あきこの部屋

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Adobe Senseiとは何者かーアシスタントはもういらない

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一万人以上が参加する、国際的なクリエイティブ・カンファレンス「Adobe MAX2016」がただいまサンディエゴで開催中。

昨日行われた基調講演で、最も大きな話題になったのがAdobeの新しい取り組み「Adobe Sensei」のアナウンス。AIとディープラーニングを使うことで、PhotoshopやIllustratorなどを使ったデザインの効率性の向上、さらにWebのトラッキングのようなマーケティングまでも次世代にしちゃいますよというフレームワークのこと。フレームワークとはアプリケーションを作る際の土台になるソフトウェアのことで、つまりAdobeのPhotoshopやIllustratorといった製品にこのシステムが既に使われており、このたび「Sensei」という名前で発表されたということらしい。

ディープラーニングで肝となるのがデータの量。Adobeの強みは、莫大なデータの蓄積があること。ソフトウェアがクラウドによって提供される「クリエイティブ・クラウド」になったのが5年前のこと。以来蓄積した高解像度のデータからユーザーがクリックしたところのデータまで、凄まじい量のクリエイティブに関するデータがある。

それらのデータによって可能になるのは、例えば

・ストックフォトサービス「Adobe Stock」に写真をアップすると、写真を解析して”海””女性”のようなタグ付けを自動でしてくれる
・Photoshopでサンプル画像を読み込んだ時に、似た構図のストックフォトを探してきてくれる
・顔の構造を認識して、おでこのシワをスムージングしてくれる
・動画編集ソフト「Premiere Pro」上で動画を分析し、インタビュー映像で不要な部分(あー、とかえー、とか)を削除してくれる
・紙のドキュメントを電子化した際に正しいフォントにしてくれる

などなど。

dscf0887 こちらが「Adobe Sensei」の名付け親でPR責任者、Daniel Berthiaumb(ダン・バーシオーム)さん。「どうしてSenseiと名付けたんですか」と聞いたところ、

「アメリカで「Sensei」というと、みんなが思い浮かべるのは映画「ベスト・キッド」に出てくる師匠のミヤギさんだと思う」

とのこと。Adobeのプロジェクトの名付け方法には遊び心があって、他にもハリー・ポッターに出てくる魔法の杖の「ニンバス」という開発中のプロジェクトもあるので、「Sensei」という名前にもそこまで深い理由はないんじゃないかと思っている。

最近のAdobe社のソフトウェア開発は、「機械が出来るところは機械にやらせて、人間はクリエイティビティに専念する環境を作る」という信念に基づいている。UI/UXのソフトウェア「Adobe XD」では、多くのページがあるWebなどのデザインのために、一つのページのボタンを変更すれば全てのページのボタンも変更される、というように、人間が煩わされる手間をとにかく省く努力がされている。機械ができることは、機械がやればいい。それによって、人間がもっとクリエイティブになり、よりよい世界が作れるのだと。

もしそんな次世代のクリエイティブの世界をお手軽に試したかったら、「Adobe Spark」を使ってみてほしい。インスタやTwitterにアップするためのいい感じのロゴを載せた画像や、フォトストーリー、ビデオなどがものすごく簡単に作れるツールだ。このツールにはいい感じの、ファッショナブルなテンプレートがいくつも用意されていて、説明に従って数ステップ進むだけで、”デザイン”されたイメージを作ることができる。昔あったワードアートがものすごくおしゃれになったような感じだ。

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インスタやTwitter、YouTubeなど、それぞれのサービスにあわせたサイズでレスポンシブにイメージを書き出してくれる。

img_2170 右側にあるのがテンプレート。スタイリッシュなサイトが一瞬で完成。

wlbz3-25358 素敵なポートフォリオサイトも一瞬。

こうして、テクノロジーの進化によってデザインが誰にでも出来る環境ができると、職を失う人が出てくるのでは?という疑念がいつも沸き起こる。だが、“作業”でなく“創作”だけに専念する環境ができることは、きっと人間の可能性をより広げてくれることになるだろう。誰もがアシスタントではなく、アートディレクターになるような、そんな世界がやってくるのかもしれない。




twitter名言集 2016年5月分

むかしTwitterのお気に入りを集めた名言集をやってて、
いま見ても面白いのでまたやることにしました。
昔はテキスト中心だったけど、いまは写真と動画中心だし、
何万リツイートみたいなのも珍しくなくなった。
「Twitterが面白くなくなった」というのは、
視覚メディア優先になってしまったこともあるんだろう。














































































マイグラミー賞2015

もう年度も終わりに近づいてますが、2015年のマイ・ベストミュージックを発表します。

■ベスト・アルバム
1.Kendrick Lamar「To Pimp a Butterfly」

あらゆるランキングで1位を取りまくっている2015年の本命盤。黒人たちがいかに抑圧されてきたか、その歴史をていねいに振り返り、ヒップホップ、ジャズ、ファンクの荘厳なサウンドスケープで重いテーマをエンタテインメントに表現した。

「Alright」のミュージックビデオでケンドリック・ラマーは空を飛んでいる。空を飛んでいるのは気持ちいいからとかではなくて、飛ぶ必然性があるからだ。彼はいまも黒人たちが受け続ける「抑圧」からの「開放」の象徴として空を飛ばなくてはならなかった。その背中に先人たちの英霊が乗っかっているのが見えるようである。空を飛ばなくてはならないほどの抑圧、あなたは感じたことがありますか。そして自由を謳歌する彼は命を奪われ、復活する。

音楽によって多額のお金を得たケンドリックは、またその音楽というツールを使って同胞たちが受けてきた抑圧に対する抵抗という意志をピュアに具現化した。そうした彼らの意思を、日本人であるわたしが本当の意味で理解できているとは思っていない。しかし言葉がわからないわたしにさえも、ケンドリックやその先人の“彼ら”の意思がこの黄色い身体の赤い血液にまで染みこんでくる。その説得力たるや。流通する音楽アルバムというフォーマットにここまで明確で強固な意志を込めることができたケンドリック氏に敬礼。


2.Zenker Brothers「Immersion」

肉体は魂の神聖な神殿だという。テクノはその神殿へと導いてくれる音楽だから尊いのである。わたしはずっと彼らのアルバムを待ち望んでいた。Zenker Brothersはその名の通りDarioとMarzoの兄弟によるユニット。ミュンヘンを拠点に活動している。ハード・ミニマルの2015年型のこの音がTresorから出たのは僥倖というしかない。マニュエル・ゲッチングからジェフ・ミルズ、ベン・シムズ、スティーヴ・ビックネル、オリバー・ホー、そしてやいまやPerfumeファンとして名を馳せるSURGEONらの敷いた道の先にあったのがこの音だと思っている。



