キュレーター・四方幸子氏による新たなトークシリーズ「サロン・エコゾフィー」が始動。初回はアーティストのマルコ・ペリハンをゲストに4月9日、飯田橋・文明にて行われる。

「サロン・エコゾフィー」は、世界の未来に向けて先験的なヴィジョンのもとに実践を開始している方々を招き、ともに考え語る場として、<とある日とある場> に出現する。

「エコゾフィー」とは、エコロジーとフィロソフィーによる造語。思想家・フェリックス・ガタリが80年代に提唱した概念で、「環境(エコロジー)」が精神・社会・自然を含むものと見なされている。「サロン・エコゾフィー」は、情報ネットワークが地球規模で張り巡らされた21世紀においてその言葉をあらためて受けとめ、情報環境を介して精神・社会・自然環境がつながっていく世界の新たなランドスケープを探索する。

第一回目のゲスト、マルコ・ペリハン(スロヴェニア/米国)はテレコミュニケーションや自然環境のリサーチを通して、アートと科学、社会を結びつけるプロジェクトを展開し国際的な注目を浴びるアーティスト。今回のトークでは、ペリハンの多岐にわたる活動の中でも現在最も重要なものとして位置づけられる「API(北極パースペクティヴ・イニシアティヴ)」のコンセプトや活動、未来の展望について語る。

APIは、極地圏に暮らすさまざまな人々のためにオープン・オーサリングやコミュニケーションのインフラを創造することを目的にペリハンとマシュー・ビーダーマンにより設立された超国家的な非営利のグループ。彼らは現地の人々と共同で、オープンソース技術を応用したシステムの紹介や、伝統文化と科学技術を結びつけるサステイナブルなシステムの提案など、広義の社会活動を展開している。APIのパースペクティヴは、歴史的には多様な原住民が移動し、現在はカナダや北欧、ロシアなどの国々に分断された「極地圏」というトポスを、文化・政治・経済・社会・環境というさまざまな側面から情報技術を通して照射していく批評的かつ実践的なものといえる。

今回のトークでは特に、アーティスト、ハンター、科学者、戦略的メディアワーカーや地図作製者や無線傍受活動などによる南極・北極地域のリサーチ(無人航空システム、SiNuNi市民科学ネットワークによるランドマッピングなど)を紹介する。

当日はustreamも行われるので、現地に行けない方も是非チェックしてみてほしい。

ハッキングした衛星のKa帯(20~30GHz)のインターネットコネクションを操作するマルコ・ペリハン カナダ・ヌナブト準州(少数民族の自治州)、マニトック島(2010)

Information

サロン・エコゾフィー #1 マルコ・ペリハン 「UNMANNED POLES – HUMAN LANDSCAPES – ELECTROMAGNETIC TERRITORIES(無人の極地圏 – ヒューマン・ランドスケープ – 電磁波のテリトリー)」
http://bun-mei.org/press/salon-ecosophy1.html

2012年4月9日(月)19:00-21:00
飯田橋 文明 http://bun-mei.org/
料金:ドネーション制
USTREAM:http://www.ustream.tv/channel/salon-ecosophy

ホスト:四方幸子/サロン・エコゾフィー
ゲスト:マルコ・ペリハン
通訳:デヴィッド・ディヒーリ(英日)
協力:飯田橋 文明