千葉県柏市のアートプロジェクト「アートラインかしわ2011」の一事業として、パフォーマンスイベント《YOU-+》が、11月12日千葉県柏市「island ATRIUM」にて開催される。

本イベントは伊東篤宏橋本匠松本祐一山川冬樹の4人のアーティストによって構成されるイベント。

「YOU-+(ユビキタス)」とは、パフォーマンスというジャンルの特性を、一般的な「ユビキタス」概念と対比して表現した造語。小型かつ高度化された携帯端末、ソーシャルネットワークサービスの隆盛、電子マネーやGPS技術、現在の高度情報化・ハイテク社会は「ユビキタス社会」と呼ばれ、その技術は目に見えないところから「いつでも、どこでも、だれでも」に恩恵を授ける。

「このような時代において」パフォーマンスイベントを開催することの意義を探り、かたちにしていく。パフォーマーにとってコミュニケーションの対象は、現場の「実際に見える範囲」にしか存在しないという点で常に「you・二人称」だ。「-+」とは、(あなたから)何かを「もらう/与える」というパフォーマンスにおける双方向的なコミュニケーションを表している。

本イベントの他にも、「アートラインかしわ2011」では、面白そうなプロジェクトがたくさん行われるので、他の催しも合わせてお楽しみ頂きたい。

Information

「アートラインかしわ2011」
平成23年度摘水軒記念文化振興財団助成事業
YOU-+(ユビキタス)
http://d.hatena.ne.jp/youbikitasu2011/

日時:11月12日(土) 18:00-20:00
会場:island ATRIUM
〒277-0024 千葉県柏市若葉町3-3
入場料:無料
定員:250名程度(先着順)

アーティスト:
伊東篤宏、橋本匠、松本祐一、山川冬樹

問合せ:
《YOU-+》実行委員会・広報担当(清水)
youbikitasu2011[at]gmail.com

Profile

伊東 篤宏 / ITO Atsuhiro

1965年生まれ。美術家、OPTRONプレーヤー。
98年に蛍光灯の放電ノイズを拾って出力する「音具」、OPTRONを制作、命名。展覧会会場などでライヴを開始する。2000年以降、国内外の展覧会(個展、グループ展等)、音楽フェスティバルなどからの招集を受け、世界各国で展示とライヴ・パフォーマンスをおこなっている。
当初、遠隔操作で独立したオブジェクト・スタイルだったOPTRONも数々の改良を重ね、2005年より現在の手持ちの形態となり、所謂サウンドアート的展開からロック~ジャズ・バンド、ダンスミュージック的アプローチまで、音の大小や空間の規模を問わないそのパフォーマンスで、様々なタイプのサウンド・パフォーマー達やダンサーとの共演、コラボレーションも多数おこなっている。



橋本匠 / HASHIMOTO Takumi

アーティスト。演劇ユニット山山山(さんざん)代表。
2011年からは、即興の中で「映像・身体・言葉」の関係性を探る方法論『トランスフォーめいそう』による作品を発表している。
主な発表歴に「芸大先端2011」(BankART NYK・横浜)、「近藤良平リンゴ企画2010」(セッションハウス/神楽坂)。「あざみひら演劇祭2010」(明後日新聞社本社/新潟)に山山山として出演。その他「日比野克彦HOME AND AWAYプロジェクト Open Theatre Museum」にパフォーマンスユニット「HIT」として参加。(東京芸術劇場前 特設檜舞台『But-a-I』・池袋)。




松本祐一 / MATSUMOTO Yuichi

茨城大学工学部電気電子工学科卒業。会社員を経て、岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)を卒業。作曲を早川和子、三輪眞弘に師事。
アンケートを行い、その回答の文章をコンピュータによって解析し、音楽を生成する「アンケート・アート」が代表作。その他、様々な映像作品に楽曲の提供やアーティストのサポートを行う。
第7回SICF南條史生賞受賞、第1回AACサウンドパフォーマンス道場入選、2008年度武満徹作曲賞第1位(審査員スティーブ・ライヒ)、eco japan cup 2008 アート部門準グランプリ、第19回芥川作曲賞ノミネート、「フォルマント兄弟のプレゼンテーション道場」佐々木敦セレクション。




山川冬樹 / YAMAKAWA Fuyuki

ホーメイ歌手/アーティスト。1973年ロンドン生まれ。
音楽、現代美術、舞台芸術の分野で活動。トゥバ共和国に伝わる超絶的な歌唱法、ホーメイの歌い手として活動をスタートさせながら、電子聴診器を用いて心臓の鼓動を意図的に制御し音と光に還元するパフォーマンスや、振動する頭蓋骨を骨伝導マイクによって増幅するパフォーマンスで、国内外のノイズ/即興シーンや舞台芸術フェスティバルを渡り歩く。
ジャンルとしての「身体表現」を超えた、「身体からはじまる表現」を展開。