3. The Internet「Ego Death」

リキッドルームでのライブはチケットがオークションで2万円になるくらい人気のLAのグループ、ザ・インターネット。Odd Futureのメンバーである92年生まれのシンガー/ソングライター、Syd tha KydとプロデューサーのMatt Martiansを中心としたバンドだ。これは3rdアルバムで、Kaytranadaらが参加している。2015年型のニューソウル/R&B、それは”オルタナティブR&B”というらしい。ジル・スコットとエリカ・バドゥが亡き(いるけど)いま、2015年型の性の匂いを取り去ったR&Bは最高にしっくり来る。インターネットで何もかもがスムーズになったこの時代における「クラブ行くのだるい」みたいな都会の倦怠を体現した、このうえなく美しいメロディと低いテンションとすべてを包み込むグルーヴ。これ以上他に何を望むことがあるだろうか。


4. SWINDLE「Peace, Love & Music」

いっぽうのSWINDLEは1987年生まれのロンドンのブラック・ミュージシャン。自らを「平和と愛と音楽の使者」と語る。その音楽性を一言でいうと「いかにもジャイルズ・ピーターソンが好きそうな音楽」で、彼は「ダブステップ」のアーティストだが、フルバンドを従えてツアーすることもある。このアルバムには彼がツアーでめぐった世界の都市をイメージした曲が16曲並んでいる。いずれもロンドン直送の混じりっけなしのダブステップでありジャズでありドラムンベースであるが、そのテクスチャは限りなく軽く、ポピュラリティがあるのが魅力的だ。下町で生まれるグライムの持つ重さはここにはない。ノリでウルトラとかに行っちゃうみたいなOLさんにも気に入ってもらえそうなハッピーなアルバムだ。そのバランス感覚に乾杯。お気に入りは「London To LA Ft. Ash Riser (LA)」と「Black Bird Ft. Joel Culpepper」。


5. John Tejada「Signs Under Test」

2013年がJon Hopkins “IMMUNITY”で2014年がBen Frost”Aurora”だとしたら2015年はJohn Tejadaのこれではないだろうか。いちめん雪に覆われた真っ白な平原に横たわってきらきら輝く太陽に目を細めているような、ロマンチックでメランコリーな叙情的テクノ。


6. Dawn Richard「Blackheart」

ケンドリックと同じラインにあるのが、ニューオリンズ出身の女性R&Bシンガー/ソングライター、ドーン・リチャードの新作。ブラック・ミュージックにアブストラクトな要素を加えたモダンな音楽性で、ファイトザ・パワーなソウルとトライバルな感覚を両立させ、前衛的な世界観を作り上げた。ケンドリックが現実を歌うなら彼女はPファンクやデトロイト・テクノが宇宙に向かったように、自らの内なるフィクションへと向かう。これは「Heart trilogy」という3部作の2作品目で、 “The Black Era.”に突入したという記念すべき作品なんだそうです。

7. Blanck Mass「Dumb Flesh」

ロンドン・オリンピックのセレモニーにも出た(イギリスはすごい国)ブリストルのエレクトロ・デュオ「Fuck Buttons」の片割れ、Blanck MassことBenjamin John Powerによる2枚目のソロアルバム。意図的なデータのスキップと重厚なサウンド、ボイスサンプル、808などを使い、ノイズとメロディによってインダストリアル・テクノやゴスのエクスタシーを持ち合わせたアルバムに仕上がっている。テーマは「人間の肉体の壊れやすさ」。わたしのお気に入りは2曲めの「Dead Format」。あなたの目の前に地獄の釜が現れ、その蓋がゆっくりと開いていくような楽曲である。

8. 星野源「YELLOW DANCER」

そしてぐるっと地球をまわり、アジア大陸へ。いっぽう日本に住んでいる星野源はブラックミュージックをこよなく愛する黄色人種。黄色人種がブラック・ミュージックをやろうとしたらどうすればいい?彼がたどり着いた答えがブラックミュージックのコアなプロダクションをJ-POPのフォーマットでやるということで、それが「YELLOW DANCER」ということだそうだ。彼は病気療養中、自分が音楽が出来ないので、「音楽を聴くと悔しくなるから」他人が作った音楽が聴けなかったという。それほどまでに音楽を愛する男が地獄から帰って作り出した、音楽の喜びがほとばしるアルバムである。そして日本全国のかわいいOLさんなど沢山の人にその喜びを伝播させることが出来たのは本当に素晴らしいことだ。わたしもこのアルバムに幸せな気持ちをたくさんもらった。「Down Town」とか、まるで星空に手を伸ばせばその星が掴めそうな気持ちにさせてくれる。

9. SAKANAMON 「あくたもくた」

こちら参照。

10. Airbird & Napolian「Mr. Foolish」

Oneohtrix Point NeverともコラボするAirbirdことJoel Fordと、OPNのレーベル「software」からリリースするミュージシャン、Napolian (AKA Ian Evans)のユニットによるアルバム。最初ジャケットがダサいのでおもいっきりスルーしていたのだが、収録曲の「Won’t Hurt」に目を見開かされ、自分が間違っていたことを知った。「西海岸の夢と東海岸の悪夢」をテーマにしたこのアルバムは、USハウスとコズミック・ファンク、ヒップホップのあいだを縦横無尽に駆け巡る作品である。LAからNYに飛ぶ飛行機がミズーリあたりに不時着して湖畔でリラックスしている感じというか、トロ・イ・モワとOPNを足した感じというか、とにかく至福の一枚であることは間違いない。

11. Outfit「slowness」

リバプールで2011年に結成し、その後ロンドンとニューヨークに離れ離れになってしまったというバンド「Outfit」のアルバム。いまメンバーはリバプール、ロンドン、ニューヨークの3都市に別れて活動しているそうだ。ジャンルはポスト・パンク。These New Puritansとかコールドプレイがサンディエゴで夜中の2時にカクテルを飲んでいるような音である。こういう音はどうして出来るのかと思う。何かが失われたことを強烈に寂しがっているような音だ。自分が失ったものについて静かに思いを馳せているような音。イギリスの人はナイーブというものをこうして音にできるのがすごい。

