル、NPOなど、分野にとらわれない人々や組織が集まっている。


外観。
この辺りは工場地帯で、ここはももともと家具工場だったらしい。




楽しげな空間。。

2Fにはこんな広々としたスペースがあって、時々、ライブイベントなども行われている。

コーポ北加賀屋について更に詳しく知りたい方はこの辺を読んでみるといいかも。
北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想:コーポ北加賀屋
関西のFabLab? 制作工房(2) – コーポ北加賀屋


さて、ここからは毛利さんの展示のお話。

毛利悠子さんは、独自の機械構造によって展示空間を有機的かつユーモラスに構成するインスタレーションを国内外で精力的に発表しているアーティスト。
現在、3つの個展シリーズを敢行中。
この個展シリーズは、毛利さんがトーキョーワンダーサイトの二国間交流事業プログラムにてバルセロナで滞在制作した新作を展開させつつ発表していくというもの。
この大阪での個展「サーキッツ」の前に、恵比寿のwaitingroomでも個展「サークルズ」が行われていました。そして、シリーズ最後を締めくくる展示「サーカス」@東京都現代美術館ブルームバーグ・パヴィリオン(2012年5月19日~) が今後控えております。たのしみ。

毛利さんについて更に詳しく知りたい方は、バルセロナ滞在制作中に行われたメールインタビュー public-image.org もチェックしてみてほしい。


展示会場はこんな感じ。かわいらしい傘がクルクルまわっていたり、ハタキが怪しく動いていたり、スプーンがチーンと鳴ったり、電球が明滅したり、部屋の蛍光灯がついたり消えたり、巨大ロールがゆーっくり動いていたり、そのロールの方からキュルキュルと謎の音が聞こえてきたりなど、様々な現象が同時多発的に起こっております。



いろいろなオブジェクトや現象、動き、音が影響し合って、会場全体が動的に変化して行くという、終わりも始まりもない映像作品を見ているような、長い時間ぼーっと見ていられる作品。好奇心がたえない感じ。
ものが動いていると言っても、なんだか不思議な雰囲気を醸し出していて、怪しさとあいらしさの共存のような、独特の風情を感じました。


この方位磁石たちの動きが、周りの様々なオブジェクトの動きを司る一端を担っているそう。
方位磁石の動きは日によって微妙に変動するらしく、全体的に音の少ない(動きの少ない)日があったり多い日があったりするらしい。私が見た日は、全体的に活発な日だったようです。



この巨大ロールの動きが展示空間全体の明暗を司っているそうです。暗い時と明るい時で随分印象が変わります。


こちらは暗い時。1つのインスタレーションの中で昼と夜が存在しているような感じ。




これは、毛利さんがバルセロナの古本屋で偶然見つけた百科事典の中にあったイラストで、今回の3つの個展シリーズを紐解くキーになっている。
ある機械の構成要素を分解するイメージで展示を展開していくという発想をこのイラストから得たらしい。
前回と今回の個展「サークルズ」「サーキッツ」には、3つ目の個展「サーカス」を分解して展開するという意図があったのだそう。
果たして、「サーカス」はどんな感じになるのでしょうか。気になります。


奥にいらっしゃるのが毛利悠子さん。とっても元気で明るく、生命力あふれる方です。。

ということで、次回個展「サーカス」は5月19日(土)からです!
こちらも乞うご期待!


◎個展「サーキッツ」
日時 4月8日(日)〜 4月30日(月)
場所 adanda(大阪・西加賀屋)http://www.adanda.jp/
料金 無料

◎個展「サーカス」
日時 5月19日(土)〜 6月17日(日)
場所 東京都現代美術館ブルームバーグ・パヴィリオン http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/125/2
料金 無料

Profile
毛利悠子
1980年生まれ。美術家。
独特な機械構造を用いて展示環境全体を有機的かつユーモラスに構成するインスタレーションを制作。大学在籍時よりエリック・サティの作曲作品をモチーフにして環境音をピアノの楽曲として再生成する「Vexations」(2006、三原聡一郎との共作)を国内外で発表。「Vexations」では「トランスメディアーレ2006銀賞」、「アルス・エレクトロニカ2006インタラクティヴ・アート部門ホノラリー・メンション」受賞。2010年には3ヶ月連続で個展を開催、新作インスタレーションを発表。2009年からは音楽家・大友良英のプロジェクト「アンサンブルズ」にも美術家として参加している。
http://mohrizm.net/