spamgirl

ある日、facebookに見知らぬ美女からフレンド申請が届いた。基本的に会ったことがある人しか登録していないので無視していたのだけど、最近になって同じような見知らぬ美女からのフレンド申請が二日に一人程度のペースで届くようになった。

この記事を読んでいるような方は、これだけでピンとくると思うけれど、これはある種のスパムで、出会い系サイトのサクラアカウントだといわれている。おそらくランダムに名字と名前を組み合わせてfacebookのアカウントを生成し、出会い系サイトや海外のブログなど(特に多いのは台湾。台湾は自分撮り写真のシェアが何故かポピュラーで、台湾のブログサービスなんかをちょっと覗くと自分撮り画像がこれでもかというくらいあがってる。)からひっぱってきた可愛い女の子の写真をプロフィールに設定してサクラアカウントの一丁あがり。あとはランダムにピックした名字で抽出される男のアカウントにフレンド申請をしまくって、あとはメッセージでうまくサイトに誘導という感じだろう。

これらのアカウントを見破るのは極めて簡単だ。いくつかのサクラアカウントを見て発見したポイントは以下の4点。

1)名前とアカウント名が一致しない
→田中 愛子という名前なのにidはhanako.yamada.322だったりする。

2)性別が男性だったりする
→たぶんアカウント生成する時の設定が杜撰なだけ

3)プロフィール写真がどっかで見た事ある
→写真をGoogleで類似画像検索するとドッペルゲンガーが大量に見つかる

4)友達リストに入っている人がすべて同じ名字
→名字でリストを抽出して申請を飛ばすため

これは手口として悪質なんだけど、ちょっと面白い現象だなと思った。

ソーシャルネットワークサービスにおいては、アカウントがあって、プロフィールがあり、ある程度人間っぽさがあると、もはや人なのかbotなのか見分けがつかない。ハンドルネームでのアカウントの取得が可能なtwitterだと、「人だと思ってたらbotだった!」という話はたまに聞くけど、実名制のFacebookではなかなか聞くことがなかった。しかしこうしてFacebook上で実在しないアカウントに出会うと、その臨場感というか、「ほんとにその人がいるかのような感じ」に驚く。実名制というFacebookの制限と、Facebookに並ぶ名前の文字列の向こう側に一人一人生身の人間がいるのだという我々の学習された認識が、実在しないスパムアカウントに魂を与えているのだ。

心をくすぐるミステリアスな美女。しかし彼女はデータとしてしか存在しない、実在しない人物。
これってひょっとすると、すごく今っぽい、ある種アイドル的な存在なんじゃないのかと思い始めた。

「会いに行けるアイドル」じゃなくて、「フレンド申請してくるアイドル」。

そこで、Facebookにページをつくり、実在しない彼女たち<スパムガール>の情報を募ってみることにした。


さらに、スパムガールについて考えるうちに、ネットを見ていると誰もがよく見るバナー(例えば「この旅館高かったでしょ」「えっ私の年収低すぎ」など)に採用されたことで、すっかり有名人になってしまったレンタルポジのモデル(通称「タレンポ」)にも近いものを感じたのでこのあたりの話題も取り上げる予定です。

ご興味ある方はぜひFacebookページに参加いただき、あなたの所に届いたスパムガール情報を共有してください〜!

Spam Girl Collection
http://www.facebook.com/SpamGirlCollection