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CBCNETブログでもおなじみ yang02 の初個展が7月20日より、山梨県にある中村キース ・ ヘリング美術館にて開催される。

yang02 はこれまでに、音としてのタギングを試みた作品「Sound Tag」(2008) をはじめ、GPS ドローイングの手法を用い、グラフィティにおける身体性と言語を伴った都市での行為という側面をダイナミックに抽出した作品「The Invisible Bombing」 (2008)、 それを発展させ、 都市を移動しその軌 跡から形作られたフォントと、 移動中に記録したデータを素材としたインスタ レーションからなる作品 「Urbanized Typeface」 (2009-2010) など、デジタルメディアを基盤に、様々な切り口でストリートアートの文脈を再考する作品を制作してきた。

「ぼくは線を描く (drawing) という触覚的な感覚がとても面白いと思っていたんだ。 それはコンピューターで線を描くのとは全く違う。 この [ コンピューター上での ] 画像と、 描くという行為の置換えは、 『描く人 (drawer)』 が解決しなければならない新たな問題となるだろう。」 – キース ・ ヘリング 1986 年


1980 年代、キース ・ ヘリングはデジタル技術が到来する世界を予期し、未来におけるドローイングについてこのように予感していた。

本展では、yang02 の活動の中から、主にドローイングにまつわる ※3 部作《〈落書き〉 のための装置》 (2010-2011) 、 《SENSELES DRAWING BOT》 (2011)、 《SENSELESS DRAWING BOT #2》 (2012)が展示される。

また、今回のために制作された新作は、ブラックライトで浮かび上がるマーカーを用いたドローイング装置となり、 yang02 とヘリングの時空を超えたドローイングの共演が、長さ約 30m の壁面に展開される。

その他、 2012 年ブルックリン美術館で開催された 『Keith Haring:1978-1982』 展でも話題となった、 キース・ヘリングによる描くという行為の思索的なビデオ作品 「Painting Myself into a Corner」 (1979) も日本初上映される。

「人間のイマジネーションはコンピューターでプログラムされるものじゃない。 ぼくたちのイマジネーションは、 人間が生きていくための最大の希望なんだ。」 – キース・ヘリング1983年


一見対照的な yang02 とヘリングの作品だが、見比べてみる事で、両作品の新たな側面を発見できるのではないだろうか。
ぜひ、お見逃しなく!

※3部作の展示はドローイングと装置、アーカイブ映像のディスプレイ展示のみで会期中動作はしません

参考リンク:



SENSELESS DRAWING BOT #2 from yang02 on Vimeo.


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yang02 / 《〈落書き〉 のための装置》 (2010-2011) , インスタレーション


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yang02+菅野創/ 《SENSELES DRAWING BOT》 (2011), インスタレーション


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キース ・ へリング/ 《Painting Myself into a Corner》 (1979), ビデオ , 33min


Information

中村キース ・ ヘリング美術館 キュレーターズ・セレクション
yang02 : untitled 2

http://www.nakamura-haring.com/

会期 : 2013 年 7 月 20 日 ( 土 )―10 月 20 日 ( 日 )
会場 : 中村キース ・ ヘリング美術館
住所 :〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町 10249-7
アクセス : 「小淵沢」 I.C. から現地まで車で約 6 分 / JR 小淵沢駅より八ヶ岳高原 リゾートバスで約 13 分。
開館時間 : 10:00―17:00
休館日 : 2013 年 1 月 8 日 ( 火 )〜3 月 15 日 ( 金 ) 会期中無休
入館料:一般 1,000円 / 大学生・シニア 800円 / 小中高生 600円
機材協力 : 多摩美術大学 メディア芸術コース
塗料提供 : シンロイヒ株式会社
フライヤーデザイン:TYMOTE

Profile

yang02
2009 年多摩美術大学大 学院デザイン専攻情報デザイン研究領域修了。身体性の伴った文字表現や、公共性などを主なキーワードに、 デジタルメディアを基板とした研究/制作活動を行う。
http://yang02.org/