12. DJ Paypal「Sold Out」

毎年言ってるのがこうしたダンスミュージックにおいて「アルバム単位で聴ける」というのはすごいってことだ。Brainfeeder/Teklifeのアーティストであり、弟が「DJ Mastercard」という冗談みたいな名前の「DJ Paypal」は果たしてフットワークにフリージャズやソウルのエッセンスをふんだんにいれ、「聴ける」作品を見事に作ってのけた。「Ahhhhhhh」や「Awakening」とかヒット曲多数収録。

13. Carpainter「Out Of Resistance」

日本人は海外の要素を取り入れてアレンジするのが得意だって言われてるけど、seihoさんとかトレッキー・トラックスとかパーゴルさん、クリョーンさん、リカックス嬢にmetome、madegg氏らのビートメーカーたちの同時代性ぶりを見ると「ああ、、もう海外にコンプレックスを持たなくていいんだ」と思う。つまりCarpainterがいるならLoneをそんなにありがたがったりしなくていいんじゃないのということだ。ブレードランナーの街、カワサキ・シティから現れたイアン・オブライエン。

14. Jóhann Jóhannsson「End of Summer」

アイスランドの Jóhann Jóhannsson が監督し音楽も手がけたドキュメンタリー映画『End of Summer』のサウンドトラック作品。Mum、Hauschka などとのコラボレートでも知られるアイスランド人チェリスト Hildur Guðnadóttirとのコラボレーション。映像は南極大陸への旅をカメラに収めた28分の作品で、静寂感を伴った風景が作り上げる黙示緑的とも言えるような映像美。とのこと。黄金に輝く水面に現れた蜃気楼の向こうに自分の姿が見える、みたいな荘厳な世界観にうっとり。

15.Floating Points「Elaenia」

Floating Pointsことロンドン出身の29歳、Sam Shepherdのデビュー・アルバム。この夢にインスピレーションを受けたアルバムを6年かけて作ったそうだ。ということで朝起き抜けの夢うつつで作られた曲などが入っている。アナログのシンセやピアノ、ベース、ギターなどバラエティ豊かな楽器が散りばめられた豊かな音像。pitchforkではレディオヘッドとハービー・ハンコックとトータスが混ざったみたいと言われている。ちなみに彼は神経科学の研究者らしい。聴くものをも夢の世界へと誘ってくれる内省的なこの世界観は神経科学に根拠がある、のかも。

16. Dilly Dally「Sore」

グ、グランジ。何度googleカレンダーを確認してもいまは2016年なんですがこの音は一体、、、。Dilly Dallyはカナダのトロントを拠点に活動する、女性二人男性二人の4人組オルタナバンド。こんな音を2015年に作れるなんてすごいし、聴くと血がたぎる。すさまじく精巧に作られた九谷焼のビンテージのレプリカみたいな感じだ。これがすごいのは、かつてのバンドが復活して「あの頃」の音を鳴らされてもなんだか後ろめたくてイマイチ乗れないけど、若いバンドがこういう音をやってると「懐古的」な罪悪感から放たれて、無条件に全肯定できるのがすごい。


17. Hiatus Kaiyote 「Choose Your Weapon」
18. Hotchip「Why make sense?」
19. 挾間美帆「タイム・リヴァー」
20. Hunee「Hunch Music」
21. Fifth Harmony「Reflection」
22. Arca「Mutant」
23. Theo Burt「Gloss」
24. Lanterns on the Lake「Beings」
25. 寺田創一「Sounds From The Far East」


■次回作に期待賞
Christian Rich「FW14」
Zedd「True Colors」
Disclosure「Caracal」


■ベストトラック
TOWA TEI「Sound of Music」
CAPSULE「Dreamin’ Boy」
kelela「Rewind」
DANNY L HARLE 「Broken Flowers」

Rhizomatiks Research ☓ ELEVENPLAY「border」が「体験しないとわからない」というのはどういうことなのか

share_今日は「border」YCAM公演最終日なので、個人的な感想を書きます。

映画のスクリーンのなかに入り込みたいとか、繰り広げられる舞台の真ん中で観賞してみたいとか、誰しもがそんなことを思ったことがあるだろう。いままでコンテンツと観客のあいだにははっきりとした境界線があって、また芸術家や作家と観客とのあいだにもその境界線があった。

「border」ではその境界線を超えて、コンテンツの中に入りこむことができる。そこに広がっているのは至福の世界だ。思考することができなくなってしまうのだ。「思考の放棄」は脳にとって至福となる。「border」体験者には「ずっとこの世界にいたい」と語る人も多い。だがその「至福」がどういう境地なのか、言葉で説明することは難しい。

従来の芸術やエンターテインメントの「コンテンツ」は異世界をスクリーンの向こう側に描いたものだが、「border」はそのスクリーンの向こうに身体を入れ没入する「体験」である。あちら側の世界を見た人は、その世界がどんなものだったのか、まるで臨死体験のように興奮をもって語るだろう。しかしどんなに言葉を尽くして語ったとしても、その世界がどのようなところだったのかを知ることは難しい。彼岸に立ち、その光景を見た人のみが「知る」ことができる。

現代では「あちら側」のことを伝えるためのツールがたくさんある。文字や2D、3D、360度の写真や映像、音声、その他いろいろ。わたしたちは氾濫する情報によって「知った」つもりになっている。しかし「こちら側」でいくらその「情報」をかき集めたとしても、「あちら側の世界」については口頭で伝承される神話の程度の情報量しか得ることができないのだ。こんなに情報網が発達した現代においても。

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これまでのコンテンツにおいては、様々な方向から境界線を崩す挑戦がされてきた。とくにVRという領域は大きな可能性がありながら、技術と人間、その知覚と感性のバランスを取ることが難しく、境界線を崩すことが容易ではなかった。人間は無意識に、あらゆる感覚を使って、周囲からすさまじい情報を得て常に今自分がどこにいるのかを知覚している。人間の感覚は騙されやすいものであるとともに、簡単には騙されにくいものである。現実を構成する情報にほんの少しでもほころびが見えてしまうと、違和感を感じて没入することができず、すぐに「こちら側」に引き戻されてしまう。

「border」はその境界線を越えるために、人間の感覚に違和感を感じさせない技術と、溢れるばかりの芸術とエンターテインメントのちからで現実のほころびをねじ伏せた。身体を拘束し、テクノロジーとダンス、音楽、照明などの絶妙なバランスをもった演出によって、現実のほころびは完全に消え、あたらしい世界へと導かれる。

わたしたちが現実だと思っている世界で認識する「ほころび」は、実はすごく小さなことで引き起こされている。それを乗り越えるために、身体の動きと視覚から入る映像のズレが少ないとか、または何かに注意を惹くことで気をそらせるとか、そうした工夫の積み重ねが醒めることのない夢を作り出しているのである。

