野沢裕と真部知胤の2人展『SLASH/07 -できるだけ遠くをみろ-』が秋葉原3331内nap galleryにて4月7日より行われる。

本企画『SLASH』では、単に2人のアーティストを並べて展示するだけではなく、事前に幾度となくミーティングを重ね、お互いのイメージや意識を深く理解するところから始めていく。その上で、それでは作品を通して、自分たちは社会にいったい何を提示できるのか、何がおもしろいのか、何が可能であるのかを話し合い、展示プランを決定する。
個人で完結するのではなく、また勝ち負けではないところで、それぞれの思想が交わること、そこから生まれる想像力の多様性を信じて探っていく。

第7回目となる『SLASH/07 -できるだけ遠くをみろ-』では、野沢裕と真部知胤の2人展を開催。

野沢裕は、2011年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了し、「KOSHIKI ART PROJECT」や「小豆島AIRアートプロジェクト」、「国際交流基金ニューデリー日本文化センター」などで数多くのレジデンス・プログラムに参加し、国内外で発表を続けている。外出先や普段の生活の中で、無意識に反応した景色や注意が向いた物、現象を写真やビデオに保存し、その場所にあった素材や、風景を再現するための道具を組み合わせインスタレーションにする。

真部知胤は、2009年に多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了し、ギャラリーでの個展や自身のアトリエにて作品を発表。河原で拾った石の中心部や、壁の向こう側に向かってひたすら粘土を押し続けた作品など、彫刻の構造をそのまま露呈させるような制作テーマからさらに進み、今回はより身近な素材を取り入れ、広告チラシで縄文土器を編んだ新作と、集めた埃を素材にして最古の土偶を模した彫刻作品を発表する。

カール・ユングの提唱した「シンクロニシティ」とは、単純な因果関係によるシンクロではなく、外部のものと自分の無意識とが呼応し起こる非因果的連関の原理のこと。タイトルの『できるだけ遠くをみろ』とは、例えば、民芸・工芸など技術として継承される精神性と、洞窟壁画などの芸術の起源、あるいは、モロッコの広大な砂漠と、自分の部屋の窓から見える風景など、一見脈絡がなく曖昧で無関係である、と片付けてしまいがちなものに類似性や意味を見いだし、調和をはかることを目指す。

是非とも足をお運び頂きたい。

野沢裕 | Opening the Curtain, installation view, 2011

真部知胤 | 無題, resizable, industrial clay, stone, 2010

Information

SLASH / 07『できるだけ遠くをみろ』
http://www.kayokoyuki.com/ja/slash07/index.html

アーティスト: 野沢裕 Yutaka Nozawa / 真部知胤 Tomotsugu Manabe
会期: 2012年4月7日(土)ー29日(日)水曜日ー日曜日 12:00ー19:00
4月7日(土)18:00ー20:00 オープニングレセプション
休廊日: 月、火
会場:nap gallery(東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 209)
企画:KAYOKOYUKI
デザインワーク:CRAFTIVE

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KAYOKOYUKI
www.kayokoyuki.com