RAMの一環として制作されたインスタレーションで
デモンストレーションを行う安藤洋子(2011年)
山口情報芸術センター[YCAM]にて、ダンス創作のためのツールを研究開発するプロジェクト「Reactor for Awareness in Motion(リアクター・フォー・アウェアネス・イン・モーション/略称:RAM)」の最新成果を紹介するプレゼンテーションが2月23日に行われる。
このプロジェクトでは、ダンスとメディアテクノロジーの新たな可能性を模索することを目的に、ザ・フォーサイス・カンパニーの中心的ダンサーである安藤洋子と、日米で活躍するソフトウェア開発者たちとともに、ダンス創作のためのツールの研究開発を行っている。
ダンスを予め決められた振付や演出から生まれるものではなく、身体と舞台上の空間などの〈環境〉との対話から発生するものと捉えたとき、その環境ごとに、さらには身体の位置づけごとに異なるダンスが立ち上がるはず――。
RAMではそうした考えのもと、ある条件を持った〈環境〉を仮想的に設定し、その内部にいるダンサーの身体に、環境の情報をフィードバックするツールを開発している。ダンサーは、このツールを介して、ダンスを生み出すための多様な「ルール」や「インストラクション」を自ずと見出すことができる。
開発中のツールでは、モーションキャプチャーなどのテクノロジーを使用してダンサーの動きを検出し、それに対する環境からの応答を、ビジュアルやサウンド、振動などに変換する。なお、このツールは開発終了後に「RAM Dance Toolkit」としてパッケージングをおこない、マニュアルとともにオープンソースで公開される予定だという。今後、この他にこのツールを用いた教育普及プログラムも展開される予定だ。
今回は2年間に渡る研究開発の締めくくりとして、その成果を報告するプレゼンテーションとなる。
プレゼンターは、YCAM InterLab、安藤洋子、比嘉了、大西義人。
RAMの背景にある身体やダンスについての思想を解説するとともに、思想をツールにしていく制作プロセスを振り返る。
また、ツールで使用されているモーションキャプチャーやセンサー、ソフトウェアなどの技術面の解説のほか、安藤と同じくザ・フォーサイス・カンパニーで活躍するダンサーのシリル・バルディによるデモンストレーションもおこなわれる。
Yoko Ando + YCAM InterLab “Reactor for Awareness in Motion” promotional video from YCAM on Vimeo.
Information
YCAM InterLab+安藤洋子 共同研究開発プロジェクト「Reactor for Awareness in Motion」プレゼンテーション
http://www.ycam.jp/performingarts/2013/02/ram-presentation.html
日時:2013年2月23日(土)14:00-16:00
会場:山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
料金:1,000円 ※要チケット購入
※未就学児童入場不可
プレゼンター:YCAM InterLab、安藤洋子、比嘉了、大西義人
デモンストレーション・ダンサー:シリル・バルディ
主催:公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市、山口市教育委員会
平成24年度文化庁優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
特別協力:ドイツ文化センター
機材協力:株式会社ナックイメージテクノロジー、Motion Analysis Corporation、カラーキネティクス・ジャパン株式会社
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]