わたしがいるのはあちら側の世界なのか、それではいま感じる女性の息遣いは何なのか?現実なのか虚構なのか、もはやこの新しい世界においてはそのどちらでも良いような気がしてくる。思考の放棄による至福の体験。

このために費やされている技術と演出がどれだけ高度なもので、実現するのが難しいのかは、いま世界にあるコンテンツでここまでのものが無いことを見ればわかるだろう。この世界でも類を見ない完成度の高い作品が、まったくの少人数で、大資本の投入なども無く作られているというのは本当に驚異で奇跡としか言いようがない。クールジャパンは実在するのかもしれない。

現代のわたしたちは、リュミエール兄弟が撮影した、駅のプラットホームに蒸気機関車がやってくる映画(『ラ・シオタ駅への列車の到着』)を見て逃げ惑う19世紀の人たちを見て愚かだと笑う。しかし「border」によって「連れて行かれる」異世界に心を奪われ、その世界に入り込みたいと思ったあとでは、もう彼らを笑うことはできない。わたしたちが普段頼りきっている常識や感覚は盤石なものではなく、進化する現代のテクノロジーによって容易に揺り動かされるのだと知る。そしてまた、わたしたちは、どこまでも進化することができるのだということも。

「border」によって、境界線を越える時代がやって来たのだと思うし、その時代の変わり目に立ち会えたことを幸運だと思う。

もし次に公演の機会があったら、万難を排して体験してみてください。

Rhizomatiks Research ☓ ELEVENPLAY「border」

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この前、夜、眠れなくて、アメリカの2ちゃんことredditをつらつら見ていた。そしたら「わたしのボーイフレンドが今夜死んだ」というスレッドが立っていて、たくさんの人達が見知らぬ女性の悲しみをいたわるコメントを寄せていた。これだからインターネットはやさしい。

たくさん寄せられたコメントのなかに、ものすごく印象的なものがあった。「僕が書いたものじゃないんだけど、助けになればと思って」と書いて貼られていたコピペだ。どうやら4年前に違うスレッドに書かれたものの転載らしい。

おそらくオリジナルはこれで、GSnowさんというユーザーが書いたものだ。

「誰かを失うこと」について書かれた、胸を打つ文章だったので日本語にしてみる。

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よしわかった、こんな例もある。わたしは年寄りだ。つまり、今までのところは生き延びてきて、たくさんの人と知り合い、そして亡くしてきた。わたしは友達を失った。親友たち、単なる知り合いたち、同僚たち、祖父母、母、わたしの家族、先生、師匠、生徒、ご近所さん、そのほか、たくさんのいろんな人々をも失った。わたしにはこどもがいない。だからこどもを失う悲しみがどれだけのものかは想像できない。でもわたしなりの見解をここにちょっと書いてみる。

もしわたしが、あなたに「人の死には慣れるものだよ」と言えたらいいと思う。でも一度も慣れたと思ったことはなかった。慣れたいとも思わなかった。わたしの愛する人が死んだときにはいつだってわたしのなかにぽっかりと穴が空いた。どんな事情であれそうなった。でも「どうでもいい」と思いたくはなかった。ただ過ぎゆくものにはしたくなかった。

わたしの傷は、その人との間に育んだ愛と、つながりの証なのだ。もし傷が深かったら、それは愛によってのもの。だからそのままにしておけばいい。傷は人生の証だ。傷はわたしが誰かを深く愛し、深く生きることが出来たという証なのだ。それが切り傷にとどまらず、ときには深いえぐり傷であっても。わたしはその傷を治すことが出来るし、またこれからも生きて、愛することを続けることが出来る。そして傷ついた組織は以前よりも強く、新鮮なもの。傷は人生の証だ。だがそれがわからない人にとっては、醜いものに映ることだろう。

「誰かを失った深い悲しみ」は、まるで波のようなものだ。初めて船が難破したとき、あなたは溺れ、周りには難破した船の破片がそこら中に浮かんでいるだろう。あなたの周りに浮かんでいる物全てが、その船がいかに美しく素晴らしかったのかをあなたに思い出させる。でももう、その船はない。

あなたが出来るのは海にぷかぷかと浮かぶことだけだ。あなたはしばらくの間、破片のかけらにつかまっているだろう。それは多分、なにかしらの、かたちのあるもの。幸せな想い出の写真かもしれないし、あなたと一緒に海に浮かんでいる人かもしれない。当面の間、あなたにできるのはぷかぷかと浮かんでいることだ。生き続けろ。

最初のうちは、波は100フィート(30メートル)もあって、慈悲もなくあなたを粉々にするだろう。波は10秒と置かずにやってきて、息をする暇も与えてくれない。だがしがみついて、浮かび続けることだ。しばらくするとーーそれは何週間、もしくは何ヶ月後。あなたはまた100フィートの波を見つけるのだけど、それはすごく遠くに見えるのだ。そして実際に波がやってきたときには、またその波はあなたの全てを打ちのめし、あなたの全ての力を奪うだろう。でも波がやってくるまでに、あなたは呼吸をし、機能することができる。

あなたは、何がきっかけで「誰かを失った深い悲しみ」があなたを襲うのかは永遠に知ることができない。それは歌かもしれないし、絵かもしれないし、交差点の車や、一杯のコーヒーの匂いかもしれない。何にせよ波は突然やってきて…あなたを打ちのめす。でもその波のあいだに、人生がある。

いつかふと、あなたは波の高さが80フィートになっているのに気づくだろう。もしくは50フィートに。波が押し寄せ、そして遠のく、その狭間で。あなたは波がこちらにやってくるのを見る。記念日、誕生日、クリスマス、空港に降り立ったとき。それがやってくるとき、あなたはそれに対して準備ができるようになる。波があなたを丸呑みしたときに、あなたはどうすればいいのかを知っている。そうすればもう出口はすぐそこに来ている。ずぶ濡れになって、小さな難破船の破片につかまったままでも、あなたにはもうわかるのだ。

年寄りの男が言うことだと思って聞いてくれ。波が止まることはない。永遠にやってくる。それがどんなに来て欲しくないと思ったとしても。でもあなたはその波によって、生き残る方法を知る。そしてまた違う波が来る。そしてまた、あなたは生き残る。もしあなたがラッキーだったら、たくさんの愛から出来た、たくさんの傷を負うだろう。たくさんの、難破船とともに。

