そういえば前回のエントリーがおじさんネタだったので思い出したエピソード。

ある時実家に帰ると母親が言った。
「おじちゃんが電話して欲しいって言ってたわよ。なんかラジオ番組の件でどうとか。。。」

なんだろうと思いつつ、家に帰ってから電話してみた。
いくらおじさんとは言え、電話するのはちょっと緊張する。
やっぱりああいうブロードキャストの世界でやってきた人だからか、
声の力が強し、会話もブロードキャスト型だ。
あまりインタラクティブって感じではなく、
こちらの言った内容は高笑いで吹き飛ばされ、
その後に放送的なメッセージが送り込まれる感じになりがちだ。

その日は通じなかったけど、別の日にかけ直すとおじさんが直で出た。
母親から伝言聞いた旨を伝えると、高笑いして言った。
「とにかく、次の放送聞いてちょうだい。そしたら分かるから」
以上。
それだけ!?なぜ今教えてくれない?!

普段ラジオなんて聞かないしなー、受信機どこやったかなと探し出したら、
作品の実験用に買ったUSBメモリ的な小さいのがあった。とりあえずこれでいいか。
で、その週末に、言われた番組にチューンして聞いてた。

デジタルとアナログということについて話をしていた。
「とにかくデジタルってのがなんだか分からない。で、親戚にそういうのやってる奴がいるらしいから、今度来てもらって話しを聞こうと思うんです」

ああ、なるほどそういう企画なのね。やっと理解。
こないだ電話で言ってくれればいいのに。
と思ってたら突然、

「で、いまこの放送を聞いているので伝えますが、ケンスケくん、イイですか?そういう訳で、来週か再来週くらいにここへ来てください。話は専門的な言葉ではなくて、分かりやすい言葉で伝えてください。ここはとても重要な部分ですよ。いいですか・・・」

いきなり名指しでの趣旨説明というか指示?が始まった。
さっきまでラジオだったものが、返事ができない一方通行のトランシーバーになってしまった。これ、、、公共の電波だよね?!部屋で一人で苦笑い。

こちらの反応が反映されないまま、ひと通りの説明が終わると、普通のラジオに戻っていった。その間ずっと、置いてけぼりの俺はしばらくして話題が変わったころにそっとスイッチを切った。

断る、どころか疑問を挟むタイミングもねぇ。。。

その後、番組ディレクターから連絡があり、スケジュールの調整のすえに結局二回ほど出演した。その内容はまぁどうでもいいかな。デジタルとアナログの問題を取り上げるという趣旨だけど、結局はデジタルを否定しようという思惑が感じられてあまり実りがある感じにはならなかったし。

ただ出演の依頼のところのメディアの使い方が、おじさんらしくて面白かった、という話です。