先週放送した「君と僕とインターネット」の冒頭でも触れたが、ニューヨークのOKFocusというチームが面白い。このブログでも紹介したInternet Archaeologyの運営も行う、1985年生れのライダーリップスという作家を中心としたチームなのだが、彼らの作るものはサービスとよぶにはニッチで、アートというにはソーシャルなものばかりだ。

たとえば、この「where’s the pixel」。画面を開くと、タイトル要素以外はまっしろなページが表れる。しかしタイトルのとおり、この画面上、どこかに the pixelがあるのだ。よくよく目を凝らすと、画面上に一点黒いピクセルを発見することができる。ようはこのサイトは画面を開き、ピクセルを発見するまでの時間を競う超シンプルなゲームサイトなのである。結果をツイートすることで、なんとなく競えるようになっている。

これは@1000bさんの作品で、乱数で9がでるまでチキンレースする9, clearにも通ずる面白さがある。

これだけのサイトのためにドメインを取得するのは、ある部分では“One peace in a domain”というテーマと共に発展したNEENカルチャーにも似ているかもしれない。しかし、そこにNEENに求められるような Philosophical Depthは存在しない。支離滅裂に面白い状態をサーヴィス化しているのだ。

そんな彼らの近作に、Tug of Storeというまた変った作品を発表している。これはSvpplyというウェブサーヴィス上を流れる、「かっこいい」「ほしい」とされるようなプロダクトをリアルタイムでアリかナシかを判定していく、ウェブサーヴィスだ。画面上を流れるプロダクトの画像を見て、画面の左側でクリックすれば、Crap(ゴミ)だということになり、右側をクリックすれば Coolということになる。マルチユーザで綱引きをするようにアリ/ナシを分別していくのだ。

これは、あまり文章で書いても伝えられる気がしないが、ぜひ世界中のユーザと一つの商品をアリ/ナシ判別してみてほしい。そこにはまたリアルタイム性のもつ妙なリアリティが生まれてくるような気がしてくわけだ。リアルタイムのコンテンツは過疎化が激しいので、なるべくにぎわっているうちに参加してもらえたらと思う。
OKFocusのどっちつかずのユニークな視点は、instagramのように大きなお金になるのかどうかはさておき、これからのインターネットをつくる新しいリアリティに触れる感じがしてとってもおもしろい。


youpyさんがつぶやきでしりましたが、likefake.comというのもここが作ったみたいですね。デパートのような、ソーシャルサーヴィスにすこし飽きてきてるところもあるんじゃないかな。