Alright, here goes. I’m old. What that means is that I’ve survived (so far) and a lot of people I’ve known and loved did not. I’ve lost friends, best friends, acquaintances, co-workers, grandparents, mom, relatives, teachers, mentors, students, neighbors, and a host of other folks. I have no children, and I can’t imagine the pain it must be to lose a child. But here’s my two cents.
I wish I could say you get used to people dying. I never did. I don’t want to. It tears a hole through me whenever somebody I love dies, no matter the circumstances. But I don’t want it to “not matter”. I don’t want it to be something that just passes. My scars are a testament to the love and the relationship that I had for and with that person. And if the scar is deep, so was the love. So be it. Scars are a testament to life. Scars are a testament that I can love deeply and live deeply and be cut, or even gouged, and that I can heal and continue to live and continue to love. And the scar tissue is stronger than the original flesh ever was. Scars are a testament to life. Scars are only ugly to people who can’t see.
As for grief, you’ll find it comes in waves. When the ship is first wrecked, you’re drowning, with wreckage all around you. Everything floating around you reminds you of the beauty and the magnificence of the ship that was, and is no more. And all you can do is float. You find some piece of the wreckage and you hang on for a while. Maybe it’s some physical thing. Maybe it’s a happy memory or a photograph. Maybe it’s a person who is also floating. For a while, all you can do is float. Stay alive.
In the beginning, the waves are 100 feet tall and crash over you without mercy. They come 10 seconds apart and don’t even give you time to catch your breath. All you can do is hang on and float. After a while, maybe weeks, maybe months, you’ll find the waves are still 100 feet tall, but they come further apart. When they come, they still crash all over you and wipe you out. But in between, you can breathe, you can function. You never know what’s going to trigger the grief. It might be a song, a picture, a street intersection, the smell of a cup of coffee. It can be just about anything…and the wave comes crashing. But in between waves, there is life.
Somewhere down the line, and it’s different for everybody, you find that the waves are only 80 feet tall. Or 50 feet tall. And while they still come, they come further apart. You can see them coming. An anniversary, a birthday, or Christmas, or landing at O’Hare. You can see it coming, for the most part, and prepare yourself. And when it washes over you, you know that somehow you will, again, come out the other side. Soaking wet, sputtering, still hanging on to some tiny piece of the wreckage, but you’ll come out.
Take it from an old guy. The waves never stop coming, and somehow you don’t really want them to. But you learn that you’ll survive them. And other waves will come. And you’ll survive them too. If you’re lucky, you’ll have lots of scars from lots of loves. And lots of shipwrecks.

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あと、

この宇宙におけるすべての物質とエネルギー量は一定に保たれている。だから彼のエナジーはまだそのへんにあって、あなたによって伝えられる?よ。
all the matter and energy in the universe stays the same, no matter what. his energy is out there, carried by you.

というのもじーんときた。
世界はやさしさで出来ている。

※ヘボい語学力で訳しているので、間違いあったら教えてください!

パリでスリにあったらどうする

前回はテロに追悼の意を示した本ブログですが、
その一ヶ月前、わたしはそのエリアでスリにあってました、、、

あなたはスリにあったことがありますか?
わたしはなかった!!なかったんです。
ロンドンでもローマでもスペインでも上海でも一円もスられず、
スられるという危険すら感じたことがなかった。
だからめちゃくちゃ油断してたんですよね…生きるってことに…

今回、パリについた2日目にはもうスリにあってました。
あれはそう、9月の終わりのこと。
まぶしいな〜青い空が


レアムール・セバストポール駅のホテルに滞在していたわたしは、
メトロに乗って取材先であるアンリアレイジさんのアトリエに通っていました(そして無一文になりお金を借りるという、、、、一生アンリアレイジを着る宣言)。
パリのメトロはクレジットカードでチケットが買えます。
小銭がないのでカードで買って、暗証番号を入力して改札へ。

多分このとき、スリは暗証番号を打つ手元を後ろから見てました。
改札に入る前か、入ったあとにわたしの財布をスッて、
まだわたしがメトロから降りないくらいの速攻さで
ATMでお金を降ろすという手口です。
あとでチェックしたら、めちゃくちゃ降ろされてました。

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SNSで絶叫したら、たくさんの方が慰めてくれました、、
ありがとうインターネット、、
スられたセンパイからのメッセージがしみました。

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田中さん、スられすぎです

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つい2週間前、この人がオーストリアからヴェネツィアに向かう寝台車で財布をスられていたのを「あら大変そうね..」と眺めていた。まさか自分がスられるなんて、、

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この人はフィリピンに短期語学留学に行ったら財布をスられて一文無しになり、見ず知らずのギャラリーに飛び込んでお金を借りたんだそうだ、、すごすぎる、、、、

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スペインには美人局が

有り金をなくしてすごく悲しい気持ちになったので、
他人の不幸なエピソードを求めてみました。


さすがだぜ、こいつら血も涙もない


ほか、海外にすら行けなかった人や、
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インドで強盗に追いかけられた人も…
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世界は広い。みんなが身を切って体験した
ヘビーな想い出がしみます。


新婚旅行はネクストレベルです。
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銃はカンベン
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起きてたのに飛行機乗り過ごした人、、
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外国は家の中ですら油断できない
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3分で置き引きは凹む
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複数回はすごいわ
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昏睡強盗ってのもあるそうです、、
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世界を旅するアーティスト、キンセイさんの冷静な教え
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■それでは正解です
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それでは、スリにあったらどうするのか?!
現在シンガポール在住の、チームラボ・高須さんから教えてもらいました。

スリにあったら、それはこの3ステップ。

ステップ1. カード会社に電話してカードを止める
ステップ2. 最寄りの警察署に行って「盗難届」を作る
ステップ3. 帰国後、盗難届を持ってカード会社などへ

■国際電話はskypeでかけるべし
で、ステップ1.は、普通に国際電話すると一回で
何千円にもなってしまいます。
が、skypeで課金すると国内外の携帯電話や
固定電話に電話をかけることができるんです。
たっぷり話して、一回なんと10円ぐらい。
コレクトコールができないし、
フリーダイヤルでは国際電話だと拒否されたりするので
これはものすごく助かりました。
クレジットカードがない人も、
友達にクーポンをプレゼントしてもらえるので大丈夫。

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ここから

高須氏(そのときNYから移動中)が
現金振込をしてくれたので、
心置きなく電話できました、、
普通にmacbook airのスピーカーで会話。
めちゃくちゃ使いまくったのに全部で50円ぐらいだった。
本来なら1万円以上かかってたと思う。
本当に夢みたいだった。高須ありがとう

