2045
「音楽を学習した人工知能は、人間を感動させることができるか? ネットワークを介して世界中のありとあらゆる音楽に自由にアクセスできるようになったとき、DJやVJといった表現はどう変わるのか?」というテーマのもとアーティスト・プログラマの真鍋大度と、プログラマ・DJの徳井直生がオーガナイズするイベント「2045」の第二弾が2015年4月3日(金)、青山・idolにて開催される。

2月に開催された第一回の「2045」では真鍋と徳井はそれぞれ人工知能を使って選曲するアルゴリズムDJを開発。専用iPhone用アプリを開発し、オーディエンスのiTunesプレイリストデータを収集したり、オーディエンスがDJに「いいね!」や「ブーイング」などの反応を送ったり、加速度センサーの値で盛り上がりを測定するなどの機能を付け、選曲にフィードバックさせるなどの試みを行った。

第二弾となる今回はゲストに音楽家でありサウンドアートの領域でも活躍するアーティスト、evalaが出演。ELEVENPLAY、Perfume、YourCosmosなどのプロジェクトで書き下ろしたアルバム未発表のダンストラックによる2045スペシャルセットをプレイ予定だという。レジデントDJは真鍋大度、徳井直生、Setsuya Kurotaki、今回も新たな取り組みに挑戦する。

音楽とテクノロジーの未来を、実践を通して考える一夜。ぜひ楽しみにしたいイベントだ。

「2045」に寄せて

来る西暦2045年、コンピューター・テクノロジーが完全に人間を超える「シンギュラリティ」が起こると言われています。すでに現在、人間の行動は膨大なデータとなって可視化され、コンピュータによる自動化が人間の仕事を奪い、人工知能が人間の「考える」領域を侵食しつつあります。

「音楽」はどうでしょう。1962年にコンピュータが「デイジー・ベル」を歌ってから半世紀。コンピュータが歌う曲がヒットチャートをにぎわし、すでに故人となったシンガーがテクノロジーの力を借りて新曲をリリースすることもまれではなくなりました。これまでに生まれた膨大な音楽たちはそのつくり手を離れてデータとなり、音楽家が込めた意味を剥ぎ取られた記号となってあまねく存在しています。今後、音楽という表現形態はどうかわっていくのでしょうか。もしも世界中の人のiTunesやSpotify、Soundcloudのプレイリストのデータからポピュラーな曲を抽出できたら、DJやセレクターは不要になるかもしれません。人工知能が人間の「表現する」領域をも浸食していくのでしょうか。

「2045」は、音楽とテクノロジーの未来を実践を通して考えようとする試みです。音楽を学習した人工知能は、人間を感動させることができるか? ネットワークを介して世界中のありとあらゆる音楽に自由にアクセスできるようになったとき、DJやVJといった表現はどう変わるのか? オーガナイズは、テクノロジーと音楽の関係を追求するアーティスト・プログラマの真鍋大度と、プログラマ・DJの徳井直生。青山 idolを会場に、DJ、ライヴ、VJなどのパフォーマンスを繰り広げます。


Information

2045
日時:2015年4月3日(金)20:00 open/start
料金:一般2,000円、学割1,000円(ドリンク別)
会場:idol(東京都港区南青山5-11-9 B1F)
http://idoltokyo.com/

DJ:Daito Manabe, Nao Tokui, Setsuya Kurotaki
Guest: evala
VJ:浦川通(Qosmo),花井裕也(Rhizomatiks) more(TBA)