1週目の週末は、NYC Maker Faireに行った。

SONY DSC

単発の「作ってみた」系のものが本当に見当たらなくて、どのMaker様達も自作のモノを使い込みまくってる感じが凄い良かった。特に自作楽器系の人達はずっと演奏しっぱなしで、各楽器のsweet spotを知り尽くしてる感がビシビシ伝わって来て結構感動した。個人的MVPはテニスラケット・ゴルフクラブ・謎の鉄パイプ等を使って作ったギターで演奏し続けて無限Captain Beefheart状態に入ってるおじさんだった。このおじさんの名刺を探し中なので見つけたらリンク貼ります。。

SONY DSC

あとコレも良かった。


途中ケンケン選手にバッタリ会って、ビールをやっつけながらNYC情報を聞いたりrPi Kitをゲットしたりもした。翌日はNew Yowkに来ていたハギくんやYCAM井高さんと合流してインジェラを食ったり、エンリコくんのスタジオにお邪魔しに行ったりした。



ハギくんがザック宛に持って来てくれた2冊のBeyond Interaction 2は、めでたくSFPCの備品になった。丁度学生からザックにOF入門オススメ本は無いか?という質問が飛んでて、ザックも日本語のだったら知ってるけど… と言ってたので超ナイスタイミングでした。本棚の肥やしにはならずに色んなテーブルにBI2が転がってるのをよく見かけるので、英語版の需要がメチャメチャありそうな感じです。


2nd week

MAKEwithMOTOの人達がSFPCに来た。



動画に出てるVictorくんは数日間IAMASに来た事があるそう(小林茂さんと会ったよ!とのこと)。Victorくん達は現在モトローラに所属していて(って分けでも無さそう。それぞれ個人活動していて、モトローラとの関係はパイレーツみたいな感じ!て言ってたけどたぶんR&D的な事をうまく短期契約条件付けて自分の活動の為にやってるポイ)レーザーカッター、3Dプリンタ(ABSの奴と粉の奴計二台)や電子工作的な事に必要そうなコンポーネントをぎっしり積んだバンに載って数ヶ月アメリカをWorkshopしながら回っているらしい。凄過ぎる。。

Victorくんが作っているProtoCoderというAndroid向けのお手軽app制作 + Physical ComputingみたいなIDEがすごい良かった。JavaScriptを書ける人だったら一瞬で使い方理解出来ると思う。近日中にopen sourceになるらしい(たぶん来週末) 既に公開されてた

motorola_hackmit (dragged)

これが興味深くて、MAKEwithMOTOの活動や機材は全てモトローラのお金で動いてるけど、VictorくんはProtoCoderを作るにあたって、ProtoCoderに関する諸々をモトローラが占有するのではなくopen sourceにする事を主張してモトローラもそれを快諾したとの事。同規模の日本の会社で同じような寛大な事をやってる会社があったら知りたくなった(日本の事を悪く言うつもりは全く無いです)。

その後は先週同様ソフトウェア・ハードウェア目線でのローレベルな授業。構造制御・条件分岐・論理回路・変数等の理解。宿題はこれらを知らない人に伝える為のメタファーや学習ツールを作ったり見つけたりして来なさい、みたいな。いい感じに各個人のプログラミングスキルが無力化される課題が続いています。PoeticなComputationて何?っていう質問にズバリと一言で答えられる人は多分教員人含めて一人も居ないと思うので置いといて、SFPCがフォーカスしてるのはきっと応用可能な「見立て」の能力、レシピのレシピをつくる能力、みたいな感じですかね。たとえばC++のmethodに渡す引数がコピーなのか参照なのかポインタなのか、これらの違いを自分の母親、祖母、子供にも適切に伝えられるか = 自分のアイディアを表現する時に適切な伝え方が出来るか的な所で、SFPC序盤は物事をシンプルに抽象化できる能力の訓練ていう感じですかね。(同じような事をjoiito氏が言ってる気が)当然中の当然の事だけど、大事な事だしムズイ。

※参照、ポインタ等をスムーズに学生に教えるのは神業に近いと思うのですが、ザックが学生達に真っ向から教えていた時に未経験の人達はウーム…みたいな顔を一瞬したけど一コマの授業でちゃんと理解していた。みんな英語ネイティブだからちゃんと意味をイメージ出来て、学習する意思や興味もあって、ドキュメントも普通に読めるから日本人と違って当たり前だけどビビった。。Gitの使い方をみんなに教えた時も変に抽象化したりGUIを使うよりも、コマンドライン叩いて見せた方が理解してるっぽかったのが衝撃だった。

コードを書く授業では、序盤はcode {poems} の例に則って怒りや悲しみ、笑い、ジョークをコードで表現してきなさいっていう大喜利が課題だった。コンパイル出来るかどうかは完全に無視で、構造制御・条件分岐・演算・変数等を道具にしてコードで詩を書いてくる作業。以下はcode {poems} の序盤にあった例。

IMG_0049

各自sketchのアイディアを考えて隣の人に渡す、っていう課題。僕が受け取ったのはこんなでした。暇だったらどうぞ。

// sketch ideas from Jon

– Create a sketch that predicts the future.
– Create a sketch that recounts a scene from your childhood.
– Create a sketch that lives underwater.
– Create a sketch that ages, eventually dying.
– Create a sketch that requires a secret handshake.
– Create a sketch that turns sound into something visual.
– Create a sketch that turns something visual into audio.
– Create a sketch that is painful to run.
– Create a violent and/or harmful sketch.
– Create a sketch that can laugh and cry.
– Create a sketch that speaks a fictional language.
– Create the shortest sketch possible.
– Create a sketch that must be fed periodically

みたいな。おまえのビジョンを抽象化してコードで表現する為の訓練だぞ!っていう事すねきっと。コードを書く時は自分のやりたい事が先行してると素敵なので、この教え方は良いなと思いました。

ふと思い出したのが昨年末YCAMで作業をしている時にガーヒー先輩と一緒にヘッダー会議(コードを書き始める前に”僕たちの夢.txt”を作ってそれを.hにしてから各自実装作業開始する会議。ヘッダー会議は楽しい)をした時の事で、たぶん普通のタスク洗い出し抽象化作業なんですが、これは作業ジャンルを問わず必要な行程だしセンスがモロに出る所かと。ザックからの「メタファーを見つけてきなさい」系の課題はヘッダー会議力のトレーニングに通ずる所があるなと思いました。何がどう通じてるのか、ウマいこと書けないですけど。。プログラミングに関する質問を僕にして来た学生に、試しに「まずour_dreams.txtを作ろう!」と提案したら、code {poems}感覚でサクサク書いた後よーしあとはコレをclassにすりゃいいんだな!みたいな感じですんなり初の自作classに辿り着いてたので、なんか自分的に合点が行きました。 この辺はまた改めて書きたいなー。

その他

引き続き英語力問題で日々困ってますが、OF教えるから英語レッスンしてくれ!ていう取引が最近成立して良い勉強環境を手に入れました。今日はofxFaceTrackerのexampleがビルド通らなくて困ってる人を助けて30分無料レッスンをゲットした。やっててよかったオープンフレームワークス。。

エンリコくんのスタジオで出会った佐伯夫妻から滞在中チャリをお借り出来る事になって本当嬉しかった。これを”お世話の連鎖”と言うとの事です。土地勘が一気に広がった。



ただし我が家の近所のダンキンドーナツの商品受け渡しカウンターは防弾ガラスで覆われているとの事。