高須氏いわく、「外国で外人にまみれた独居中年ライフを送るにはこういうノウハウが必要なのです」
とのこと・・・・・・・



■警察はアタリとハズレがある

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こういうサインが警察。
Google Mapsで「警察」と入れると出てきます。

とにかくスリにあったら警察に行くこと。
「スリ(pickpockets)にあった」と言うとどこかしらに案内してくれます。
外国の警察は働かないと言われますが、
多分警察署にもアタリとハズレがあります。
わたしは最初に行った警察署がハズレで、ひたすら「待ってろ」と言われて
イスに座って待ってたけどなにも起こらず1時間半。
諦めて、また次の日に違う警察署にいってみたらちゃんと対応してくれて、
30分ぐらいで調書がもらえました。

1.入り口にいる人に「スリ(pickpockets)にあった」と言う
2.受付で「スリ(pickpockets)にあった」と言う
3.個室に呼ばれて「いつ、どこで、なにを、いくら分」取られたかを話して書類を作ってもらう
4.その場で書類を渡される

という感じです。

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これがもらえる調書

これを面倒がると、日本に帰ってから保険が降りないそうなので
必ずもらうようにとみんなに言われました。

実際帰国後に、カードのキャッシング被害にあったとカード会社に言ったら
「キャッシングは暗証番号を入れるから本来保険の対象外」と言われて
焦りました。

でもスリの手口を説明して、盗難届を提出したら保険の適用内にしてくれたので
ほんとによかったです。ホッ


■スリは文化
パリは呼吸をするようにスリがいました。
瘴気のようなものだったのかもしれない。
そういうところに行ったのなら、
そもそもちゃんと対策をしておかなければならないわけで。
郷に入っては郷に従えということで、
スリが文化なのならこちらもそれなりの応対をしなければならないのであります。
最低でもこれくらいはしておきたい。

・そもそも財布を持ち歩かないのがベター。
 ホテルに金庫があったら、必要最小限の現金とクレジットカード1枚、
 緊急連絡先などを簡易的な袋などに入れて、
 バックアップを作っておく
・クレジットカードもいっぺんに全部を持ち歩かない
・財布とパスポートは別に持っておくこと
・なるべく身体に密着するものに財布類は入れる。
 ただし背中側に中身をまわさないこと

【旅行前にやっておくこと】
・クレジットカードの旅行保険の条件を確認、
たいていは「飛行機チケットか、空港までの交通費をそのカードで払う」なので
満たしておくこと。そうでなければ掛け捨ての旅行保険に入る。
こんなの→http://www.sjnk.co.jp/kinsurance/leisure/off/
Webサイトからだと安い。空港でも出発前なら加入できるのでやっておくこと。
・skypeはアカウントをとって、500円ぐらい振り込みしておくこと

ちなみにスペインのホテルの部屋に置いておいたmacを盗まれるという人
いたので、ホテルの部屋も日本と違って油断は禁物。
わたしはむかしロンドンのホテルで、部屋の清掃時に
友達が作ってくれたネグリジェと太宰治の文庫本を盗まれたことがあります。
なんでそんなものがほしいんだ。謎すぎ

■芸ができれば小銭を稼げる
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しかし現金もカードもない世界の新鮮なこと!
世界が変わって見えました。(何も関与できないという意味で)
そして「もしわたしが歌えたり踊れたりするなら、道でお金を稼げるのに」
と痛切に思った。ここでは日本語が書けても何の価値もない。
でも歌とか踊りとかマジックだったら通用するんだ。
そう思って自分の非力さを思い知った。
スリに対抗する最善の方法はノンバーバルな芸かも。
折り紙とか民謡とか覚えようかなあ。

赦すということ “あなたたちは私の憎しみを得ることはできない”

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2015年11月13日、フランス・パリ市街で同時テロが起こり、
劇場やレストラン、スタジアムなどで少なくとも127人が死亡、
約300人が負傷した。

ドミニク・チェンさんが、このテロで奥さんを亡くした男性が書いた
テキストを日本語に翻訳されていたものをブログにアップされていて、
その感動的な文章に胸を打たれた。こんな文章だ。
こちらのリンクから全文が読める。

“あなたたちは私の憎しみを得ることはできない”

金曜の夜、あなたたちは私にとってかけがえのない存在であり、人生の最愛の人である、私の息子の母親の命を奪ったが、あなたたちは私の憎しみを得ることはできない。あなたたちが誰なのかは知らないし、知りたくもないが、あなたちの魂が死んでいることはわかる。
〜略〜
もっともあなたたちはそのことを望んだのだろうが、憎しみに対して怒りで応えることは、今のあなたたちを作り上げた無知に屈することを意味する。あなたたちは私が恐怖におののき、同じ街に住む人々に疑いの目を向け、安全のために自由を差し出すことを望んでいるのだろう。あなたたちの負けだ。何度やっても同じだ。


テロの目的とは、無差別に人を傷つけ、
社会を混乱と恐怖に陥らせること。
復讐に走ったら、テロリストの意思に沿うことになってしまう。
だからあなたたちに「憎しみ」は与えない、
という宣言。

この文が感動的なのは、愛する妻を失い、
17ヶ月の息子とたった二人で取り残されるという
身体に風穴が開くような大きなダメージを受けながら、
相手を傷つけようとしていないことだ。
ものすごい精神力だと思う。わたしなら絶対にできない。

フランスは理性の国だ。
中世の迷信にまみれた社会から、理性によって近代国家を作った。
だから、振りかかる大きなものを
人間の知によって克服していこうという意識が強いのかもしれない。

テロはおそろしい。
それはまったく根拠がないからだ。
どんなに清く正しく生きている人でも関係ない。
暴力というものが突然目の前に現れ、
なんの権利もないのに、全てを奪っていく。

振りかかること、奪われること、
いずれも自分で選ぶことができない。

■奪われたあとのことは自分で決めることができる

だが、奪われてからどうするのかは、
自分で決めることができる。

そもそも「目には目を、歯には歯を」
っていうハムラビ法典や旧約聖書に出てくる
有名な言葉は、やられたらやりかえせ、という
ことに聞こえるが、実はそうじゃない。

目を攻撃された人がエスカレートして、
相手の生命をも奪ってしまわないように、
「目を攻撃されたら相手の目を攻撃するだけにとどめなさい」
ということだった。

それが旧約聖書の頃で、
その後の新約聖書になるとイエス・キリストは
「右の頬を打たれたら左の頬を差し出しなさい」
と言った。

私はあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません。
あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。
あなたを告訴して下着を取ろうとする者には、上着もやりなさい。
あなたに一ミリオン(1.5km)行けと強いるような者とは、一緒に二ミリオン行きなさい。
(マタイ福音書5章38節から41節)


