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11月9日より、東京芸術劇場をはじめ池袋エリアに集積する文化拠点を中心に、日本最大の舞台芸術のフェスティバル『フェスティバル/トーキョー(F/T)』が開催される。

F/Tは、2009年2月に誕生し、過去5度にわたって開催され、104作品、780公演、26万人を超す観客/参加者を集めている。
国内外から集結した先鋭的なラインナップとフェスティバルならではの参加型プログラムで大きな話題を集め、東京、日本、そしてアジアを代表する国際舞台芸術祭として毎年開催されている。

今回のF/Tでは、「物語を旅する」というテーマのもと、時代と空間を超えて様々な物語と出会い直していく。遠い歴史から未来のフィクションまで、個人の小さな物語から壮大な神話まで、人間の想像力が生み出した多様な物語を縦横無尽に巡る旅を経て、私たちはいかに、私たち自身の物語を語り、未来に向けて更新することができるのか、といった事をフェスティバルを通して考えていく。

11月9日のオープニング・イベントでは、F/T13の開幕を観客と共に盛り上げる企画が多数予定されている。

今回のテーマ「物語を旅する」に応答するスペシャルプログラムとして、いとうせいこう×宮沢章夫によるリーディングライブや、椿昇による巨大オブジェのお披露目イベント、トークなどが行われる。
また、フラッシュモブの手法を使った一般参加型の群衆パフォーマンス「F/Tモブ・スペシャル」も予定されており、オープニング・イベントには、近藤良平(コンドルズ)、三浦康嗣(□□□(クチロロ))他、F/Tモブ参加アーティスト全員が集結する。
その他、シアタースタジオ・インドネシアの公演に合わせたアジア料理の屋台村も登場するなど、池袋西口公園周辺がさまざまなイベントで彩られる。

また各種オープン・プログラムの詳細は特設サイトにまとめられている。


プロモーションビデオ



注目のプログラム

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『帰って来たDr.N』(C)The Japan Foundation/ Photo: Keizo Kioku


F/T13イェリネク連続上演『光のない。(プロローグ?)』
作:エルフリーデ・イェリネク [ オーストリア ]演出・美術:小沢 剛 [ 日本 ]

3.11後の世界に向き合う問題作として、F/T12でも上演され、大きな反響を呼んだ、エルフリーデ・イェリネクの『光のない。』シリーズ。その最新作『光のない。(プロローグ?)』の演出に、現代美術家の小沢剛が挑む。観客は、絵画、インスタレーション、映像など、イェリネクのテキストをモチーフに構成された「展覧会」を体験する。

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遊園地再生事業団『ジャパニーズ・スリーピング/世界でいちばん眠い場所』(C) Nobuhiko Hikiji


F/T13イェリネク連続上演『光のない。(プロローグ?)』
作:エルフリーデ・イェリネク [ オーストリア ]演出:宮沢章夫 [ 日本 ]

遊園地再生事業団の宮沢章夫が取り組む「光のない。(プロローグ?)」にも注目だ。近年は主に現代都市と言語、身体の関係に取り組んできた宮沢。本作では、能の形式を媒介に、「起こったこと」(過去)と「それを語ること」(現在)の関係を検証する場をつくる。

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(c)Tsukasa Aoki


『現在地』チェルフィッチュ / 作・演出:岡田利規[ 日本 ]
現代日本の若者の心理を、鋭敏かつ繊細な言語、身体感覚を持って切り取ってきたチェルフィッチュの岡田利規。昨年はドイツの劇場・HAUの企画で、廃墟となった原子力発電所を描くガイドツアー形式の作品を発表するなど、国際的にも注目を集める岡田の、3.11後の第一作となった作品を東京初上演する。

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(c)Sandra Teth


『100%トーキョー』
作・構成:リミニ・プロトコル(ヘルガルド・ハウグ、シュテファン・ケーギ、ダニエル・ヴェッツェル) [ドイツ] 演出:ダニエル・ヴェッツェル [ドイツ]

実在の人物や事象を取りあげるドキュメンタリーの手法を用い、現代社会とそこに生きる個人の姿を鮮やかに切り取るリミニ・プロトコル。4年ぶりの東京でのクリエーションとなる本作は、東京の人口統計に基づいて集められた100人の市民への、ライブ意識調査演劇。

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(c)Masahiro Hasunuma


『東京へテロトピア』
Port B / 構成・演出:高山 明 [ 日本 ]

3.11後の現実に向き合った近作『Referendumー国民投票プロジェクト』(F/T11)、『光のないII』(F/T12)が、ウィーン芸術週間でも上演され、話題を集めたPort B。その最新作は、アジアからの留学生たちの痕跡を歩く「旅」の演劇。参加者はガイドブックと携帯ラジオを手に、レストランや公園などさまざまな公共空間を思い思いに訪れ、未知のアジア、そして「現実の中の異郷=ヘテロトピア」としての東京に出会っていく。

他にも、たくさんの注目作品やイベントが予定されているので、詳細は公式ページでチェックしてほしい。

Information

フェスティバル/トーキョー13
http://festival-tokyo.jp/
フェスティバル/トーキョー13 オープン・プログラム

会期:平成25(2013)年11月9日(土) – 12月8日(日)
会場:東京芸術劇場、あうるすぽっと、にしすがも創造舎、シアターグリーン、アサヒ・アートスクエア ほか

プログラム:
F/T 主催プログラム 15演目、1企画
F/T 公募プログラム 9演目
F/T オープン・プログラム 4プログラム
F/T 連携プログラム 6プログラム

主催:フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京都/豊島区/アーツカウンシル東京・東京文化発信プロジェクト室・東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/公益財団法人としま未来文化財団/NPO法人アートネットワーク・ジャパン