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美術家・佐藤万絵子の大規模な個展「机の下でラブレター(ポストを焦がれて)」がアサヒ・アートスクエアにて1月9日より開催される。

本展は、アサヒ・アートスクエアを今までにない空間に変容する、自由で大胆な発想から生まれる作品や企画を公募する「オープン・スクエア・プロジェクト」の一環で行われるもの。今回が4回目であり最後の開催となる。またアサヒ・アートスクエアも事業開始から10年を経て、2016年3月末をもって閉館となることが決まっている。

佐藤万絵子は、「VOCA展2004現代美術の展望−新しい平面の作家たち」(2004年)への出品をはじめ、関東を中心に精力的に作品発表を行う美術家。絵画制作によって生じる「絵のなか」と「絵のそと」の境界を行き来した痕跡を風景として残す試みとして、主に紙を支持体にオイルスティックなどを使用した会場制作・インスタレーション作品を展開している。

武蔵野美術大学在学中、現在につながる制作を始めた佐藤は、今年で作家活動19年目を迎える。本展では、これまでに制作したドローイング作品を組み合わせたインスタレーションを披露。また、近年の佐藤が着目する「机」という空間に沿って制作した新作インスタレーション、参加希望者の記憶を佐藤が造形化した袋型の小品も登場する。過去最大規模となるミッドキャリア・レトロスペクティブに、ぜひご注目いただきたい。

なお、会期は[第一期]と[第二期]に分かれており、1月9日[土]〜1月22日[金]までの第一期は新作インスタレーションの制作過程を、1月23日[土]〜1月30日[土]の第二期は、完成した状態の空間を鑑賞できる。絵の内側に潜るような触知的な体験を重視する佐藤にとって、空間が変化していくプロセスは重要な要素だ。日々変容していく佐藤の絵画世界を、ぜひ体験してみてほしい。

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in the picture / out of the picture 絵のなか / 絵のそと
制作年:2004年/展示場所:art space kimura ASK?(東京)/作品サイズ:562×800×275cm(会場サイズ)/素材:和紙、オイルスティック、オイルパステル、スライドプロジェクター/撮影:柳場大


Information

アサヒ・アートスクエア オープン・スクエア・プロジェクト2015
佐藤万絵子展 “机の下でラブレター(ポストを焦がれて)”

http://maekosato.com/exhibition/
http://asahiartsquare.org/ja/

会期:
2016年1月9日[土]〜1月30日[土]

時間:
第一期
1月9日[土]〜1月22日[金]18:00-21:00
*制作過程をご覧いただけます(基本的に作家は不在です)。
*休館日:13日[水]〜15日[金]

第二期
1月23日[土]〜1月30日[土]11:00-19:00
*21:00まで開館:23日[土]、24日[日]、29日[金]、30日[土]

料金:
500円(パスポートチケット)
*会期中再入場可

会場:
アサヒ・アートスクエア
[東京都墨田区吾妻橋1-23-1 スーパードライホール4F]

アクセス:
東京メトロ銀座線「浅草駅」4、5番出口より徒歩5分
都営地下鉄浅草線「浅草駅」A5番出口より徒歩10分
「本所吾妻橋駅」A3出口より徒歩6分
東武線「浅草駅」より徒歩6分

主催:
アサヒ・アートスクエア

協賛:
アサヒビール株式会社、ユポ・コーポレーション

協力:
紙工房 堂地堂

特別協力:
株式会社 東京スタデオ CAS

Profile

佐藤万絵子(美術家) Maeko Sato
1975年秋田県生まれ。2000年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。絵画制作によって生じる「絵のなか」と「絵のそと」の境界を行き来した痕跡を風景として残す試みとして、主に紙を支持体にオイルスティックなどを使用した会場制作・インスタレーション作品を展開。同時に、1996年から始めた紙袋を支持体とした制作を、その「測り」として継続し、随時発表する。主なグループ展に2013年「ダイチュウショー 最近の抽象」府中市美術館市民ギャラリー(東京)、2012年「館林ジャンクション」群馬県立館林美術館(群馬)、2009年・2011年「所沢ビエンナーレ美術展−引込線−」西武鉄道旧所沢車両工場等(埼玉)、2004年「VOCA展2004現代美術の展望−新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)、個展に2010年「防具をはずす(虹を受けとめるために)」(「四式」企画:OJUN)遊工房アートスペース(東京)、2008年「受けとめるもの-Catchers」(企画:吉崎和彦)LOOP HOLE(東京)、2004年「in the picture / out of the picture 絵のなか / 絵のそと」武蔵野美術大学αMプロジェクトvol.6(企画:児島やよい)、art space kimura ASK?(東京)など多数。