右の頬を打たれるのは降りかかってきたこと。
でも左の頬を差し出すのは自分の自由意志でやったこと。
最初の1ミリオンは人から強いられた距離だけど、
自ら歩くもう1ミリオンは、自分の意思で歩くもの。

受難に遭った時に、それを逃れられないものとして嘆くのではなく
相手を責めることなく、積極的に世界に関わっていくことが、
「赦し」ということなのかもしれない。

この「赦し」という概念はキリスト教でやたらと出てくる
言葉で、普通に生きてるとあんまり意識しないものなんだけど、
ドミニクさんが訳した文章を見て、
ああそういえばそういうものがあったなって
ひさびさに思い出した。

でもいままではその「赦し」というものが
具体的にどんなものなのか、全然理解できなかった。
聖人のような人が、何をされてもその人を咎めることなく
愛します、みたいなことなのかと思っていた。
そんなの全然現実味がないから、
わたしには関係のないことだと思っていた。

でももし「赦し」というものが自発的なものならば、
わたしにもそれが出来るかもしれない。
なにかが降りかかってきたときに、
恨みや憎しみという感情を選択しないこと。

それこそが、わたしたちの人間性と幸福という
ささやかな矜持を守ってくれるものなのかもしれない。

このいくらでも恐ろしいことが
起こりえる残酷な世界において、
その知恵と意思こそが、
まるで悪意や雪崩のように起こる
悲惨なできごとから、
傘のようにわたしたちを守ってくれる。

わたしたちがこの世界の広さと未知さに怯えて
立ちすくむことのないように、
そのすべてを愛することができるように。

この小さな男の子はこれからの一生の間、自らが幸せで自由でいることによって、あなたたちに立ち向かうだろう。なぜなら、そう、あなたたちは彼の憎しみを得ることもできないからだ。
“あなたたちは私の憎しみを得ることはできない”



“あなたたちは私の憎しみを得ることはできない”

カンファレンスに出席したらカメラをもらった 〜AdobeMAXがすごい〜

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皆さんこんにちは。いまわたしはLAことアメリカのロサンゼルスにいます。

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イエーイ(フォトツアーでのひとこま)

というのも、Adobe社のイベント「AdobeMAX」の
メディアツアーに参加させて頂いてるんです。

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そもそもAdobeといえばPhotoshopとか、Illustratorとか、
表現するためのツールを作ってる会社。
改めて考えると、Adobeはすごい会社だと思う。
なにがすごいって競合がない。
だいたい鉛筆だって絵の具だって競合があるのに、
PhotoshopにもIllustratorも、かつてはFlashも、
あまりにも独特で、絶大なニーズがある製品だ。
これから同機能のものを開発してやろうという気を
誰も起こさないくらい、せこいマーケティング
なんかが通用しないくらい、
Adobeにしかできないことをやっている会社だ。

Appleがなくなっても、IBMがなくなっても、
Autodeskがなくなっても、KORGがなくなっても
YAMAHAがなくなってもdocomoがなくなっても世界は
今とそれほど変わらない気がするんだけど、
でももしAdobeがなくなって、フォトショもイラレも使えなくなったら、
考えられないくらいたくさんの人の人生が変わるんじゃないか。
世界も、いま見ている世界とはちょっと違うものになるだろう。

なんという絶大な権力。アレキサンダー大王だって
ここまでの権力は持っていなかった。
しかも「アジア圏で絶大なシェア」とかじゃなくて、
全世界の人が同じように使って欲しているものとなると
これはもう私企業が作れたのが不思議なくらいの奇跡である。

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そんなAdobeさんが最近推しているのが、
Adobe Creative Cloudを通じた
「コネクテッド クリエイティブ キャンバス」の構想。
iPadとかのアプリで描いた絵がクラウドに保存されて、
ご自宅のデスクトップで編集できる、みたいなやつだ。
気になる人はこちらをどうぞ。

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で、そうだイベントの話をするんだった。
こちらがAdobeMAXの会場です。

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今年の「AdobeMAX」は10月3日から7日まで。
世界60カ国から7,000人のデジタル・クリエイティブ関係者が
集います。

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4日に行われた基調講演。
アドビのデジタルメディア、シニアバイスプレジデント兼
ゼネラルマネージャーのブライアン・ラムキンさんが講演を行いました。

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ラムキンさん、Adobe製品がなくてはならない
ものになったジャンル「写真」について語っております。
モバイル専用のレタッチアプリ「Photoshop Fix」が登場したんですねなるほど、、
なんて聞いてたら、、、

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「AdobeがFUJIFILMとコラボレーション?しました!!!!」
というニュースが。
それがこのカメラ「Fujifilm X-T10」。

APS-Cサイズの有効1630万画素センサーを搭載したミラーレスカメラ。最大の特長は、金属を多用した高品位なボディに、アナログダイヤルやチルト可動液晶、高精細EVFなどを凝縮しつつ、約381gという軽さを実現したこと。

というもの。

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ミラーレスで軽くて、
なんかめっちゃいいカメラなんですけど、

ラムキンさんがその次に発した言葉に度肝を抜かれました。

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「え〜みなさんにこのカメラ、あげます」

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え?

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「ここにいる来場者、全員に、もれなく、このカメラをさしあげます。」

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マジで?

来場者、7,000人いるんですけど、、、?!

でもまあ、全員とか言ってもね。
どうせ先着順とかだろうしね。
そんなもらえるわけないしね。

と思って全く期待していなかったのですが、
これはほんとのほんとに「来場者全員」に配ってるものでした。
なんとわたくしももらえてしまったんです、、!!!!
カメラスポンサーのFUJIFILMさん&Adobe社すごすぎだろ!!

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バーン!!!!!!!!!!
ヤバイ!!!!ほんとにもらえた。

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箱だけかな?と思ったけどちゃんと中身も入ってた、、

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レンズキットなのでレンズも入ってた、、

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昨年ニューヨークで泥酔してタクシーの中に
カメラを忘れて紛失したので、こんないいカメラもらって超うれしい、、
デジカメもらったのなんて昔誕生日におねだりして以来だなあ、、

っていうかそもそも、
Adobe社がメディアツアー参加者に
抽選でお土産をプレゼントしていて、
それにうっかり当選し、
・モレスキンとのコラボ手帖
・Bluetoothのスピーカー!!
・Adobe印の水筒
などを頂いて驚愕していたばかりでした。

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すげ〜

我が人生を振り返ってみると、かつてここまで
もてなしてもらえたことがあったか疑問。
もうプラマイゼロどころかプラスすぎて、
おれのクジ運は今後大丈夫なのか心配になるレベル!
どうしようこれから先!!
そうだ、Adobe製品を使いこなして年収上げよう!!
もうそれしかない!!

