©トーチカ

文化庁メディア芸術祭15周年を記念した企画展「MEDIA GEIJUTSU – Flow & Bright -」が表参道のファッション複合ビル、GYRE(ジャイル)にて開催される。
CG-ARTS協会の企画によって、メディア芸術祭の歴代の大賞受賞者らが参加する。

展覧会は2部構成となっており、会期が分かれている。
まず1月25日から2月7日までの第1部では”Flow”をテーマに、磁性流体や非線形構造をベースとして、アート表現におけるダイナミズムを追究する2人の女性メディア・アーティスト、児玉幸子、木本圭子が参加。新素材や独自のプログラミングを用いつつ、有機的かつ生物的なダイナミクスを表現する作品を紹介する。

2月10日から2月26日までの第2部では”Bright”がテーマ。相反するエレメントである光と影が作品成立の契機となり、影あるいは光が様々なイメージを描き出し、見る者に対するインタラクションを引き起こす作品を紹介。
参加作家は、近森基++久納鏡子(plaplax)、クワクボリョウタ、トーチカという近年の活躍が目覚ましい3組のアーティストが選ばれている。

メディア芸術祭のアート部門は海外からの応募数が特に多いので、日本人の大賞受賞者は限られている。
日本が誇る高い機能性を文化的な価値に転換し、新しいスタイルとして世界に提案してきた作品群を是非、お楽しみ頂きたい。

木本圭子《Imaginary・Numbers》

近森基++久納鏡子(plaplax) 《Tool’s Life》シリーズ

Information

MEDIA GEIJUTSU – Flow & Bright –
http://dep-art-ure.jp/?p=4560

会期:[ Flow ] 2012年 1月25日(水)〜 2月7日(火)
   [Bright] 2012年 2月10日(金)〜 2月26日(日) ※2月20日休館
時間:11時~20時
*オープニング: 2012年 1月25日(水) 19時~21時

会場: EYE OF GYRE/GYRE 3F 東京都渋谷区神宮前5-10-1
主催:GYRE
企画:CG-ARTS協会
空間構成:JTQ 谷川じゅんじ
協力:HiRAO INC

MEDIA GEIJUTSU [Flow]
会期 : 2012年 1月25日(水)〜 2月 7日(火)
出展作品(予定):
児玉幸子《モルフォタワー》
木本圭子《Imaginary・Numbers》《多義の森》《dimension rendez-vous》

MEDIA GEIJUTSU [Bright]
会期 : 2012年 2月10日(金)〜 2月26日(日)
出展作品(予定):
近森基++久納鏡子(plaplax) 《Tool’s Life》シリーズ
クワクボリョウタ 《いち、に、たくさん》(GYREバージョン)
トーチカ 《Green Fairy》他


Profile

児玉幸子/Sachiko KODAMA
1970年生まれ。北海道大学理学部を卒業後、筑波大学芸術研究科修了、同大学芸術学研究科修了。博士(芸術学)。2000年より磁性流体のアートプロジェクトを開始。磁力によって生き物のように形と質感が変容する「ダイナミックスカルプチャー」の技法を考案し、独特な照明効果で磁性流体を風景の一部のように見立てた作品群を発表。「突き出す、流れる」は、第5回文化庁メディア芸術祭デジタルアート[インタラクティブ]部門大賞、第16回デジタルコンテンツグランプリアート部門最優秀賞受賞。現在、電気通信大学准教授。
公式サイト http://www.kodama.hc.uec.ac.jp/

木本圭子/Keiko KIMOTO
1958年生まれ、広島市出身。多摩美術大学テキスタイルデザイン科卒業。非線形構造をベースにしたオリジナルプログラムによる映像を制作。2003年『Imaginary・Numbers』(工作舎)出版。2006年4月ミラノサローネ・レクサス館にて映像インスタレーション。2006年、第10回文化庁メディア芸術祭アート部門大賞受賞。現在、FIRST 合原最先端複雑数理モデルプロジェクト所属。
公式サイト http://www.kimoto-k.com/

近森基++久納鏡子(plaplax)/Motoshi CHIKAMORI ++ Kyoko KUNOH(plaplax)
主にインタラクティブアート分野における作品制作を手がける。作品制作で培った技術やセンスを活かし、公共空間、商業スペースやイベント等での空間演出や装置・コンテンツ制作、プロダクトデザイン、大学と共同での技術開発など幅広く活動している。《KAGE》で第1回文化庁メディア芸術祭デジタルアート[インタラクティブ]部門大賞受賞。
公式サイト http://www.plaplax.com/

クワクボリョウタ/Ryota KUWAKUBO
1971年栃木県生まれ。98年に明和電機との共作《ビットマン》を発表して以来、エレクトロニクスを使用したメディアアート作品を国内外で発表。アナログとデジタル、人間と機械、情報の送り手と受け手など、様々な境界線上で生じる関係性を、制作のテーマにしている。2007年、第7回文化庁メディア芸術祭アート部門大賞、第14回アート部門優秀賞受賞。
公式サイト http://www.vector-scan.com/

トーチカ/Tochka
ナガタタケシとモンノカヅエによるクリエイティブユニット。デジタルカメラによる長時間露出とコマ撮りアニメーションの手法を融合し、空中にペンライトの光で絵を描くことでアニメーションを作るという画期的な作風「PiKAPiKA」を編み出す。実験的手法を用いた作風のアニメーションから、 グラフィック・デザイン、イラストに至るまで、様々な分野で幅広く活躍している。2006年オタワ国際アニメーション映画祭特別賞受賞、第10回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞、そのほか国内外での作品発表・ワークショップ等多数。
公式サイト http://tochka.jp/