championship

ぼくにとってYouTubeがすばらしいのは古今東西あらゆる好事家のVHSのコレクションの一部が地球の反対側にいても覗き見できることだったり、世界に散在するあらゆるコンテストのチャンピオン映像を見ることができることだ。



World’s Firstest Guitar Player


世界最速系のアプローチは山ほどあるのでわかりやすいギターネタを。BPM170からはじまって999までBPMをあげていって同じフレーズを弾いていく映像。YouTubeでFirstestとかBiggestとかChampionshipで映像を検索すると世界の広さを手っ取り早く知ることができる。


Auctioneer Chant


全米オークション協会では、競りをスピーディーに進めるために、Auction chantとよばれる独自の言語が導入されている。文字通り念仏のようなこの高速言語によって競りがポンポンと進んでいく。詳しい情報はwikipediaを参照のこと。Auctioneer ChantなどのキーワードでYouTubeを検索するとその独自の世界を少しだけ覗くことができる。ワンクリックでできる異世界旅行だ。


Actions Per Minute


Actions Per Minute通称APM。リアルタイムの戦略系オンラインゲームなどで、1分間に入力デバイスを使って実行したアクション数のこと。上の映像は世界レベルのAPMパフォーマンスで1分間にだいたい200アクションから300アクションを実行しているらしい。Actions Per Minutesとかで検索すると同じような映像がたくさんひっかかる。Photoshopとかでショートカットつかいまくって1分間で300行程の作業をこなしていると考えるとすごいことだ。普通はバッチ処理するけど、あえてこういう感じで作業をこなすと変なアドレナリンが出そうだ。ミハエル・チクセントミハイのフロー体験よりもっとハイになれるヤツ。都築響一さんの「デザイン豚よ木に登れ」っていう本(名著!)で、バンコクの空港で見た事もないようなショートカットキーを駆使しまくってありえない速度で自分とセレブリティが一緒にうつってる写真を合成してくれる世界最速のフォト合成ブースがあるっていう話がのってたけどこんな感じなのかなあ。


どれも効率ではなくてひたすらに美学を感じる。そしてそれらは意外にも、ゲラつきつつもきっちり体系化されていてひとつの文化になっているのが面白い。ちょっと検索すると、かの高名なエクストリームアイロニング協会だけじゃなくて、ホントにこういう草の根協会が世界に腐るほどあるのがわかる。インターネット広い、っていうか世界って広い。こういう文化の積み重ねが本日の我々のインターネッツライフを豊かなものにしていると思うと、ひたすら尊い気持ちになるよね。どんな領域であってもその道を極めた人の所作というのは美しいし尊い。