ちなみにAdobeMAXでのサプライズ・プレゼントは初めてのことではなく、
昨年はMicrosoftがタブレット型PC「Surface Pro 3」を全員に贈ったんだそうです、、、、、
カンファレンスに出席したらパソコンもらえるってどういうことだ!!
まあ参加者全員が全世界から集まったデジタルクリエイティブに関わる人なので、
マーケティング的には効率がいいのかもしれない。。

AdobeMAXの参加費用は1600ドル(およそ19万円)なのですが、
リピーターがとても多いイベントなんだそう。
こんなふうにサプライズ・プレゼントがあったりするのも原因のひとつなのかも
しれないのですが、全体的にすごくおおらかでサービス精神旺盛なイベントで、
なんだか一度来てみると毎年来続けたくなる、不思議な魅力があります。
今回のイベントにおけるAdobeの方
のフル回転の広報ぶりを見ていると、こういう人たちがその雰囲気を作ってるんだろうなと思いました。

それでは引き続き「AdobeMAX」のことをレポートしていきます!

AdobeMAX

いつまでもあると思うなインターネット

Hydeparkapril87Speaker’s Corner April 1987

ロンドン中心部の公園「ハイド・パーク」の一角に、
「スピーカーズコーナー」というのがある。
そこに立てば、誰でも聴衆に向かって演説ができるという場所だ。

ほんの15年ぐらい前まで、
市民が大勢に向かって自分の意見を発表するには
メディアのちからを借りなくてはならなかった。

市民が不特定多数に向かって自分の見解を述べるには、
・評論家や作家などになる
・新聞記者になる
・街頭にビラを貼る
・同人誌を書く
などの方法しかなかった。
その以前はメディアすらなかった。

そしてその頃は逆に、他の人が何を考えているかも
それほどわからなかった。

インターネットがそれを変えた。

世の中では正しいとされているけど、
自分はおかしいと思うこと。
誰も見ていないけど、
みんなに注目してほしいこと。
今日食べたごはん。
ペットの犬。

最初のうち、そういう個人の意見は、
ネットのあちらこちらにひっそりとあるだけだった。
インターネットを使うのは教育機関や研究者など、
限られた用途と限られた人だけだったからだ。

だが技術の進化に伴うブロードバンド化、通信費用の低価格化によって
インターネットはマニアのものから市井の人びとにも開かれたものになった。

さらにSNSが登場して、自分の意見を開かれた場所に
書きのこし、伝達することが以前よりも容易になった。

旧メディアでは、発信できるのは限られた人だけ。
しかも検閲が入ったりして、自分の言葉をたくさんの人に
加工なしの生の状態で伝えられるなんて考えられなかった。
インターネット自体は何もリジェクトしない。
自分がアップロードするものを、
世界の人に向かって発信することができる。

だから我々はすごい時代に生きている。
バベルの塔でコミュニケーションが取れなくなって、
バラバラになった人類が、またひとつに戻るような時代だ。

さて、いざそうして自分の意見を発表する場が出来ると、
世の中はどうなったのか。

実はそんなに、そこまでとりたてて言いたいこともなかった。
個人を表明して、自分の意見を伝える事ができるようになったら、
さぞかし民主的な社会が作られるのではないかと思ったが、
見知らぬ他人と意見を交換し、ときに闘ったり、
仲間になったりするのは、ものすごくものすごく
しんどいことで、常人では耐えられない。
さらにそれを続けられるとなると、
そんな人、ほんとうのほんとうに、一握りしかいなかった。

いっぽうで、言いたいことは別にないけど、
なんかむしゃくしゃしてるから、何かやってやりたいという人がいる。
その一部の人は、何かを叩くことで自己を表現することにした。
そのほうが全然楽だし傷つかないからだ。
インターネットは自分を拒否しないし、
アップロードしたものをそのまま誰かに渡してくれる。
時に自分が書き込んだものが、ネガティブな方向であれ、
何かを変えると、自分に力があるように感じる。

そしてまるでもぐらたたきのように、
「これは叩いていいんだ」と世論が傾いたものを叩く人が増えた。
あら探しや誹謗中傷にものすごい労力を割いて、
何の面識もない人に苦痛を与える。
与える苦痛が大きいほど、自分の影響力が高い気がして、
喜びが増すのかもしれない。
それはまるで舞台の上でギターを燃やして叩き割るような
快感に近いのかもしれない。
お仕事の合間に、生活の合間に、それは彼らにとっても
貴重な時間なのだろうに。

■情報は貴重
そうしてなんかすごい方向に突っ込んでいく人が多くなった原因は、
インターネットの環境が整いまくったことだろう。
ブロードバンドになり、24時間同じ料金、しかも低価格で使えて、
いつでもどこでもアクセスできるようになった。
インターフェースが進化して、
ユーザーのハードルが下がって、年齢関係なく
使えるようになった。
情報を集めるストレスが格段に減ったのだ。

そうすると、いま得ている「情報」がいかに貴重なもので
あるかがわからなくなる。
この画面の向こうにいるのは、生きている人間で、
同じように傷つくのだということを忘れてしまう。
いまや誰も、ガスや電気に誰も感謝しないように、
情報を得ることができるということ、
遠い誰かとコミュニケーションできるということを、
なんとも思わなくなってしまう。
本当はものすごく貴重ですごいことなのに。

かつて民主的な社会を作るために、
女性の選挙権を獲得するために、
闘ってくれた人のことを思い出す。
その方々には本当に申し訳ないけれど、
投票率は最低を更新し続けている。

我々の手元にあるツールは、
本当はこの世界が一新するくらい素晴らしいものだ。
それを忘れて、悪魔の道具にしてしまって、
自滅しあったり、いつか、バベルの塔みたいに
取り上げられる日が来るかもしれない。
そうなる前に、早くみんなに正気が戻り、
平和で進歩的なインターネット界になってほしいなと思っている。

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お酒の失敗談ベスト3を振り返る

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酒をやめたので何も書くことがない..
こんなキンキンに冷えたビールを見てもなにも感じない!!!!

そういえばお酒の失敗談、なんかあったっけかなあ。
特に無いな。素行がいいから。
と思ったら意外とあった。

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