山口情報芸術センター[YCAM]では、第一線で活躍する研究者を迎え、最新の技術とアート表現への応用について、研究・普及するプロジェクト「YCAM InterLab Camp(ワイカム インターラボ・キャンプ)」を実施している。

こうしたYCAMにおける研究開発の取り組みと、今回のメインテーマである触感を表現する技術「TECHTILE(テクタイル)」について紹介することを目的に、一般公開となるシンポジウムが2011年8月21日(日)に開催される。

「TECHTILE(テクタイル)」とは、最先端の技術(Technology)と触感の表現(Tactile)との融合を示す造語で、慶應義塾大学の研究者を中心に、2007年より研究/発表されているテーマだ。触感の再現だけに留まらず、触感の複製・転写までもを実現する最新の技術について研究するほか、新たな触体験に出会う機会として、アーティストやデザイナーが共同し、定期的に展覧会を開催している。

2008年度に続き2回目となる「YCAM InterLab Camp vol.2」では、「TECHTILE(テクタイル)」をメインテーマに、YCAMに付属する研究開発チーム YCAMInterLabと4名の研究者、デザイナーが、2年間にわたる共同研究開発を実施する。

触感を表現するための開発環境の構築を目指し、共同研究を継続するほか、「TECHTILE」を普及するシンポジウム、中・上級者向けの集中講座を開催。技術と表現の双方の視点から、触感や触覚についての積極的な議論を展開するとともに、研究成果となる開発環境(TECHTILEツールキット)を集中講座の教材として活用するなど、YCAMが中心となり、学術的な研究領域の応用と実践をおこなう。


2011年8月21日(日)に開催されるシンポジウムでは、タッチングデバイスの普及により、近年注目が高まる「触覚」に関する技術と表現について、4名のパネリスト(名和晃平、安藤洋子、渡邊淳司、佐野明人)の活動事例を紹介するとともに、技術と表現、テクノロジーとアートの双方の視点による議論を展開する。研究者とアーティストが一堂に会するシンポジウムを通じ、技術が見出す未来への思考を深める。

さらに、同会場では「TECHTILE」を紹介する関連展示も開催される。「触覚」に関わる技術と表現の双方の視点から積極的な議論を展開するほか、「TECHTILE」の可能性、技術の未来について紹介する。

また平川典俊、安藤洋子による新作インスタレーション展が最終日となっているので、こちらも合わせてチェックしたい。



Information

山口情報芸術センター[YCAM]:研究開発/シンポジウム(一般公開)
シンポジウム「TECHTILEという考え方:触感を表現する・触感で表現する」

(YCAM InterLab Camp vol.2 – TECHTILE – 関連イベント)
http://www.ycam.jp/education/2011/03/techtile.html
http://www.techtile.org/?page_id=23

2011年8月21日(日)14:00–18:00
山口情報芸術センター[YCAM] スタジオA
参加無料
※要申込[申込受付開始:6月4日(土)]
対象:高校生以上
※席に空きがあれば当日参加可
※同会場にて、「TECHTILE」を紹介する関連展示を開催します。(13:00-19:30)
※「TECHTILE」についての詳細は、http://www.techtile.org/をご確認ください。

シンポジウム申込方法:
はがき・FAX・e-mailにて、住所、氏名(ふりがな)、性別、年齢、電話番号・e-mail等連絡先とともに、下記までお申し込みください。
山口情報芸術センター TECHTILEシンポジウム係
〒753-0075 山口市中園町7-7 FAX:083-901-2216 e-mail:workshop11@ycam.jp

モデレーター:
仲谷正史(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科リサーチャー)
筧康明(慶應義塾大学環境情報学部准教授)
南澤孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任講師)
NOSIGNER/太刀川英輔(デザイナー)
YCAM InterLab

パネリスト:
名和晃平(彫刻家)
安藤洋子(ダンサー/ザ・フォーサイス・カンパニー)
渡邊淳司(研究者/NTTコミュニケーション科学基礎研究所リサーチスペ
シャリスト)
佐野明人(研究者/名古屋工業大学大学院工学研究科教授)